清楚で温かく、内に一本筋が通った美しい人、吉永小百合さんのファン(サユリスト)は世に沢山いると思います。 そして、その美しい人が詩を朗読することで、原爆がもたらした地獄と平和の尊さを、日本だけでなく世界に向けて訴える活動をされていることも広く知られていると思います。
この日が来ると、やはり戦争と原爆と平和の問題を考えてしまいます。 原爆投下から75年経ちました。 コロナの影響で平和祈念式典は例年とはかなり異なった形となってしまいましたが、平和への祈りは更に強く深く私たちの心の中に燃やし続けていきたいと思います。
今日は小百合さんが、あの東日本大震災が起きた年に、坂本龍一さんと共にイギリスのオクスフォード大学で開催した、詩の朗読の模様をYouTubeでお伝えしたいと思います。
小百合さんの朗読に、坂本龍一さんがピアノで応援するという、心に沁みる素晴らしい朗読会です。 詩はいつものように峠三吉さんの「序」 ちちをかえせ ははをかえせ から始まり、次に大平数子さんの「どうこく」・・・原爆で夫と子供たちを失った母の叫び が続きました。
そして、3・11の被災地のその後の風景を詠った、和合亮一さんの「詩の黙礼」が読み上げられました。 この詩には小百合さんと坂本さんの強い思いがあったのでした。 その思いを坂本さんはこう聴衆に語りかけました。
「あのフクシマの原発事故は、原子力を平和的に使う、という
幻想から私たちを目覚めさせた。
武器であろうと電力であろうと
核と人類は共存できない・・・と
世界に証明することが、次に必要なことだ」
そういう、熱い思いの朗読の会の動画を是非ご覧ください。
下の作品は、自らも学徒動員先の広島で被爆し、辛くも死を逃れた日本画家 平山郁夫さんの「広島生変図」です。
炎に包まれながらも超然として立つ不動明王を天空に配し、「生きよ」と叫んで見守る不死の魂たちをとらえた。 不死の魂はやがて新たな生命と共に再生する広島の象徴でもあった。 「平山郁夫の世界」美術年鑑社より