ああ、本当に残念！！

８月８日、土曜日のこと
この日は母の、初めてのショートステイの日。


「わしは、そんなとこには行かん！」
と言うんじゃないかと、
母には、「デイの日」とだけ言って迎えを待つ。

心配しながら迎えを待っていたが
それは杞憂に終わり、
迎えに来た生活指導員さんに
「見ん人だね、初めてかね？」
と言いながら靴を履く。

私は思い切って
「ばあちゃん、今日はお泊まりデイの日だでね。」
というが、
「あれ、そうかい。」と言うのみで
迎えの車に乗って行った。


さあて、お婆ちゃんは出かけた！
今夜は主人も会社の飲み会でいない！
娘は友達の家！
息子も、お嫁さんの実家！


これから、一人だ～～～～！
と思うと、なんだか楽しくなって
さっさと掃除を済ませ、
いつもの膝の医者に行き、
帰りに美味しいものを買ったり
小物を見たりと
自分の思うままに過ごす。


「そうだ！本でも買おう・・・。
　今夜はゆっくり本を読んで過ごそう。」
そう思ってTUTAYAに寄って
１冊の本と３冊の雑誌を買う。


ゆっくりお昼寝もして
暑い昼下がりは
夕方までの時間を「ちんたら」と過ごすに限ると
庭に水を撒いたり
花に水をやったりしていると
１本の電話。


「お金を持って中央病院まで至急来るように！
　救急の外来にいるから。」


何事かと大急ぎで車を走らせると
仕事中に蜂に刺されたとのこと。
「大げさな・・・」と思ったけれど、
そこはそれ、口には出さず
会計を済ませる夫の背中を見ながら
今夜のことを心配する私。

飲みに行くの？行かないの？


「しばらくお酒はダメだって。」
あ、それって、今夜はうちにいるって事？


楽しみにしていた、
一人のゆっくりした夜は
これでおじゃんとなりました。


あれから１０日、
今夜は、あの日読めなかった雑誌を
ゆっくり見ようと思います。



購入した雑誌は、
『キネマ旬報』
そして、お料理の本（レシピ）２冊。

購入した本は
芥川賞を受賞した
又吉直樹の『火花』



もう、
一人になれる夜は来ないかもしれません。

それにしても、ああ、本当に残念！！