さっぷいさっぷい外語学院(生徒:ゴタ、張るカイロさん)

ご一緒に学習を!
私は先生ではありません.間違いだらけかと思います.
ご容赦下さい.

3520番:青い自転車(1)(挫折前科1犯)

2024-03-01 22:51:35 | 日記
青い自転車 ① 

レジーヌ・デフォルジュ

La Bicyclette bleue

Régine Deforges
 

【1】
PROLOGUE
Le premier levé, Pierre Delmas prenait un mauvais café,
tenu au chaud par la servante sur un coin de l'antique cuisinière.
Puis, sifflant son chien, il sortait, l'hiver dans la nuit, et l'été,
dans le petit matin triste qui précède l'aube.


 訳
真っ先に起きて、ピエール・デルマはまずい珈琲を飲んでいた。
家政婦が古式のレンジの片隅で温めておいたものである。
それから口笛で犬を呼びながら、ピエールはいつも外出した。
冬はまだ明けやらぬ夜の闇の中でも、夏は薄暗い夜明けでも。


《語彙》
le premier  一番に(最上級)
levé(形)起きた <lever 起こす 分詞構文、主語は Pierre Delmas
cuisinière(f)(天火のついた)レンジ
tenu au chaud / tenuの前にcafé を補って考える
       tenir ~au chaud で、「~を熱く保つ」
       過去分詞なので受け身。動作主はpar によって
       導かれる la servante 辞書には、
女中、下女となっているが
       今の時代、そういう訳をすると
しかられるので、家政婦。
      「家政婦によって熱く保たれていたコーヒー」
café qui était tenu au chaud par la servante
という理解でいいと思います。 
coin    レンジ台には炉は通常2つ~4つあるので、
そのうちの1つを隅と言ったものと思います。
sifflant <  siffler (v.t) 口笛を吹いて呼ぶ
triste  陰気な、悲しい
le petit matin 夜明け ※ nuit となっていますが、
   ピエールは1番に起きて・・とありますので
    まだ明けていない冬の早朝ということだと思います。
qui précède l'aube これではっきり夜明け前だ
ということがわかりました。
尚、l'hiverとl'étéの正体がわかりにくいですが、,
il sortait dans la nuit en hiver,
et dans le petit matin triste qui précède l'aube en été.
のようなことを歯切れよく分詞構文調
(ayantを省略して)に言ったものだと思います。

 

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3519番:ボヴァリー夫人(18)

2024-03-01 22:47:22 | 日記


Gustave Flabert
Madam Bovary
ボヴァリー夫人

ボヴァリー夫人(18)

       
———————————【18】—————————————————
                                
   ——Que  cherchez-vous ?   demanda  le  professeur.
   ——Ma  cas..., fit  timidement  le  nouveau,  prome-
nant  autour  de  lui  des  regards  inquiets.
   ——Cinq  cents  vers  à  toute  la  classe !  exclamé
d'une  voix  furieuse,   arrêta,   comme   le  Quos  ego, 
une  bourrasque  nouvelle. 


———————————(訳)—————————————————

  「何を探しているのだ?」 先生が聞いた.
  「ぼくの帽...心配そうな視線を自分の回りに走らせ
ながら新入りはおずおずとしていた.
 「クラス全員、詩を500行!」
この言葉が怒鳴る声で叫ばれたが、軍神が部下を脅すク
オス・エゴを叫ぶように、また新たな笑いの突風を阻止
したのだった.

発せられた.

 

———————————《語句》————————————————
       
promener des regards:視線をあちこちに走らせる
cinq cents:[サンソン](数) 500  (どちらもサンと読むのでサンサン
    ですが、cinqはセン、cent はソンに近い音で、耳には
   サンソンと聞こえます.)       
vers:(m) 詩の1行、 詩句、
  [複数] 詩       
furieux(se):(形) 激怒した、激昂した、怒り狂った
arrêta:(3単単純過去) < arrêter
bourrasque:(f) ❶突風、疾風;❷かんしゃく
Quos ego:テキストにはラテン語でこの言葉の元が書か
    れているのですが、さっぱりわかりません.フ
    ランス語の解説もわかりません.訳本の解説を
    みると、軍神ネプチューンが目下の者を脅して
    命令するのにこのフレーズを使ったのだとか.
    今でいう「パワハラ」ですね.

