いい映画でした。
しかし、最初にこのタイトルがよくわからない。
原題は「The Fault in Our Stars」
私の直訳英語だと、「私たちの星の欠点」
星を星回りとか、運ととらえると、
「私たちの悪い運命」みたいな?
和訳だと、「悪い運じゃない!」と断定しているのか、
それとも「運悪いよね?」と明るく軽く言ってるのか、
「星回りのせいだよ」と言ってるのかさっぱりわからない。
ちなみに作者が若くしてガンで命を落とした友人からインスパイアされたという、
ベストセラーの原作は「さよならを待つ二人のために」と。
これはまさにズバリの状況なんだけど。
ちなみに「ラッキースター」は「幸運をもたらす存在」として、
非常に前向きな言葉だそう。その逆?
ますます混乱するからやめる。
いわゆる「セカチュー」みたいな涙涙の難病の恋人もの。
とは全然違う。
「世界の中心で愛を叫ぶ」ということ自体が、ジコチューなんだもん。
ふたりとも死がそばにあるのだけど、
抱き合ってめそめそと泣いていたりしない。
相手を笑わせたり、ハッピーにさせることばかり考えている。
命の瀬戸際を実感しているので、大事な人たちへの気遣いがすがすがしい。
若くして死期を意識したら、自分のことではなく、
残される人の幸福ばかりを考えてしまうのだろうか。
失恋した友人が元気になるような報復を。
娘にすべてを尽くしている母の自分の死後を。
残された恋人の大切にしていた答えを。
名言がたくさんあった。
ネタバレになってしまうけど、
大切な人を失った娘へ父の一言。
「残念だった。でも出会えて幸せだったとわかっただろう?」
きっと両親も娘の死後に必ずそう思うのだと、娘に伝えたかったんだね。
辛い別れをするなら会わないほうがよかった!などと思うのは、
不幸せすぎる。
こんなにも別れ難い人に合えた幸運を喜ぶべきなのだね。
それからもう「きゃ~~~」なことが。
全然知らずに映画を観たのだけど、
あのウィレム・デフォー様がでてる。
きゃ~~~!!
一瞬にしてそのキャラクターを実感させるリアリティ。
いけすかない、不穏なしかし無視できない奥深い知性というキャラ。
エキセントリックな演技というわけでもないのに、
一々に存在感があるのはなぜ?
フェンダーミラーに小さくなるサマのなんと絵になることよ。
彼の与えてくれた結末のヒント
「無限には大きい、小さいがある」に導かれた人生の解が、
すばらしい。
短くとも、愛し愛された人生は無限。
最後にもうひとつだけ。
どうしてこれR12なの?
未成年の恋愛シーンはあるけど、それがなんだっていうんだい!!
っていうほど輝いているのに。
星の輝きも人生も無限ではないから愛おしいのに。