静かな新年、静かな正月休みであった。 年末に借りた5,6冊の予約本は、左程の面白みでなく 結局「明治という国家」が一番であった。これは、 ドラマ坂の上の雲制作時の参考本のひとつで、 明治の成り立ちが、司馬さんの目でまとめられている。 TV収録「太郎の国の物語」を本にしたもので、DVDを見たが、 何故か本のほうが面白い。何故なのか。 維新をなし、新しい明治の国つくりをなした時代は、 世界史的にみても別な時代が存在したほどの感触を持ち、 日本の近代化を人類の一遺産のようにも思っているとも書いている。 (帯から)
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熊野 神と仏
新聞の新刊書評で見つけていた。「熊野 神と仏」 熊野本宮と金峯山寺、その間に専門家が入った対談が面白い。 トークものは話しの思わぬ展開が楽しめ、 書き物にない面白さがいい。 本地垂迹の説明が、ここではじめて解ったような気がした。 |
お久し梟
6巻目が終ってしまった。 読んでいて長い小説だと思わず、どれもずーっと面白い。 身内に関係者はなく、戦争の様子は本でしかわからないが、 大国ロシアの負けは、悪しき一君帝政と国民の力の低さ、 小国日本は、勝ちたい思いと民の気概、それと運のよさであろうか。 司馬さんは、この巻のあとがきで記している。 『執筆は4年と3ヶ月、準備に5年ほどをかけ、自分の40代はこれで消えてしまった。 書き終えたとき、夜中の数時間ぼう然としてしまった。』 大仕事をおえたとき、あの大きな目の表情はどのようであったろう。 元来は、『書きおえたときの感傷を軽蔑する習慣を自分に果たしていた』そうであるが、 それを思うと、この数時間のぼーっは途方もない感慨であったのだと思う。 |
梅雨明け近くは大雨が多いと聞く。 暑く鬱陶しいこのころは、エアコンにこもり明るい窓辺の本読みが一番。 こう言うときに読む痛快本はこれ、TVドラマも面白かったがその後なくなり寂しい。 「斬九郎」には、時代物、江戸情緒が快調に凝縮されていて1冊しかないのが惜しい。 大阪は今日は天神祭り、心配されていた雨はよかったよう。 夜の祭り、水の祭りとユニークな祭りが、 今年はオールスタート戦と重なり、TV観戦が忙しい。 この柴田錬三郎の時代、柳生武芸帳の五味康祐がいた。 この人は知る人ぞ知るオーディオマニアで、 英国タンノイ社まで出向き自分の音を追い求めた。 遺族が亡くなった後、長らく在住の練馬区に一切が寄贈され、活用されているそう。 近ければ、折に催される名盤コンサートを聴きに行きたい。 |
クリスティーズ(N.Y.オークション)でオリジナルプリントに2億円の値がついた写真家。
今年一月の週刊文春で写真家杉本博司をはじめて知る。
その記事で大阪での作品展があると知り楽しみにしていたが、それが明日になった。
世界一の銀塩プリントが見れるとなるとわくわくする。
府立図書館に2月初めに予約した「苔のむすまで」が、ようやく1週間ほど前に入り間に合う。
これは面白い。
写真家ながらそれまでの仕事に骨董があり、日本文化に関わる期間も長かった。
9.11テロも現地で生で見、米国永住権も取っている。
「苔にむすまで」ヨリ Q:海外に長くお住まいですね。 A:私は法的には在留邦人と呼ばれます。 Q:アメリカでは外人になるわけですよね。 A:アメリカ人はみな外人です。 Q:在留が長くなるとどうですか? A:日本が見えてきます。 Q:どのように? A:もっと日本人になりたくなります。 |
この土偶(H 14.5cm)は、
多分ご本人が骨董屋時代に掘り出したものであろう。縄文遺跡三内丸山古墳行きがまた楽しみになった。
先月末の神戸、白洲正子展会場のグッズ売場でこの本を見た。
気にかかり控えて帰り、花園図書館から借り出して読む。
小林秀雄著「真贋」は美術エッセイで2000年にでてるが、
原文はと見れば42年から78年に発表されたものをあつめている。
冒頭の「美を求める心」から抜粋する。
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白洲とは骨董で繋がっているらしい。
感動したとき、夢中で撮る。やはりこれが一番。
先入観なしで向き合う。これが一番。
目玉梟
今年面白かった本
・ ルポ貧困大国アメリカ・・堤未果著・・・年末の今から思うと、これでは米も崩れることになる。一大警鐘。
・ 柳孝骨董一代・・・・・・青柳恵介著・・・日本文化の研究1、こういう世界があるのだ。
・ 小栗往還記・・・・・・・松本徹著・・・日本文化の研究2、とにかく面白い。
・ 山の宗教・・・・・・・・五来重著・・・日本文化の研究3、歴史は面白い。
弟子屈・硫黄山梟
今朝は初めて中で20度を切った。去年より冬は早いのではないか。
花園図書館の新刊書棚にみつけた「中国臓器市場」城田英巳著(時事通信記者)。
以前、面白かった「バイオポリティクス」を読んでいたので目に付いたのかもしれない。
知らされてない世界があるもので、肝腎等臓器移植が中国は米に次ぐ2大国であるらしい。
アムネスティによれば、中国の死刑執行は2004年は3400人、実数はこれより多いらしい。
これら死刑囚からの臓器提供が大国の理由、ドナーの少ない我国と状況が異なる。
身内に必要とするものなく、ドナーカードも献体も考えられない身であるが、
この移植には日本人仲介者がいて、日本からも多く受けに行くらしい。
命がかかっているから、可能ならそうすると思う。
図書館はまったく本の倉庫で、先日はこんな本に出合う。
10月の古代史散策が、コースの下見掛になっていて、
歩きに重宝な住宅地図のコピーがとれる府立図書館に行く。
待つあいだ、棚をめぐっていたらこの本が目についた。
日本人が自らの心を問う座談で、メンバーが面白い。
五木寛之、田中優子、松岡正剛、門脇禎二、小松和彦
1990年のNHKTVトーク番組を1993年に本にした古いもので、
荒魂・和魂、小栗判官、八幡神、怨霊、吉備津、遠野物語などをはなしに、
古代の宴、タタリと祀りあげ、穢・けがれ、神仏習合などが語られる。
話が飛ぶのでついて行くのに大変ながら面白い。
TV収録を単行本化したもので、古番組の検索ができることをこの間に知る。
馬場町に行けば古いビデオが見れるかもしれない。