 

———————————≪読解≫————————————————

❶——Ma cas..., fit timidement le nouveau, promenant  
autour de lui des regards inquiets.

「僕の帽子...」この箇所だけが発話されたセリフ.
あとは地の文ですが、主語と動詞が倒置されています.
並べ替えると:
Le  nouveau fit timidement.
文の骨格はこれだけであとは、付帯状況.
fit はfaire の単純過去3人称単数.ここでは自動詞で
「振舞う」の意味.「おずおずとしていた」となります.
これに分詞節がトッピングされて、
promenant autour de lui des regards inquiets
「心配そうな視線を自分の周囲に走らせながら」  

全部合わせると
「僕の帽子...」心配そうな視線を自分の周囲に走らせ
ながら、新入りはおずおずとしていた.

❷arrêta:これの主語は「クラス全員、詩を500行!」
 という先生の脅し文句全体になります.この文句が
 生徒たちのクスクス笑いを止めてしまいました.
 ちょっと笑っただけで詩を500 行(20ページ分ぐら
 いでしょうか)書かされたらたまりません.

  

 

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3518番:ボヴァリー夫人(17)

2024-03-01 22:43:06 | 日記


Gustave Flabert
Madam Bovary
ボヴァリー夫人

ボヴァリー夫人(17)

       
———————————【17】—————————————————
                                
  Cependant,  sous  la  pluie  des  pensums,  l'ordre  
peu  à  peu  se  rétablit  dans  la  classe,  et  le  pro-
fesseur,  parvenu  à  saisir  le  nom  de  Charles  Bo-
vary,  se  l'étant  fait  dicter,  épeler  et  relire,  com-
manda  tout  de  suite  au  pauvre  diable  d'aller  
s'asseoir  sur  le  banc  paresse,  au  pied  de  la  
chaire. Il  se  mit  en  mouvement,  mais,  avant  
de  partir,  hésita.
  


———————————(訳)—————————————————

 しかし先生が名前を聞き出すため、次々に、新入生に
あれやこれやと指図する中、教室の中は徐々に秩序を取
り戻しました.先生は、名前を書き取らせたり、スペル
を言わせたり、再読させたりして、ようやくシャルル・
ボヴァリーという名前だということがわかったのでした.
そしてすぐさま先生は、この哀れなやつに教壇のすぐ下
の劣等生席に来て座るよう命じました.新入りはどうし
ようかと迷った末にやっと移動しました.
 

———————————《語句》————————————————
    
cependant:(接) しかしながら、にもかかわらず、   
pensum:[ペンソム][ラテン語](mn) 罰の宿題
   faire des pensums / 罰の宿題をする
sous la pluie des pensums:罰の課題の雨の中;
   雨あられと降り注ぐような先生からの課題
  (自分の名前がちゃんと言えるまで、
   先生が新入りに、あれこれ指示したこと)
ordre:(m) 秩序   
se rétablit:(3単単純過去) 
      < se rétablir (pr) 健康を回復する、回復される、
   状態が元に戻る    
rétablir (他):もとの状態に戻す、復旧する、回復する   
parvenu(e):成り上がり者 (p.passé) <parvenir 
parvenir:(自)[àに]苦労して達する     
saisir:(他) つかむ、捕らえる、把握する、理解する   
dicter:(他) 書取らせる、   
se l'étant fait dicter:(p.pré) [leは名前]
   名前が聞き出せたところで  
épeler:(他) 字のつづりを言う、
   Voulez-vous épeler votre nom ?
      名前のつづりを言ってください.     
relire:(他) 再読する、読み返す、
   J'ai relu plusieurs fois ce livre. 
      私はその本は何度も繰り返し読んだ. 
commanda:(3単単純過去) < commander (他)
   ❶ 指揮する; ❷支配する、命令する  
diable:(m) ❶悪魔、❷人間、やつ、男、
   bon diable / いいやつ
   ❸やんちゃ坊主、いたずらっ子   
s'asseoir:(pr) 座る、着席する
  * asseoir:(他) 座らせる、着席させる
sur le banc:席に;(慣用表現)
   無理に「席の上に」としないこと.
   sur les bancs は「在学中に」「学校で」  
paresse:[パレス](f) ❶怠惰、安逸;❶不活動、のろさ 
le banc paresse:辞書不掲載語だが、banc には特定の人が
   座るという意味があるので、おそらくこれで
   「劣等生の席」なのであろう;反対に優等生の席は
   banc d'honneur でクラス1位の成績の人が座る
chaire:(f) 教壇
au pied de la chaire:教壇の真近に;
Il se mit en mouvement:彼(新入生)は移動を始めた.
    mit はmettre の3単単純過去 (直現はmet)   
partir:(inf) 行くこと  
hésita:(3単単純過去) < hésiter (自) ためらう
   < hésiter à + 不定詞 > ~するのをためらう
   尚本文 < hésiter de + 不定詞 > は古形で、
   意味は同じ「~するのをためらう」. 
     フローベール(1821~1880)は200年ほど前の人
   ですので、ときどき古い表現があります.
  

