さっぷいさっぷい外語学院(生徒:ゴタ、張るカイロさん)

ご一緒に学習を!
私は先生ではありません.間違いだらけかと思います.
ご容赦下さい.

5050番:さすらいの青春(553)

2024-10-28 03:11:27 | 語学


さすらいの青春(553)
𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
   

———————【553】——————————— 

  Ils  étaient  vers  la  croix.   Je  m'avance:
je  fais  deux  pas——Hip !  les  voilà  partis
au  grand  galop   du  côté  de   chez  vous.  
Ah !  je  n'ai  pas  hésité,  j'ai  pris  mon  fa-
lot  et  j'ai  dit:  je  vas  aller  raconter  ça 
à  M. Seurel... » 
  Et  le  voilà   qui   recommence  son  his-
toire: 
                                         
     
—————————(訳)—————————————

 ふたりの若者は街道のロータリーのあたりに
いました.私は2歩ほど踏み出しました.何と
参ったことか! 彼らはお宅のほうを目指して
猛ダッシュで駆け出しました.あれまあ! 私
は迷うことなく、角灯を携え言いました: 
「このことをスーレル先生のお宅へ報告してく
るからね.」
 肉屋はこうして話を繰り返すばかりであった.
   
     
———————— ⦅語句⦆————————————
    
croix:(f) 十字架、ただしここでは❶教会の墓地、
   ❷四辻街道、のどちらかを象徴的に描いて
   いる.おそらく❷の意味.定冠詞があるの
   で既出語であることが暗示されている.des 
   Quatre-Routes. のことであろう.これはただ
   の四辻ではなく、4つの街道が4方向に延び
   るロータリーであろう.その付近に立ってい
   たということ.       
histoire:(f) 出来事、事のいきさつ、問題 
Hip ! :ばんざーい!、この万歳は勝利の万歳では
   なく、降参、お手上げの万歳.「何と参った
   ことには」と訳しておきます.
hésité:(p.passé) < hésiter (自) ためらう、迷う
   躊躇する
falot:(m) (大型の手提げの)角灯
je vas aller raconter ça a M. Seurel...:文法では
      vais と言うべきところ.訛りを描いて
   いるか単に入力ミスか、他のLe grand
      Meaulnes を開けてみたがvas だった.
   肉屋のおやじの訛りということでしょう.
   「おらスーレル先生のとこさ行ぐべす」   
recommence:(直現/3単) 
   < recommencer (他) 繰り返す
      肉屋はこうして話を繰り返すのである.
le voilà qui:le は肉屋、qui 以下は現在形ですが、
    過去形で訳しました.
   le voilà. / ほらあそこに彼がいる.
   くり返して話す彼がそこにいた.
      voici はこれから話すこと、「つまりこう
   いうことだ」と」話を切り出す.
   voilà は、「以上が…のあらましだ」と話を
   終える.(原則はそうだが例外もある) 
 


——————— ≪ひとこと≫ —————————————

「このことをスーレル先生のお宅へ報告してく
るからね.」
この肉屋のセリフが誰に言っているのかが不明
になっています.❶家内に言った、❷ひとりごと、
❸駆け出した2人の青年、❹わざとぼかして読者
に委ねた.
 読者に4つの選択を委ねた作者は、十字路とい
う街道を描いて、登場人物にも選択をさせている
のが面白い.「岩波文庫」の『グランモーヌ』の
解説によると、選択には意外な結果があるようで
す.それが「グランモーヌ」の魔術的要素になっ
ているのだとか.

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 5049番:「椿姫」(2)... | トップ | 5051番:サウンドオブミ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

語学」カテゴリの最新記事