もぐりの語学教室+修行が辛くお寺を逃走した元僧侶見習の仏教セミナー

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4910番:またありました誤訳、すみません(4904番、さすらい)

2024-10-03 01:22:21 | 日記

誤訳のおわび

 

さすらいの青春(519)に誤訳(というより部分未訳)がありました.

未訳部分は赤色部分です.すみませんでした.4904番の訳文はすで

に加筆修正済みです.

 

 

.————————(訳)—————————————
 
 まだ夜は明けていなかったが、そのとき馬車
が街道上で止まって、モーヌは窓ガラスをたた
く誰かに起こされた.御者がつらい思いでドア
を開けて叫んだが、そのとき同時に夜の冷たい
風がモーヌを骨の髄まで凍らせた.
 「ここで降りてもらうことになるよ.我々は
ここから近道をするのでね.サント=アガット
はもう目の前だ.」

 

追記

それから翻訳書では péniblement には「やっとのことで」と

いう訳がつけられていましたが、そんなドアなら修理してい

たはずだと思ったので、「悲しい思いで」「すんませんなあ」

という気持ちで開けたのだと解釈しておきました.


◉ 御者が苦労しいしいとびらを開けて(旺文社)
◉ 御者がやっとのことで戸をあけた(角川)
◉ 馬を操っていた男が苦労してやっと扉を開けて
                 (岩波)
◉ 御者が、苦心して戸を開いて(みすず書房)
◉ 御者がやっとの思いで戸を開けて(パロル舎)
◉ 御者が、やっとのことで扉を開け(講談社)

もしかしたら、この御者には「気の毒な悲しい思い」
なんて全然なかったのかも!

 

———————【519】———————————

  Ce  n'était  pas  encore  le  petit  jour  
lorsque,  la  voiture  s'étant  arrêtée  sur  la
route,  Meaulnes  fut  réveillé  par  quelqu'un
qui  cognait  à  la  vitre.   Le  conducteur  
ouvrit  péniblement  la  portière  et  cria,
tandis  que  le  vent  froid  de  la  nuit  
glaçait  l'écolier  jusqu'aux  os:
 « Il  va  falloir  descendre  ici.   Le  jour
se  lève.   Nous  allons  prendre  la  traverse.
Vous  êtes  tout  près  de  Sainte-Agathe. » 

 

.——————— ⦅語句⦆ ————————————
     
petit jour:(ほのかな)曙光
   au petit jour / 夜明けに   
cognait:(直半過/3単) < cogner (自) 強く打つ
   たたく、  
conducteur, trice:(n) 運転手、御者  
ouvrit:(直単過/3単) < ouvrir (他) 開ける  
péniblement:(副) ❶骨を折って、やっとの事で、
       ❷つらい思いで、悲しく  
portière:(f) (乗物の)ドア
cria:(直単過/3単) < crier (自) 叫ぶ、大声を出す.
tandis que:❶~する間に;❷~であるのに
glaçait:(直半過/3単) < glacer (他) 凍らせる、
   こごえさせる、
os:(単複同形)【単数の発音=オ】【複数の発音=オス】
    (人、動物の)骨、(魚の骨は arête)
Il va falloir descendre ici:ここで降りることになるよ.
  il faut descendre ici. / ここで降りなければならない
  il va falloir descendre ici. / ここで降りることになる  
Le jour se lève:夜が明ける  
prendre une traverse:近道を行く
Nous allons prendre la traverse:我々は近道をする
Vous êtes tout près de Sainte-Agathe:
   もうサント=アガットはすぐのところだ.

 

 

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