故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

土の感触、水の感触

2014-11-06 02:20:20 | よもやま話

さつまいもを掘りました。
テレビで良く見る幼稚園児の芋ほり風景を思い出しました。
どの子もはしゃいでいます。初めての芋ほりだからでしょうか。
大人二人が、ベランダから土を下に落とさないよう掘り進みます。
芋のまわりの土を崩しては、手のひらで掬い取り、水桶に移します。
腐葉土が混じった土の中から、赤いひげのついたみずみずしい芋肌が見えてきました。
種芋は、料理で残った紅あずまだったようです。夏の真っ盛りには、どこまでも伸びて行きそうな芋づるの群生を一枝ずつ、ベランダの手すりにしばり、おさげにしてやったのでした。

掘り起こした芋を水を張ったバケツの中にいれ、丁寧に土を落としました。芋の周りに残った泥を、水を使いながら落としていきます。ひげのついた芋を手のひらでしごきながら、どこまでも愛おしく洗ってやります。透き通るような赤い肌です。よく絞った雑巾で芋を拭き、新聞紙の上に並べてやりました。丸々と太った形の良い流線型です。

妻が天ぷらに揚げてくれました。
ほくほくと甘い、可愛らしい味でした。

2014年11月4日
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夢の話

2014-11-06 01:31:42 | 思い出話

毎日のように夢をみます。
たいていは、卒業できない話です。
私は、大学に入るのに2年、卒業できるまで5年かかりました。
新入社員の中では、最年長の25歳でした。

なぜ卒業できなかったか。

思い出すのもおぞましい大学生活です。
やっと入学出来た時の嬉しさも、いつしかあせて遊び呆けたのです。
酒も覚え、麻雀に明け暮れ、女の人に夢中になりました。
大学で始めた剣道も悲惨でした。すり足もままならないのですから。
目が覚めるまでにかなりの時間を費やしてしまいました。
いや、最後まで覚めなかったのではないでしょうか。

この時代に戻るなんて、とうていできません。
青春時代が夢なんて未だに思えません。
まさに凄峻時代ですから。

「解析」の授業なんて全く分かりませんでした。
お題は2問。皆で図書館に行き、手分けして手がかりを
探そうとしますが、全く歯が立ちませんでした。
中でもできるやつがなんとか答えをひねり出して、
写本をさせていただくのでした。

「コンンピューター」の授業で、パンチャーを使ってカードを
打つのですが、何のためにこんなことをしているんだろう。
と思うばかりでした。
授業をさぼるからますます遅れていくのでした。

試験では、出来ないことを棚に上げて、答案の裏に授業の批判文を書く始末です。
本当にあほな学生でした。教授会にかけられました。
退学を勧められました。無理もありません。正しい判断です。

夢の内容は、いつも同じです。友人たちは卒業できたのに自分は授業に
論文にあくせくしているのです。いつしか、後輩にもおいていかれるのでした。
寮の中で、卒業した友人たちと顔を合わせぬように
自分の部屋に帰るのでした。このくだりは、常に同じです。
一縷の望みは、数少ない同じように何らかの理由で卒業できない5年生、6年生です。
これらの友人たちに支えられて、後輩たちの仲間にも入れてもらい
何とかやり直せたのです。

頭が締め付けられるような痛みを覚えて目が覚めます。
また、みたか。と思うばかりです。卒業できない夢との格闘は
生涯続くのでしょう。

2014年11月6日





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