こだわりメモ帳

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・ 明治という国家

2010年01月03日 | ◆ こんな本



 静かな新年、静かな正月休みであった。
年末に借りた5,6冊の予約本は、左程の面白みでなく
結局「明治という国家」が一番であった。これは、
ドラマ坂の上の雲制作時の参考本のひとつで、
明治の成り立ちが、司馬さんの目でまとめられている。
TV収録「太郎の国の物語」を本にしたもので、DVDを見たが、
何故か本のほうが面白い。何故なのか。
維新をなし、新しい明治の国つくりをなした時代は、
世界史的にみても別な時代が存在したほどの感触を持ち、
日本の近代化を人類の一遺産のようにも思っているとも書いている。


(帯から)
”明治国家”は、清廉で透きとおったリアリズムをもっていた。
維新を躍進させた風雲児・坂本龍馬、
国家改造の設計者・小栗忠順、
国家という建物解体の設計者・勝海舟、
新国家の設計助言者・福沢諭吉、
無視の心を持ち歩いていた巨魁・西郷隆盛、
自己と国家を同一化し、つねに国家建設を考えていた・大久保利通、
これら明治の父たちは、偉大であった。
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・ 気になる神と仏

2009年12月18日 | ◆ こんな本

熊野 神と仏


 新聞の新刊書評で見つけていた。「熊野 神と仏」
熊野本宮と金峯山寺、その間に専門家が入った対談が面白い。
トークものは話しの思わぬ展開が楽しめ、
書き物にない面白さがいい。
本地垂迹の説明が、ここではじめて解ったような気がした。
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・ 坂の上の雲 その後

2009年10月01日 | ◆ こんな本

お久し梟


 6巻目が終ってしまった。
読んでいて長い小説だと思わず、どれもずーっと面白い。
身内に関係者はなく、戦争の様子は本でしかわからないが、
大国ロシアの負けは、悪しき一君帝政と国民の力の低さ、
小国日本は、勝ちたい思いと民の気概、それと運のよさであろうか。
司馬さんは、この巻のあとがきで記している。
『執筆は4年と3ヶ月、準備に5年ほどをかけ、自分の40代はこれで消えてしまった。
書き終えたとき、夜中の数時間ぼう然としてしまった。』
大仕事をおえたとき、あの大きな目の表情はどのようであったろう。
元来は、『書きおえたときの感傷を軽蔑する習慣を自分に果たしていた』そうであるが、
それを思うと、この数時間のぼーっは途方もない感慨であったのだと思う。

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・ 御家人斬九郎

2009年07月25日 | ◆ こんな本

梅雨明け近くは大雨が多いと聞く。
暑く鬱陶しいこのころは、エアコンにこもり明るい窓辺の本読みが一番。
こう言うときに読む痛快本はこれ、TVドラマも面白かったがその後なくなり寂しい。
「斬九郎」には、時代物、江戸情緒が快調に凝縮されていて1冊しかないのが惜しい。
大阪は今日は天神祭り、心配されていた雨はよかったよう。
夜の祭り、水の祭りとユニークな祭りが、
今年はオールスタート戦と重なり、TV観戦が忙しい。
この柴田錬三郎の時代、柳生武芸帳の五味康祐がいた。
この人は知る人ぞ知るオーディオマニアで、
英国タンノイ社まで出向き自分の音を追い求めた。
遺族が亡くなった後、長らく在住の練馬区に一切が寄贈され、活用されているそう。
近ければ、折に催される名盤コンサートを聴きに行きたい。
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・ 驚きの古文書

2009年07月11日 | ◆ こんな本


 『東日流外三郡誌』(つがるそとさんぐんし)がその話。
この春の古代史ツアー「三内丸山古墳」で、せっかくだからと足をのばし
白神山地に行ったときがこれを知る切っ掛け。
地元のボランティアガイドさんから聞いたキーワード「秋田孝季」が繋がりで、
この話に来る。これはここでも触れた
話は、マタギの世界の口伝の書き取りや津軽氏の生い立ち、
蝦夷や坂上田村麻呂のことなどで夢をふくらませる。
この古文書の発見は、昭和50年頃の新聞雑誌を賑わせていたはずで、
その頃は仕事忙しく、言い訳にならないが記憶に無し。
途方もない話が続き、関連本をいくつか読んだ中、これが面白い。
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・ 写真家 杉本博司

2009年04月18日 | ◆ こんな本

 クリスティーズ(N.Y.オークション)でオリジナルプリントに2億円の値がついた写真家。
今年一月の週刊文春で写真家杉本博司をはじめて知る。
その記事で大阪での作品展があると知り楽しみにしていたが、それが明日になった。
世界一の銀塩プリントが見れるとなるとわくわくする。
府立図書館に2月初めに予約した「苔のむすまで」が、ようやく1週間ほど前に入り間に合う。
これは面白い。
写真家ながらそれまでの仕事に骨董があり、日本文化に関わる期間も長かった。
9.11テロも現地で生で見、米国永住権も取っている。