 

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3517番:ロックの娘(25)

2024-03-01 22:40:50 | 日記


ロックの娘(25)     
La petite Roque


—————————【25】——————————————
                       
 Le  facteur,  à  ce  toucher,  sentit  son  cœur  
retourné,   comme  il  le  dit  plus  tard,  et  la  
salive  séchée   dans  sa  bouche. Se  relevant  
brusquement,   il  se mit  à  courir   sous  la  
futaie   vers   la   maison   de   M.  Renardet.

   

.——————————(訳)———————————————
                               
 郵便配達夫は、後に話したところによると、死体に
触れたとき、心が動転しているのを感じて、口の中は
唾液もからからに乾いていたという.彼は咄嗟に立ち
上がり、樹林の中を走り出し、ルナルデ氏の宅を目指
した.


.——————————《語句》——————————————
    
facteur:(m) 郵便配達員
à ce toucher:これに触れると;
   ce は指示形容詞で「この」
   ce を動詞 toucher の直接目的と見ることは文法上
   できません.ce は文法上「主語」に立つからです.
      ここではtoucher は名詞(m)で「手触り」「触覚」
     「感触」「触れること」 à は前置詞で、「~によ
      って」. à ce toucherは「この感触によって」
sentit:(3単単純過去) < sentir (他) 感じる
cœur:(m) 心  
retourné:(形、p.passé) 動転した;
   <retourner (他) 動転させる 
sentir son cœur retourné:自分の心が動転しているのを
   感じる.[感覚動詞は目的語が不定詞の主語と
   なるが、ここでは不定詞êtreが脱落したものと
   みればよい]   
comme il le dit plus tard:彼がのちに話したところでは
   le は中性代名詞で、死体発見当時の状況のこと    
salive:[サリーヴ](f) 唾液、つば  
séché(e):(形、p.passé) 
   < sécher (他) 乾かす、乾燥させる  
dans sa bouche: 彼(女)の口の中では
se relevant:(p.pré) 
   < se relever (pr) 立ち上がる、起き上がる   
brusquement:[ブリュスクマン](副) 急に、不意に   
futaie:[フュテ](f) 大木、大木の樹林、
   森の中の大木の木立、大樹からなる森、
   高林、樹林、植樹造林

 

 

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3516番:ナナ(14)(エミール・ゾラ)

2024-03-01 22:37:22 | 日記


Émile Zola
—Nana—

ナナ(14)


——————————【14】—————————————————
                              
  Il  se  calma. Mais  le  vide  de  la  salle,
le  demi-jour  du  lustre,  ce  recueillement  d'église
plein  de  voix  chuchotantes  et  de  battements  de
porte  l'agaçaient.
                    

..——————————(訳)——————————————————
                             
 それからフォシュリーは静かになった.しかし場内は
がらがらで、シャンデリアの薄明かりや、ひそひそ声で
あふれる教会の瞑想のような静けさや扉の音が彼の神経
にさわったのだった.

   

..—————————⦅語句⦆———————————————

demi-jour:(複demi-jours)(m) 薄明かり(明け方、夕方)    
lustre:[リュストル](m) ❶シャンデリア; ❷光沢、輝き      
recueillement:(m) 内省、瞑想、ここでは「静けさ」   
église:(f) 教会
plein de ~:~でいっぱいの 
voix:(f) 声  
chuchotantes:(p.pré/pl/f) < chuchoter (自) ささやく 
battement:[バトマン](m) 打つこと、打つ音;
    battement de la pluie contre les vitres
       窓ガラスをたたく雨音 
porte:(f) 出入口、門、戸口、ドア、扉   
agaçaient:(半過去3複) 
        < agacer (他) (人を)いらいらさせる、

 

                              

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