はんなり、万華鏡

京都を中心とした旅行記や文化についてあれこれ。

京都で日本髪

2009-07-19 17:31:45 | 京都・舞妓さん変身体験(その他いろいろ)

私が初めて日本髪を結ったのは、舞妓変身店で舞妓さん変身体験をした時です。
お店で舞妓さんと同じ結い方で、舞妓さんと同じ髷を結いました。
以来、舞妓変身体験以外でも日本髪を結っていただく機会が何度かありました。
舞妓変身体験を通じて祇園周辺の美容室を紹介いただけたので、自分で予約を取り、後日かもじをお返しします。

最近では地毛で日本髪を結って舞妓変身体験が出来るお店もいくつかありますし、そういったサービスをしていないお店に行く時は、日本髪が結えるサービスをしている他の舞妓変身店で髪を結って貰ってから別のお店に行ったり、自分で美容室の予約を取って髪を結って行くというお客様もいるそうです。
今ではなかなか日本髪を結う機会などはありませんから、舞妓変身を通じて日本髪を結えるのは素敵だと思います。

京都で日本髪を結って京都の街を歩く、というのは憧れです。
でも、京都には日本髪を結った舞妓さんがたくさんいますから、私たちのような舞妓ではない女性が日本髪で京都の街を歩く時には、残念ながら若干のトラブルが起こることもあるようです。
私は舞妓変身体験をした時やお正月の時などで、自分の着物を着て普通のお化粧で外を歩くことはあるのですが、いくら私が年増(苦笑)でとても舞妓に見えない年齢でも、日本髪=舞妓というイメージは根強いため、舞妓さんと思われないとはいいきれません。
日本髪は決して舞妓のみに許されたものではありませんので、私たちが日本髪を結って外を歩くな、ということはないですけど、誤解を受ける可能性が非常に高いです。

日本髪が結える美容室のほとんどは祇園周辺にありますから、日本髪を結った頭でどうしてもお茶屋さんの前などを通ることはあるのですが、私は日本髪を結った時には、可能な限り舞妓さんが日常的にいる場所には足を踏み入れないようにしています。
あの頭で祇園あたりをウロウロしていたら、どんなに年増でも観光客から舞妓だと誤解されたら本当の舞妓さんに申し訳ないですし、舞妓さん目当てに祇園周辺をうろつく、アマチュアカメラマンの人などから偽舞妓がいる、なんて後ろ指をさされるのも嫌ですし・・・・
日本髪で舞妓さんや芸妓さんとばったり、というのはとても気まずいものだと思います。(^^;)
祇園周辺に日本髪が結える店は多いですし、日本髪で祇園周辺を歩かれる素人さんは案外多いらしく、本当の芸舞妓さんやお茶屋の女将さんと道で出くわして、睨まれた!と憤慨したコメントをネットで見かけた事があります。
本当の芸舞妓さんからしたら、本物の舞妓さんと同じような格好をした、変身舞妓や日本髪愛好者さんなどが花街をウロウロされていたら、正直あまり愉快なものではないとは思うのですが、花柳界の人々にとっては、挨拶というものがとても重要だそうで、見慣れない同業者がいれば、どこの花街の人なのかとか、自分よりも目上のお姉さんなのかなどを判断する為に、相手を見つめたりするらしく、それを睨まれた!と思ってしまうようですね(汗)
花街の門を叩いたばかりの舞妓の仕込みさんや、出たての新人舞妓さんなどは、道ですれ違う変身舞妓さんにすら、もしお姉さんだったら無礼になるので、かなり変身さんぽくても思わずお辞儀をすることもあるそうです(^^;)

こういったトラブル?もありますから、なんにしても、私は花柳界の人間ではないので、区別やけじめは付けるべきだと思うのです。
節分やお正月など、一般の女性も日本髪を結って外を歩いても不自然ではない時期や、花街から離れた場所にいたとしても、私がいくら年増でも、舞妓さんとは違う髷を結っていたとしても、舞妓さんに思われてしまう可能性はどうしてもありますので、私としては舞妓さんのイメージを悪くしない振る舞いをするようにはしています。