  「苔にむすまで」ヨリ
Q:海外に長くお住まいですね。
A:私は法的には在留邦人と呼ばれます。
Q:アメリカでは外人になるわけですよね。
A:アメリカ人はみな外人です。
Q:在留が長くなるとどうですか?
A:日本が見えてきます。
Q:どのように?
A:もっと日本人になりたくなります。

この土偶(H 14.5cm)は、
多分ご本人が骨董屋時代に掘り出したものであろう。縄文遺跡三内丸山古墳行きがまた楽しみになった。

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・ 真贋

2009年02月12日 | ◆ こんな本


 先月末の神戸、白洲正子展会場のグッズ売場でこの本を見た。
気にかかり控えて帰り、花園図書館から借り出して読む。
小林秀雄著「真贋」は美術エッセイで2000年にでてるが、
原文はと見れば42年から78年に発表されたものをあつめている。
冒頭の「美を求める心」から抜粋する。

 美しい自然を眺め、或いは、美しい絵を眺めて感動したとき、
その感動はとても言葉で言い現せないと思った経験は、誰にでもあるでしょう。
音楽は、諸君の耳から這入って真っ直ぐに諸君の心に至り、これを波立たせるものだ。
美には、人を沈黙させる力があるのです。

 美の問題は、美とは何かと言う様な面倒な議論の問題ではなく、
私たちめいめいの、小さな、はっきりした美しさの経験が根本だ、と考えています。
美しいと思うことは、物の美しい姿を感じる事です。
美を求める心とは、物の美しい姿を求める心です。
そういう能力は誰にも備わり、そういう姿を求める心は誰にもある。
ただ、この能力は、養い育てようとしないと衰弱してしまう。
今日の様に、知識や学問が普及し尊重されるようになると、
人々は、物を感ずる能力の方を疎かにするようになる。
感ずるということも学ばなければならないものなのです。・・・・・1957年

白洲とは骨董で繋がっているらしい。
感動したとき、夢中で撮る。やはりこれが一番。
先入観なしで向き合う。これが一番。
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・ 今年はこんな本が

2008年12月18日 | ◆ こんな本

目玉梟

 今年面白かった本

ルポ貧困大国アメリカ・・堤未果著・・・年末の今から思うと、これでは米も崩れることになる。一大警鐘。
柳孝骨董一代・・・・・・青柳恵介著・・・日本文化の研究1、こういう世界があるのだ。
小栗往還記・・・・・・・松本徹著・・・日本文化の研究2、とにかく面白い。
山の宗教・・・・・・・・五来重著・・・日本文化の研究3、歴史は面白い。
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・ 中国臓器市場

2008年12月07日 | ◆ こんな本

弟子屈・硫黄山梟


 今朝は初めて中で20度を切った。去年より冬は早いのではないか。
花園図書館の新刊書棚にみつけた「中国臓器市場」城田英巳著(時事通信記者)。
以前、面白かった「バイオポリティクス」を読んでいたので目に付いたのかもしれない。
知らされてない世界があるもので、肝腎等臓器移植が中国は米に次ぐ2大国であるらしい。
アムネスティによれば、中国の死刑執行は2004年は3400人、実数はこれより多いらしい。
これら死刑囚からの臓器提供が大国の理由、ドナーの少ない我国と状況が異なる。
身内に必要とするものなく、ドナーカードも献体も考えられない身であるが、
この移植には日本人仲介者がいて、日本からも多く受けに行くらしい。
命がかかっているから、可能ならそうすると思う。
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・ 日本人のこころ

2008年09月29日 | ◆ こんな本


 図書館はまったく本の倉庫で、先日はこんな本に出合う。
10月の古代史散策が、コースの下見掛になっていて、
歩きに重宝な住宅地図のコピーがとれる府立図書館に行く。
待つあいだ、棚をめぐっていたらこの本が目についた。
日本人が自らの心を問う座談で、メンバーが面白い。
五木寛之、田中優子、松岡正剛、門脇禎二、小松和彦
1990年のNHKTVトーク番組を1993年に本にした古いもので、
荒魂・和魂、小栗判官、八幡神、怨霊、吉備津、遠野物語などをはなしに、
古代の宴、タタリと祀りあげ、穢・けがれ、神仏習合などが語られる。
話が飛ぶのでついて行くのに大変ながら面白い。
TV収録を単行本化したもので、古番組の検索ができることをこの間に知る。
馬場町に行けば古いビデオが見れるかもしれない。
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