
タイトルは、愛の椅子。
ハート型の窓に、私が勝手に唇を描きました。
固い椅子が、色っぽくなりました。
今日のタイトルは、「価値が減る」です。
借金をする時、担保がない分保険に入ります。
死亡したら、保険で払う。
ローンの場合、残額は段々と少なくなっていきます。
私の価値は下がっていくように感じる。
世の中には、年数がたてばたつほど価値が上がるものがある。
蒸留酒(ウヰスキー、泡盛)は間違いなく上がります。
30年以上経つものは、値段のつけようがない。
ある時、友人は泡盛を飲もうと、15年ものを買われました。
試しに飲んだ3年物が、期待ほど美味しくなかった。
15年ものはお蔵入りとなりました。
8年後、泡盛好き(私)が来たので、15年物をあげると言われました。
私は、お断りしました。
既に、蒸留後23年経っています。
一緒に飲もうと封を切りました。
まったりとすっきりに、二人は夢見心地になりました。
一晩で空けました。
他にもあった12年物は、友人の蔵でさらに眠ることになりました。
ほとんどのものが、年数が経てば価値が下がる。
年金をいただく歳になると、お荷物同然です。
最低16年間はいただかないと、払った側が損で、国家の儲けです。
私もいただく歳になりました。
損益分岐点までは、何とか生きる覚悟です。
年寄りは、価値が下がるのでしょうか。
惜しまれて亡くなる方だっておられます。
大往生だったと、喜ばれる方もいらっしゃいます。
私達の賞味期限は、いったい何歳でしょう。
偉大な功績を遺した方は、後々まで語り継がれます。
灌漑や治水をした人物がそうです。
新種を見つけた方だってそうです。
優れた小説は、後々まで読まれます。
優しかった人物は、接した人すべてを温かくし続けます。
私を産んでくれてよかったと、子孫は喜んでくれるでしょうか。
私は、義兄の晩年の8年間を共に戦いました。
義兄に感謝することはあれ、残念だと思うことはありません。
その間、いろんな人間模様を学びました。
義兄の人柄は、憎めなく多くの関係者から愛されました。
何にもしない家族にとってはお荷物だったかもしれないが、
関係した他人には愛されました。
不思議なことです。
早く逝きたい、楽に死にたいと言われます。
家族に苦労をかけたくないとも言われます。
一緒に苦労をし、看取った方から恨みがましいことは聞きません。
人として成長した感さえあります。
これは、何でしょう。
障害児を抱えた母は年々強くなる。
障害児教育をしていた妻から聞いて驚きました。
「価値が減る」なんてことは、どうやらなさそうです。
人に関しては、そう言えそうです。
生きとって もの言えぬけど ぬくもりを
2018年8月28日