ドラムについて語るシリーズ第3弾。
今回は、理想的な練習台について考察する。
ドラマーが練習する場合、どうやって練習するかと言えば、当たり前だけどスティックを持って何かを叩いて練習する。
では、その叩くものは何が一番理想的なのだろうか。
どんなものがあるか。
1.生ドラム(スネアドラム)
2.エレドラ(ラバーパットorメッシュヘッド)
3.練習台(プラスチックヘッドorラバーorメッシュヘッド)
4.電話帳
5.座布団
6.机
7.ヒザ
8.素手
9.イメトレのみ
まだあるかもしれないが、一応スティックを使うものと限定すると1~7までだ。
最も理想的なのはやはり、現物の“1.生ドラム(スネアドラム)”なのだろうが、デイリー・トレーニングとしては現実的ではない。
実際、現物のスネアドラムでルーディメンツの練習をすると、自分でも喧しくて仕方がない。
完全防音のスタジオをお持ちの裕福なドラマーなら別だが、とてもじゃないが周りが気になって30分も続けられない。
しかも、メトロノームが聞こえないのできっちりとしたテンポに合わせる練習がしにくい。更に音がでかいから、思い切り叩くというドラマーの基本中の基本の練習ができなくなる。
そんな事情もあって、現在のこの時代で最も一般的なものは“2.エレドラ”と“3.練習台”であろう。
特に最近の練習台は、ドラムセットの形をしていてメッシュヘッドがついているものがポピュラーだ。
練習方法が多彩で、リズムパターンの練習ができるし、ヘッドをプラスティックヘッドに張り替えたらコンパクトなドラムセットに早変わりするという優れものだ。
自分の若い頃にはこのような画期的なドラムはなかったから、自分で似たようなものを工夫して作っていたが、さすがにメッシュヘッドというものは存在しなかった。
このメッシュヘッドは5年ぐらい前にこの世に現れたと思うのだが、練習台の常識をガラリと一変させるインパクトがあった。
どうやってもパタパタと鳴ってしまう衝撃音が、スコスコという空気の抜けた軽やかな音に変わった。
すぐさまローランドが電子ドラムに採用し、空前の大ヒットに導いたのである。
今ではメッシュヘッドはすっかり標準化され、普通のアコースティックドラムセットのヘッドをメッシュに張り替えて、自宅で練習することが可能になったアマチュアドラマーも多いことだろう。
ただ、これはあくまでもドラムセットでのリズムパターン練習用であり、スネアドラムでのルーディメンツ(基礎練習)用ではない。
昔の練習台は、ドラムセットタイプのものはなかった。擬似スネアドラムといった形状で、ルーディメンツ(基礎練習)のためのものであった。
打面は本物のプラスティックヘッドだったりラバーだったりバリエーションはあったが、どれも同じように衝撃音は大きかった。
最近は、そのタイプの練習台もマシン化して、メトロノームは勿論ついているし、ヘッドを叩いた音色も自在に選べる。トレーニング用のプログラムもついているので、それに従って叩いていれば自然に上達できるのだろうか。
そもそも、歴史的に考えれば市販の練習台なんて昔はなかったし、製品として販売してからも、これを持てる人なんて多くはいなかったはずだ。
自分も社会人になって、初めてパールのプラスチックヘッドのタイプを中古で購入した。
それまでは、電話帳を重ねて布ガムテープでぐるぐる巻きにしたものを練習台にして使っていた。
これはこれで、充分な練習台になった。
ガムテープが打痕で穴が開き、電話帳が削れるのを目標にして必死に叩いていたから、実際に穴が開いたときには涙が出そうになるほど嬉しかった。
その後のパールの練習台も、プラスティックヘッドが破れることを目標にして叩いていたから、何枚も破れて張り替えるたびに嬉しくも寂しくもあったものだ。
自分はこれで、そうとう腕の筋肉や手首や指を鍛えられたと思う。
電話帳やプラスティックヘッドは跳ね返りが少ないので、関節や筋肉などが自然と鍛えられるのである。
その点、メッシュヘッドは跳ね返りが強すぎて、実際のドラムとは感覚が違いすぎる。スネアドラムの感覚で力いっぱい振り下ろすと、ポヨ~ンという感じでスティックをすっ飛ぶほどの勢いで跳ね返ってしまうのである。
だから、ローランドのV-DRUMのようなメッシュヘッドを全面に使用したエレドラと、アコースティックドラムとは、奏法も別のものとして練習する必要があると思う。
そうしないと、手首や肘や肩の関節が怪我をする可能性すらあると思う。
これは自分自身の持論なのだけど、ドラムの練習というのは基礎練習がまず第一にあって、リズムパターンの練習などはその次の段階だと思う。
逆に言えば、一つ打ち二つ打ちがまともに叩けないうちに、高速ドラミングだの難解フレーズだのと、見た目派手なドラミングばかり追いかけるべきではないのだ。
自分自身の結論を言えば、ベストな練習台は、思い出の中では“4.電話帳”である。理由は、跳ね返りの少なさと、徹底的なコストパフォーマンス。何といっても元手はタダだもんね。
