
絵のタイトルは、「金目鯛」です。
どやうまいぞ。
新しいことをするには何事も億劫です。
ただ時間だけはある。
やる気もある。
できないのは、しないからです。
今日のタイトルは、「おっさんの花道」です。
定年退職時のお話が素晴らしかった。
石油系エンジニアリング会社で、初めて食品衛生規範の講義を企画された方でした。
銚子に親が残してくれた畑がある。
退職前にトラクターを買い、熱心に農業を始められた。
一緒に働く若い女性に、できた野菜を分けていたのを思い出す。
これからは、農業をすると残された者に宣言された。
持病があったのか、退職後一か月で亡くなられた。
おっさんの花道は、あっけなく閉じられた。
友人の退職の日、職場の人たち全員でアーチを作ってくれた。
友人は、お世話になった女子職員の胸を揉んでいった。
通り抜けた後、一人の女性が文句を言った。
私のを揉んでない。
友人は、ていねいに揉み上げた。
年金受給の年齢が延長された。
再雇用やら再就職で第二の人生のスタートがあいまいになった。
なかには、一生働きたいという者も出てきた。
妻が君臨する家に居場所はない。
糟糠の妻と一緒の旅行を計画するも、「おひとりでどうぞ」とそっけない。
ならばと、図書館やスポーツジムに行くも続かない。
行きたくて仕方がなかった釣りをすることにした。
「今日は釣りに行かないの」と送り出され、毎日の釣果を配る人もいなくなった。
市役所の保健指導を受けて、ストレッチと筋肉体操でメタボ解消に精を出す。
担当の美人保健婦さんが、男性料理教室の担当に替わった。
妻のお手伝いができればと、料理教室に申し込もうとする。
メタボ解消までは、妻も賛成したが、バーカと目と口が言う。
汗をかいて散歩する人がいる。
毎日10000歩を目指していると万歩計を見せる。
道端の草の一本でも抜いたらと、毎日草刈りの私は思う。
謝っても反省しても許してもらえない。
私はどうしたらいいの。
どうにもならない。
朝ドラ受けです。
皆を鼓舞し、出涸らしの私の役目は終わった。
これこれの年金があるから、病気になったら施設にぶっこんでおくれと息子に頼んでいる。
あいよー。わかったー。
それだけである。
皆を鼓舞し、夢を追っかけさせた。
岩に落ちる一滴なんて聞きたくない。
最期まで、前を向いて歩いて欲しい。
謝ることも反省することも必要ない。
残された未来が少なかろうが、コップに命の水は残っている。
経験したことのない未来は、過去の一滴とは間違いなく違うはずです。
「おっさんの花道」は、結婚がゴールでないように始まったばかりです。
2024年7月3日