怖い話を楽しもう♪トラウマ必至の怖い話も、主人公に解決させることでいい話になるかも。
(from 有名な怖い話を、クールに反撃する話に改変しよう )
「見ると死ぬ呪いのビデオ、ねえ・・・」俺は同僚の浅川の言葉を反芻しながらそのビデオテープをしげしげと見た。ラベルがマジックのような物で塗りつぶされている他は至って普通な、そこら辺で売っているようなVHSテープだった。
ビデオデッキにテープを入れ、再生ボタンを押す。真っ暗なバックに白い、血文字のような字体のテロップが流れる。
「コノビデオヲミタモノハ、モウジャニクワレル」
「ビデオを見た者は亡者に喰われるだぁ?」俺は苦笑した。その後、画面はCGで描かれた幾何学的な模様が暗闇の中で
なめらかに動く妙な映像に変わった。俺はリモコンの早送りボタンを押した。ビデオデッキのカウンターが10分を超えた辺りで突然早送りが解除された。
先ほどまでの幾何学模様も姿を消し、なにやら場面は古い井戸のようだった。俺は奇妙な胸騒ぎを覚え早送りボタンをもう一度押した。先ほどまで気にならなかった外の雨音がいやにはっきり聞こえた。遠くで雷も鳴っている。・・・おかしい。リモコンの電池が切れたのだろうか、早送りが出来ないのだ。
手を伸ばし、ビデオデッキの方のボタンを押しても同じだった。俺は怖くなり停止ボタンを押した。・・・止まらない。稲妻が光った。雨はさらにひどくなったようだ。
その時、画面に変化が起こった。井戸から何かが・・・白い人間の手のような物が伸びてきたのだ。続いて長い髪をべったりと顔に貼り付けた女の頭部が、その次に白い着物を着た女の肩が現れた。やがて全身が井戸の外に出た「それ」は両手で這うようにしてこちらへ向かってきた。
俺は単なる映像であるはずの「それ」に向かって「来るな!来るな!」と叫び続けていた。ビデオデッキの停止ボタンは先ほどから全く言うことを聞いてくれない。
「それ」はもうすぐそこまで近づいていた。俺は声にならない悲鳴を上げながら固く目をつぶった。
ぺたり…
何かが俺の頬に触れた。冷たい、濡れた感触。奴の手だ・・・俺は暗闇の中でそれを感じた。今、目を開けたら俺は確実にショック死するであろう事も。再び稲妻が光った。
悲鳴が聞こえた。俺の悲鳴?違う。奴の悲鳴だ。俺はおそるおそる目を開けた。真っ暗だった。落雷による停電・・・。
そして次の瞬間、再び点いた電灯の明かりの下で俺は声を上げた。俺の足下には、テレビから出てくる途中で停電が起きてしまったため、中途半端なポジションで身体が切断されてしまった奴の姿があった。
奴は俺の方に情けない表情を向けると、俺から逃げるように部屋の窓を割り、外へ逃げていった。そう、これがかの有名な「テケテケ」の正体なのである。
(from 有名な怖い話を、クールに反撃する話に改変しよう )
「見ると死ぬ呪いのビデオ、ねえ・・・」俺は同僚の浅川の言葉を反芻しながらそのビデオテープをしげしげと見た。ラベルがマジックのような物で塗りつぶされている他は至って普通な、そこら辺で売っているようなVHSテープだった。
ビデオデッキにテープを入れ、再生ボタンを押す。真っ暗なバックに白い、血文字のような字体のテロップが流れる。
「コノビデオヲミタモノハ、モウジャニクワレル」
「ビデオを見た者は亡者に喰われるだぁ?」俺は苦笑した。その後、画面はCGで描かれた幾何学的な模様が暗闇の中で
なめらかに動く妙な映像に変わった。俺はリモコンの早送りボタンを押した。ビデオデッキのカウンターが10分を超えた辺りで突然早送りが解除された。
先ほどまでの幾何学模様も姿を消し、なにやら場面は古い井戸のようだった。俺は奇妙な胸騒ぎを覚え早送りボタンをもう一度押した。先ほどまで気にならなかった外の雨音がいやにはっきり聞こえた。遠くで雷も鳴っている。・・・おかしい。リモコンの電池が切れたのだろうか、早送りが出来ないのだ。
手を伸ばし、ビデオデッキの方のボタンを押しても同じだった。俺は怖くなり停止ボタンを押した。・・・止まらない。稲妻が光った。雨はさらにひどくなったようだ。
その時、画面に変化が起こった。井戸から何かが・・・白い人間の手のような物が伸びてきたのだ。続いて長い髪をべったりと顔に貼り付けた女の頭部が、その次に白い着物を着た女の肩が現れた。やがて全身が井戸の外に出た「それ」は両手で這うようにしてこちらへ向かってきた。
俺は単なる映像であるはずの「それ」に向かって「来るな!来るな!」と叫び続けていた。ビデオデッキの停止ボタンは先ほどから全く言うことを聞いてくれない。
「それ」はもうすぐそこまで近づいていた。俺は声にならない悲鳴を上げながら固く目をつぶった。
ぺたり…
何かが俺の頬に触れた。冷たい、濡れた感触。奴の手だ・・・俺は暗闇の中でそれを感じた。今、目を開けたら俺は確実にショック死するであろう事も。再び稲妻が光った。
悲鳴が聞こえた。俺の悲鳴?違う。奴の悲鳴だ。俺はおそるおそる目を開けた。真っ暗だった。落雷による停電・・・。
そして次の瞬間、再び点いた電灯の明かりの下で俺は声を上げた。俺の足下には、テレビから出てくる途中で停電が起きてしまったため、中途半端なポジションで身体が切断されてしまった奴の姿があった。
奴は俺の方に情けない表情を向けると、俺から逃げるように部屋の窓を割り、外へ逃げていった。そう、これがかの有名な「テケテケ」の正体なのである。