舞妓変身時やそれ以外の時に、日本髪を結って京都の街を歩く女性には、敢えて舞妓に間違われたいと期待する人はいるようで、中には舞妓さんのような言葉遣いを人前でわざとしたり、舞妓のフリをして千社札を作って渡す人もいるらしいです・・・
私も少女の頃は舞妓さんに憧れていましたから、そういった心情は理解は出来るんですが、冗談では済まされない場合もありますよね。
また、日本髪を結った姿で、観光客向けに、舞妓さんが舞を舞ったり記念撮影が出来る場所に来てしまう女性もいると時々聞きます。
上でも述べましたが、確かに日本髪は「舞妓さんだけ」のものではありません。
しかし、区別やけじめは必要です。
何も分からない無関係の他のお客様は、なぜ舞妓が舞妓を見に来ているんだろう?と不思議に思ったりするでしょうし、自分は日本髪が好きなだけで結っているので、舞妓とは無関係!と思っても、現代においては特別な、芸妓や舞妓と同じような姿で同席してしまうのは、舞妓さんや関係者、その人自身もお互いに気まずい思いをすると思いますしねぇ・・・

舞妓変身は元々はお茶屋さんが、舞妓の格好をしてみたいというお客様の要望から始めたと聞きます。
節分などで、舞妓の格好をするお客様に対して、舞妓さん自身がお化粧をしてあげたりするそうです。
私が節分の時に美容室で日本髪を結っていたら、お茶屋さんから紹介されたお客様が日本髪を結いに来られ、贔屓にされているらしい舞妓さんが美容室まで迎えに来て、お客様の写真を撮ってあげている姿も見かけました。
花街の人々が舞妓変身や日本髪を結う人を嫌うばかりではないと思いますが、芸舞妓さん達の「仕事の場」に同じような姿で足を踏み入れるならば、時やタイミング、段取りや信頼関係など、色々と必要なんでしょうね。
私も花街に興味を持ち始めたばかりの頃は、あまりこういう微妙なことが分かりませんでしたが、色々な立場の人々から教えられるようになって、だんだんと分かってきました。

舞妓変身体験も、日本髪を結うのも楽しいです。
でも、自分の楽しみも大事ですが、それによって傷ついたり困ったりする人がいるかもしれません。
それらの事を頭に入れて楽しみたいと思います。



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6 コメント

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tamako様 (管理人萩野)
2009-08-04 20:43:28
京都に行かれたのですね、祇園祭りの頃でしょうか?暑かったでしょう。
夏場だと、お稽古の時などの舞妓さんはたいてい、白地に紺の柄の入った浴衣にお太鼓の帯、足袋に草履といういでたちがほとんどです。
舞妓さんになる為の修行をしている仕込さんは、カラフルな浴衣に半幅帯といういでたちの場合が多く、やはりtamakoさんのおっしゃるとおり、同業者かどうか確認をされたのでしょうね。
今はお休み中ですが、私の習い事の流派は京都の花柳界と繋がりが深く、お家元や同門の方々への挨拶事には厳しくて、素人の私たちでさえこうなのだから、芸妓さん舞妓さん達はもっと厳しくされているのだろうと思いました。
日本髪は本当に、舞妓さんのみのものではないのですが、お互い気まずくないようするのが一番楽しめると思います
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Unknown (tamako)
2009-08-03 01:40:36
とても考えさせられました。実は先日京都に行ってきたのですが、その時私は浴衣を着ていました。もちろん頭は普通の(?)頭でしたが、偶然舞妓さんと鉢合わせしてしまいました。
その時、舞妓さんは私の姿を上から下まで見たあと、帯を(私は半幅でした)確認して、それからようやくすれ違っていかれました。その表情は管理人様が書かれた通り、「にらむ」というより「真剣に確認する」表情だったように感じました。
 普通の浴衣姿でさえ、あそこまで気を遣われるのですから、舞妓さんたちが普段生活していらっしゃる世界の厳しさは想像もできません。

その世界を軽い気持で壊さないように、日本髪を京都で結うときは気をつけなくてはならないなと、勉強させていただきました。
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ちよ様 (管理人萩野)
2009-07-23 23:25:46
いらっしゃいませ!コメントありがとうございます。
投稿の件はお気になさらず。
コメントの編集機能があると良いのですが・・・
コメントを承認しないと内容も確認できないし、使いづらくて申し訳ありません。

