
突堤があることで、波が静かになります。
砂浜の沖合に波消し用防波堤があるだけで、砂が沖合に流れていきません。
先人達の知恵です。
私は、仕事で日本中に出張で出かけました。
時には、世界にも出かけました。
しかし、この波の色の変化に気づきませんでした。
風が吹くと波が荒れます。
時には、船を出せないほどです。
しかし、突堤の中の波は穏やかなのです。
人間が作りだした物は、すべて理由があるのです。
その理由を知らないまま、あるいはたどり着けないで、私達は暮らしています。
その場で生活されている人には、その理由と工夫が解っていたのです。
時代の変化の中で、人々は生きるために、工夫の数々を放置してきました。
中には、邪魔モノとして片付けられた物もあります。
理由が文化であり、工夫が文明なのです。
この頃、何か大きなものを忘れているような気がするのです。
スケジュール表を見てもわかりません。
やり残したことがあるような漠然とした怖れのようなものです。
気持ちが悪いのです。
忘れていることは、自分がすべきことなのか、
人が気付いて教えてもらうものなのか判然としません。
忘れ去られた、忘れられようとしているものを見てみたいのです。
怖れは何なのか知りたいのです。
汗をかき、人の話に耳を傾けていけば、解るのではないかと感じています。
毎日流されています。生きるために一生懸命です。
先人達の知恵の限りの一端でもわかればと考えています。
提灯に 灯がともり 風に消え
2016年1月16日