はんなり、万華鏡

京都を中心とした旅行記や文化についてあれこれ。

お見世出し

2005-12-18 15:48:13 | 京都・本
お見世出し

角川書店

このアイテムの詳細を見る


京都の花街の一つ、宮川町を舞台にしたホラー小説です。舞妓さんが主人公のお話が一つ、芸妓さんが主人公のお話が一つあります。
舞妓さんが主人公のお話は、舞妓の見世出し(デビュー)を前にして自殺した少女とそっくりな舞妓さんが、深夜のお茶屋のバーでお客さんに、その自殺した少女と自分が遭遇した恐ろしい話について語っていきます。怖くて悲しいお話です。
芸妓さんが主人公のお話は、OLを辞めて芸妓になった女性が、節分の「お化け」という行事に遭遇した怖くて不思議なお話について描かれています。
年下だけど先輩の意地悪な舞妓さんや、霊感が強く変わり者の舞妓さんとの花街の生活が詳しく描かれています。私的にはこちらのお話の方が面白かったかな。
芸妓さんのお話は、舞台になった置屋と登場人物の設定についてモデルがあるようですね。主人公の芸妓さんのプロフィールや源氏名がとても似た方が宮川町にいらっしゃいます。(^^)

著者は京都出身の方だそうで、五条の生まれだとか。京都の言葉がとても自然に書かれていると思います。京都や花街を舞台にしたミステリー小説は多いですが、ホラーは割りと少ないのではないでしょうか。怖いお話は苦手な方もいると思いますがお勧めの一冊です。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。