私も実は、日本髪を結ってプライベートで祇園の方に散策しようと思った事がありました(汗)
その時にある変身店のスタッフさんに相談したところ、忠告をされたのですよね。
舞妓さんの気持ちを考えると気まずいだろうし、お勧めはしませんと・・・
こういう忠告は、変身店側でもなかなかしにくい事だと思います。
せっかく楽しい気分のお客様の気分に水をさしますから。
お客様のニーズは複雑になる一方、花街とそれなりに繋がりのあるお店は矢面に立つこともあるかと思いますので、お客様の要望や花街側との軋轢など、色々と大変だと思います。
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日本髪と変身さん (ちよ)
2009-07-22 01:02:13
はじめまして。
「京都で日本髪」の記事、本当にそのとおりだと思うことばかりでした。
変身舞妓さんや白塗りをしないで日本髪だけの変身普段着舞妓さん?が起こすトラブルは耳にします。
「舞妓変身」ではなくただ日本髪を結っているだけの素人、という名目で野放図に振舞われている方が多いように思います。
そういった考えの人が多いと、変身舞妓はもちろんのこと、京都の人や花街関係者からは嫌われる一方なんですよね・・・・
一般的には、カツラなのは変身舞妓、地毛は本物、というのが舞妓の真贋基準といわれるくらいですから、カツラで安っぽい衣装を着て清水寺周辺を歩くありがちな変身舞妓さんより、地毛で結った日本髪に普通の着物姿の人がいたら、やっぱり本物の舞妓さんと思ってしまうでしょうね。
本物はオーラが違うから見分けがつく、なんて言っている人もいますけど、案外京都の人でも見分けつかないと思いますよ。
地毛で結った日本髪に浴衣姿の女の子を、明らかに素人さんなのにあれは本物だ!!って言い張る人もいれば、お茶屋さんで遊んでいる人なのに、本物の売れっ子舞妓さんを指差して、あれは偽者!!と言い張る人もいて・・・・
いくら日本髪が舞妓だけの専売特許ではなくても、区別やけいじめの意識を持つというのは、本当にそのとおりだと思います


花街側から考えた意見、実際に舞妓変身や日本髪を楽しむ立場からの意見の両方を中立的に書かれているサイトは見かけません。
変身舞妓が好きな人はナーバスに反応する人が多いと思います。
他の掲示板などでは自分たちは楽しく遊んでるんだから批判は止めて、自分が楽しければ良いじゃないという傾向で残念に思っています。
なかなか勇気のいることだと思いますが、今後もご意見を伺えるのを楽しみにしています。

PS.投稿の件、お手数をおかけいたしました!
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まひろ様 (管理人萩野)
2009-07-20 21:31:39
いらっしゃいませ!はじめまして。
コメントをありがとうございます。嬉しいです
私自身は主にお正月に結う事が多いからなのか、日本髪で歩いてトラブルになったことはなく、むしろ好意的に声をかけられることの方が多いのですが、すれ違いざまや遠目にじっと見られることも多くて、すべての人が好意的に見ているかはなんとも分かりませんね
京都で日本髪に結って東京に戻ってきた時に、東京駅で舞妓さんと小声でぼそぼそ言いながら、ずっと横に並んで歩いてついてくる男性がいて怖かったです。
東京ではさらに日本髪の人はいませんからね・・・普通に日常の事をしようにも、やはり目立って大変だと思います。
そうですね、もっと身近になると良いですよね。
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初めまして (まひろ)
2009-07-20 14:11:20
記事を読んでいて
はぁ‥たしかに
と、思わず頷いてしまいました。

私も日本髪が大好きですが、京都では厳しい目で見られることもある一方、京都の街以外で日本髪でいると変に思われたりもしますね。

地方の花街の半玉さんでも、地毛で日本髪を結っていると好奇の目で見られたりするそうです。仕込みさんなど暮らしのお手伝いをしてくれる人もないので、日本髪姿ででも自分でスーパーやコンビニに行かざるを得ないなど大変そうです。

正月などの行事以外でも
「ちょっと特別な日は日本髪に」
と、もっと身近になってくれたらいいのに‥と思います。
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