とんがり梟
生命倫理の分野で、この9月10月に報じられたものだけでも、変やなーと思う出来事がいくつか有る。
09月 慶大病院で、受精卵の着床前遺伝子診断・良性悪性判断を行った後、今年3月に出産。
10月 宇和島で、親族基準に合わない腎臓移植を実施。ドナーに現金30万円や約150万円の新車提供。
10月 11月米中間選挙で共和党は倫理観で苦慮苦戦。ブッシュはヒト胚研究慎重論で2004年を勝利している。
10月 タレント向井亜紀夫妻が、米国で代理出産により男児を得るが、品川区は出生届不服で最高裁へ。
10月 長野で、祖母が娘夫婦の子を代理出産していた。
たまたま新聞の書評欄で見つけた本を読み、これらの分野の最新状況を知る。
人の命はいつ始まるのか-これがアメリカで大統領選挙の争点になったり、臓器移植、
韓国のヒトクローン胚捏造論文など、生命をめぐる技術革新と人間感情の間にギャップが出来てきている。
さらに、肝臓や腎臓の移植はインドが約100万円と最も安いとか、
脳死者の皮膚、アキレス腱、心臓弁、血管、角膜、インプラント用人骨粉末等がNPO組織で売買されているとか、
美容整形用の皮膚は、一人の供給者で100人は賄えるとか、ヒト組織の再利用は驚愕の状況も示されている。
『「バイオポリティクス」人体を管理するとはどういうことか』 著者:米本昌平、中公新書 840円。2006.6.25発行。
久しぶりに興味深い本を手にした。
それにしても、この分野で日本は全くの法未整備の後進国だそうである。心配だ。