絵のタイトルは、「どこにもあるようで、どこにもない」です。
今日のタイトルは、「今も昔も」です。
今の若いもんは、・・・・・・。
昔は、こうしたもんだ、・・・・・・。
よかったのう、・・・・・・。
こんなことは言えない。
働きに行く前に、畑で一仕事をした。
帰って来てから、暗くなるまでやった。
今の若いもんは、金を稼ぐために都会へ出る。
満員電車に乗り、帰ってくるのは深夜です。
日曜日には、家族と共に行楽に出かける。
行きも帰りも混みあい、爆睡する家族を目的地まで運び家まで帰ります。
そして、パワハラにも負けず耐え忍びます。
自分たちがした苦労をさせまいと、子供を大学に行かせ都会に送り出した。
息子たちは都会で大きなローンを抱え、買った家に縛られる。
帰って来いと、今更言えない。
先祖代々守ってきた畑や田んぼが耕作放棄地になった。
健康維持に散歩をする毎日です。
帰郷して、かつてのセンターの空き家の草刈りをした。
子供たちの声が絶えなかった池の周りは、雑木が茂り壁となり、江田島湾も呉の山も見えない。
他島美を観たいと山道を登るも、木々の葉が隙間なく覆いトンネルを行くがごとし。
出会うのは、猪の群ればかり。
草刈りがこんなに大変だとは思いませんでした。
会社に行きながら、朝夕、休日にできる仕事ではありませんでした。
子供の運動会を見に行った。
雨が降った。
2週間も開けば、刈った草も元通りの背丈です。
今の年寄りは、・・・・・。
耕作放棄地ばかりの田舎です。
見るも無残じゃのう。
新幹線を乗り継いで、親の残した空き家に風を通す。
残った親たちは、朝夕細々と草を刈る。
島の多くの病院は、終末医療のためにある。
入ったら、帰っては来れないと知っている。
役に立たない親は、姥捨て山に自ら行くという話があった。
先祖代々開墾した畑が、かつての山に帰る。
どうしてこうなったか。
今も昔も悩みは尽きない。
今も昔もあるがまま。
2024年7月18日