今年4月下旬~5月上旬に採集した
コルリクワガタの産卵が確認できました。
↓ 産卵マーク(2018年5月25日)
↓ 画像中央に卵(5月26日:断面を撮影)
↑ 卵の大きさは0.5mm前後
産卵木について
今年は産卵木をあらかじめ仕込んでいなかったため
花壇に転んでいた廃産卵木を使いましたが
コルリは
水分が保たれ、黒ずんだような朽ち木に好んで産卵し
オオクワガタなどに使う白枯れ材には消極的です。
↓ メス(本年度採集)
市販のクヌギやコナラ産卵木をコルリの産卵が期待できる状態にするには
まずたっぷりと水を含ませクワガタ幼虫の食べかすや
よく発酵したマットで埋め
半年~1年くらい放置するとほどよく腐食が進み
コルリの産卵が期待できる状態になりやすいです。
「ぬか漬け」みたいなマット漬けです。
↓ 過去の仕込み、マットも水分大目
してはいけないこと!
コルリの産卵セットでしてはいけないことがあります。
それは「朽ち木をマットでガッツリ埋めてしまう」ことです。
コルリは気に入った朽ち木であれば適当な隙間を見つけ
底~側面周辺に産卵する傾向があります。
オオクワガタなどのように朽ち木の中に穿孔したり
マットを押しのけてまで産卵するタイプではありません。
産卵は、朽ち木の表面です。
↓ 産卵中(2006年6月7日:アナログ撮影)
したがって適合朽ち木でもその周囲に産卵に必要なスペースがなければ
なかなか産んでくれませんし、仮に産んでも数は多くありませんので
隙間を意識してセットを組みます。
↓ 隙間に入り産卵する
↑ 足場にした白枯れにはなかなか産まない
↓ 管理は自然温度
↓ 産卵マークと卵(中央付近)
ひとりごと
産卵確認のため容器から取り出した成虫は一部のオスは死亡していましたが
マットの中で交尾中の個体もいました。
私の知るかぎり、コルリは総体的にオスのほうが短命です。
また、樹上・地上・マット内に関わらず頻繁に交尾を繰り返すため
メスは交尾を通じてオスから何らかの養分を受け取っているのではないか?
と勝手な想像をしています。
↓ 2018年5月25日健在
↓ 断面撮影、中央の卵両側には溝(・)を掘っている
↑ マークと卵座の深さはほぼ同じ
以前にも書きましたがコルリの割り出しはこれで一旦終了になり
本格的な割り出しは終齢になっている9月頃です。
また、10月以降になると羽化している可能性があり
中途半端な温度帯で取り出すと短期死亡につながります。
そして、飼育では4~5か月ほどで羽化するせいか
大方小ぶりで、野生のような大型は出てきません。
↓ 野外個体:オス
最後に
今年もコルリクワガタが産卵し、マグソクワガタの孵化も始まりました。
早春のクワガタムシはどれも特徴的でありながら
未知なる部分を残します。
5月もあと少し
雪解けから始まった早春はそろそろ終わりを迎えます。
↓ 5月26日 ブナの葉は全開(C山:標高約1000m)
↓ マグソクワガタ(オス)飼育下
*近年の研究から当該分布地のコルリクワガタは
ニシコルリクワガタ
Platycerus viridicuprus viridicuprus Kubota,2008
とされていますが
ここではコルリクワガタ〇〇山個体群として扱いました。
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