涼しい夜なので、静かな心のうちを。
以前書きたいと思っていたこと。
静岡市にあった
谷津教会が5月に焼失しました。
近日、有形文化財から抹消されたそうです。
プロテスタントとカトリックの区別も怪しいですが、
ここは、中庭に小さなマリアさま。
カソリックなんですね。
そして、こじんまりした瓦屋根、板壁の日本家屋。
こっそり覗くと(木枠の窓が開いていたのですよ)、聖堂内部は畳敷き。
簡素な祭壇に百合の花が活けられていたのは、記憶の美化でしょうか。
今なお、大切にされている心をみたように覚えています。
信仰心がなくても、おのずと教会そのものに手を合わせてしまうような佇まい。
1917年ごろ、大正時代というのですから、もう築100年以上ですよ。
失ったものは戻りません。
設計図が残っていて、同じものを建てたとしても、
それはやはり別の建物、別の文化でしょう。
巡回教会だそうですから、司祭(カソリックは神父?)は常在ではなかったのですね。
不審火なのだとか。
完全に焼け落ちた教会は、キリストの磔の御姿のように見えました。
「心が痛む」ということが、祈りの原点、なにより人間性の原点だと思う。
失ったものは決して戻らないけど、
この気持ちだけは失いたくない。