今回は、理想的な練習台について考察する。
ドラマーが練習する場合、どうやって練習するかと言えば、当たり前だけどスティックを持って何かを叩いて練習する。
では、その叩くものは何が一番理想的なのだろうか。
どんなものがあるか。
1.生ドラム(スネアドラム)
2.エレドラ(ラバーパットorメッシュヘッド)
3.練習台(プラスチックヘッドorラバーorメッシュヘッド)
4.電話帳
5.座布団
6.机
7.ヒザ
8.素手
9.イメトレのみ
まだあるかもしれないが、一応スティックを使うものと限定すると1~7までだ。
最も理想的なのはやはり、現物の“1.生ドラム(スネアドラム)”なのだろうが、デイリー・トレーニングとしては現実的ではない。
実際、現物のスネアドラムでルーディメンツの練習をすると、自分でも喧しくて仕方がない。
完全防音のスタジオをお持ちの裕福なドラマーなら別だが、とてもじゃないが周りが気になって30分も続けられない。
しかも、メトロノームが聞こえないのできっちりとしたテンポに合わせる練習がしにくい。更に音がでかいから、思い切り叩くというドラマーの基本中の基本の練習ができなくなる。
そんな事情もあって、現在のこの時代で最も一般的なものは“2.エレドラ”と“3.練習台”であろう。
特に最近の練習台は、ドラムセットの形をしていてメッシュヘッドがついているものがポピュラーだ。
練習方法が多彩で、リズムパターンの練習ができるし、ヘッドをプラスティックヘッドに張り替えたらコンパクトなドラムセットに早変わりするという優れものだ。
自分の若い頃にはこのような画期的なドラムはなかったから、自分で似たようなものを工夫して作っていたが、さすがにメッシュヘッドというものは存在しなかった。
このメッシュヘッドは5年ぐらい前にこの世に現れたと思うのだが、練習台の常識をガラリと一変させるインパクトがあった。
どうやってもパタパタと鳴ってしまう衝撃音が、スコスコという空気の抜けた軽やかな音に変わった。
すぐさまローランドが電子ドラムに採用し、空前の大ヒットに導いたのである。
今ではメッシュヘッドはすっかり標準化され、普通のアコースティックドラムセットのヘッドをメッシュに張り替えて、自宅で練習することが可能になったアマチュアドラマーも多いことだろう。
ただ、これはあくまでもドラムセットでのリズムパターン練習用であり、スネアドラムでのルーディメンツ(基礎練習)用ではない。
昔の練習台は、ドラムセットタイプのものはなかった。擬似スネアドラムといった形状で、ルーディメンツ(基礎練習)のためのものであった。
打面は本物のプラスティックヘッドだったりラバーだったりバリエーションはあったが、どれも同じように衝撃音は大きかった。
最近は、そのタイプの練習台もマシン化して、メトロノームは勿論ついているし、ヘッドを叩いた音色も自在に選べる。トレーニング用のプログラムもついているので、それに従って叩いていれば自然に上達できるのだろうか。
そもそも、歴史的に考えれば市販の練習台なんて昔はなかったし、製品として販売してからも、これを持てる人なんて多くはいなかったはずだ。
自分も社会人になって、初めてパールのプラスチックヘッドのタイプを中古で購入した。
それまでは、電話帳を重ねて布ガムテープでぐるぐる巻きにしたものを練習台にして使っていた。
これはこれで、充分な練習台になった。
ガムテープが打痕で穴が開き、電話帳が削れるのを目標にして必死に叩いていたから、実際に穴が開いたときには涙が出そうになるほど嬉しかった。
その後のパールの練習台も、プラスティックヘッドが破れることを目標にして叩いていたから、何枚も破れて張り替えるたびに嬉しくも寂しくもあったものだ。
自分はこれで、そうとう腕の筋肉や手首や指を鍛えられたと思う。
電話帳やプラスティックヘッドは跳ね返りが少ないので、関節や筋肉などが自然と鍛えられるのである。
その点、メッシュヘッドは跳ね返りが強すぎて、実際のドラムとは感覚が違いすぎる。スネアドラムの感覚で力いっぱい振り下ろすと、ポヨ~ンという感じでスティックをすっ飛ぶほどの勢いで跳ね返ってしまうのである。
だから、ローランドのV-DRUMのようなメッシュヘッドを全面に使用したエレドラと、アコースティックドラムとは、奏法も別のものとして練習する必要があると思う。
そうしないと、手首や肘や肩の関節が怪我をする可能性すらあると思う。
これは自分自身の持論なのだけど、ドラムの練習というのは基礎練習がまず第一にあって、リズムパターンの練習などはその次の段階だと思う。
逆に言えば、一つ打ち二つ打ちがまともに叩けないうちに、高速ドラミングだの難解フレーズだのと、見た目派手なドラミングばかり追いかけるべきではないのだ。
自分自身の結論を言えば、ベストな練習台は、思い出の中では“4.電話帳”である。理由は、跳ね返りの少なさと、徹底的なコストパフォーマンス。何といっても元手はタダだもんね。