ひとの賑わいを無くした高原の原っぱに
桔梗、刈萱、女郎花、
撫子またフジバカマらは群れ咲き
マツムシ草もミヤマリンドウも空を抱いて合唱する(うたう)とき
うろこ雲、 さば雲、 いわし雲、
もつれ雲、 あわ雲、 まだら雲
雲たちは時のまにまに 姿を変え 姿を無くし
空の青に溶けて彷徨い
風は見えない音譜を記し
油照りでむせかえった 夏草の香を惜しみながら太陽を
賛美して見送るのです。
虫どもは そこまで来た季節に歌い踊ろうと自慢の羽根など磨きだし
喉や弦やのもろもろの調子を真面目顔で確かめたりして
夏の熱をおさめた地に今年かぎりの
宴の準備に忙しく
太陽が遠のいた高原は
清涼の気を隅々にまで拡げ
生きものらは 自然に安らぎ身をゆだね
過去と未来の真ん中で
気の遠くなるような時間の存在のなかで幾度も
小さな命の営みにいそしむのです
秋草の花を風が撫ぜ
かるかやの 穂のゆれる音がちいさく聞こえ
山の原っぱはただ静かに
夕べを迎え
また朝に目覚め
星たちは静かに 繰り返しめぐりまわり
雲たちはいずこからともなく
湧き来てまた 流れて消えてゆくのです
桔梗、刈萱、女郎花、
撫子またフジバカマらは群れ咲き
マツムシ草もミヤマリンドウも空を抱いて合唱する(うたう)とき
うろこ雲、 さば雲、 いわし雲、
もつれ雲、 あわ雲、 まだら雲
雲たちは時のまにまに 姿を変え 姿を無くし
空の青に溶けて彷徨い
風は見えない音譜を記し
油照りでむせかえった 夏草の香を惜しみながら太陽を
賛美して見送るのです。
虫どもは そこまで来た季節に歌い踊ろうと自慢の羽根など磨きだし
喉や弦やのもろもろの調子を真面目顔で確かめたりして
夏の熱をおさめた地に今年かぎりの
宴の準備に忙しく
太陽が遠のいた高原は
清涼の気を隅々にまで拡げ
生きものらは 自然に安らぎ身をゆだね
過去と未来の真ん中で
気の遠くなるような時間の存在のなかで幾度も
小さな命の営みにいそしむのです
秋草の花を風が撫ぜ
かるかやの 穂のゆれる音がちいさく聞こえ
山の原っぱはただ静かに
夕べを迎え
また朝に目覚め
星たちは静かに 繰り返しめぐりまわり
雲たちはいずこからともなく
湧き来てまた 流れて消えてゆくのです