故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

やらなきゃ、でも忙しい

2023-02-18 13:16:51 | よもやま話

今日のタイトルは、「やらなきゃ、でも忙しい」です。
辛いことであろうが、忘れないで、考え続けていたい。
アウシュビッツ収容所で見つかった、ゾンダーコマンダーが残したメモのことです。
言語の異なるユダヤ人を別々に組織し、ガス室送りのプロセスを細分化していた。
言語の壁を巧みに利用し、細分化することで罪の意識を薄くしていた。
忘れてはならない、考え続ける問題です。

草刈がなぜできないか。
耕作放棄地が、どうしてできるのか。
人口が減って、作る(耕作)必要がなくなった。
先祖代々の畑だからと言って、草を刈るだけでは面白くない。
やらなきゃと思うんだけど、別なことで忙しくなる。
そうして、時が経つ。
切ることも危険なほど雑木が高く太くなった。
隣りの畑も同様に草だらけになり、雑木が覆う。
耕作放棄地のことを共に忘れて、草刈など考えることをやめた。

草刈がなぜできるか。
先祖が残した畑を、一大決心で開墾した。
そして、やっとオリーブを植えた。
一度は草に負けてオリーブ(40本)を枯らした。
懲りずに、再び草を刈り幼木を植えていた。
オリーブ畑に机を置き、夫婦でお茶を飲むのが楽しいらしい。
隣地の耕作放棄地に伸びた雑木が壁となって江田島湾が見えない。
U-ターン組で、久しぶりの地域とは縁が薄い。
伐りたいけど、他人の土地だし、考えることさえしない。

私は草刈が好きです。
他人の畑だろうが、頼み込んで刈らせていただきます。
動機は、景観がもったいないと思ったからです。
切らして欲しいと相談した長老が、雑木切りの許可をもらってくれた。
6日間で、1.5反の雑木を伐った。
切った本数は、200本を超える。
10年物の木は、太いもので直径30cmはあった。
木の密度が低いところは、野ばらが茂りススキが生えていました。
難しいほど、楽しいものです。

わずかだが、景観を取り戻せた。
村人が動いた。
隣地の人が来て、草を刈り始めた。
さらなる隣地の木も伐ってと、持ち主に連絡し許可を取ってくれた。
話すきっかけもなかった人たちが、私達に差し入れをしてくれた。

雑木切りはこれで終わらない。
焼いても類焼しない広さが欲しかったのです。
1町歩くらいの畑が取り戻せました。
幹から切り外した枝を焼く。
幹は、数年に一度の鉄砲水で流されないよう、杭を打ちまとめる。
さらに一週間はかかるでしょう。
私達が切ってまとめた2週間で、村人の心のつかえは軽くなります。
きっと、草を刈るようになるでしょう。
野菜でなくても、花を植えるかもしれません。

やりたいことが出来るようになれば、忙しくてもやるものです。
私は、起爆剤(ブレイクスルー)になればよい。
昔からこうだった。
残ったものが、考える。

2023年2月18日

(あとがき)
切った木をどのように活用するんですか。
送った写真に、都会の友人が質問をする。
私は答えようがない。
木道にすると、出来もしないことを言ってみる。
さらに、木道にするには太さが足りないように思います。
と追加質問を受ける。
膨大な耕作放棄地が見えています。
これしきの面積の木を伐ったとて、鼻くそみたいなもんです。
たまにはよいこともある。
村人が思うだけで良い。
私自身に向ける強がりです。
コメント
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