
「僕は女の子を殺してしまった。 それから家の中は、静かになった。」
「あの子は死のうとしている。わたしはあわてて一生懸命考えて、カバンの中から鏡を出した。」
ハル、小学校6年生。自分のせいで知らない同い年の女の子が死んでしまった。死んだら楽になるかとビルの屋上から飛び降りようとした時、向かいのビルからピカピカと・・・光が目に入る。それはやはり同い年の女の子の手鏡から発せられた物だった。そしてその女の子、カホは自分が死なせてしまった女の子の親友だった・・・・そんなお話。
この人らしい、優しくて美しいお話。がんばる子供たちも、その子供たちを支えようとする二人の赤の他人の大人の男たちも・・・とても素敵に描かれている。現実社会でささくれ立った心も洗われます。良いです。
尚、ボリューム的にはページ数の割りに軽め。
非常に面白かったです。