SL9彗星というのは、シューメーカー・レヴィ第9彗星(Comet Shoemaker–Levy 9)の通称名で1994年7月に木星面に激突し消滅した彗星として有名です。正式な識別符号は D/1993 F2 です。(通常、彗星の識別符号の1桁目はCですが、消滅したことでDという表示に変更されています)
SL9彗星が発見された1993年3月の時点で彗星核が棒状に見えていたのは、発見前の1992年ごろに木星に近づきすぎたことで彗星核が分裂してしまったためだということです。
SL9彗星は1994年7月に木星面へ衝突するという予報が出され、分裂した彗星核が一直線上に並びながら7月16日から7月22日までの間に相次いで木星の大気上層に衝突し消滅しました。以上、Wikipediaから引用。
衝突後、木星面には複数の暗斑が生じたというニュース速報があり、衝突3日後に札幌市南区郊外の観測小屋で日没直後の19時20分過ぎに口径46cm反射望遠鏡を木星に向けてみました。驚きました。
木星表面に3個の暗斑が見えます。ガリレオ衛星の影のような輪郭がくっきりした暗点ではなく、周囲から徐々に暗くなっていく中央減光の暗斑です。望遠鏡が発明されて約400年、人類が初めてみる木星面の彗星衝突痕です。鳥肌が立ちました。
まさかこのように明瞭に見えるとは思ってもいなかったので撮影機材もスケッチ用紙も持ってきていません。観測小屋に備え付けの日誌裏側にラフスケッチをして記録に残すことにしましたが、観測小屋内には薄い鉛筆しかなく、かなり薄目のスケッチです。
上段は19時50分のスケッチ。太陽は地平線下6度。
中段は20時25分、左端から巨大な暗斑が顔を出し始めました。
下段は20時40分のスケッチです。木星の自転で巨大な暗斑が見やすくなってきました。
いずれも、ディルワース式に似た口径46cmF8反射望遠鏡300倍を使用。天の北極方向を上にした正立像です。
今から30年前におきた稀有な天文現象でした。
【2024年7月21日6時20分:画像と記事追加】
SkySafari というアプリで衝突前の様子を再現してみました。このアプリは彗星の尾を強調し過ぎる傾向があります。衝突直前のSL9彗星の尾や分裂した核も14等級以下と暗すぎて眼視で見ることは叶いませんでした。
彗星核は、左上から D/1993 F2-A 〜 D/1993 F2-W(右下)です。
SL9彗星が発見された1993年3月の時点で彗星核が棒状に見えていたのは、発見前の1992年ごろに木星に近づきすぎたことで彗星核が分裂してしまったためだということです。
SL9彗星は1994年7月に木星面へ衝突するという予報が出され、分裂した彗星核が一直線上に並びながら7月16日から7月22日までの間に相次いで木星の大気上層に衝突し消滅しました。以上、Wikipediaから引用。
衝突後、木星面には複数の暗斑が生じたというニュース速報があり、衝突3日後に札幌市南区郊外の観測小屋で日没直後の19時20分過ぎに口径46cm反射望遠鏡を木星に向けてみました。驚きました。
木星表面に3個の暗斑が見えます。ガリレオ衛星の影のような輪郭がくっきりした暗点ではなく、周囲から徐々に暗くなっていく中央減光の暗斑です。望遠鏡が発明されて約400年、人類が初めてみる木星面の彗星衝突痕です。鳥肌が立ちました。
まさかこのように明瞭に見えるとは思ってもいなかったので撮影機材もスケッチ用紙も持ってきていません。観測小屋に備え付けの日誌裏側にラフスケッチをして記録に残すことにしましたが、観測小屋内には薄い鉛筆しかなく、かなり薄目のスケッチです。
上段は19時50分のスケッチ。太陽は地平線下6度。
中段は20時25分、左端から巨大な暗斑が顔を出し始めました。
下段は20時40分のスケッチです。木星の自転で巨大な暗斑が見やすくなってきました。
いずれも、ディルワース式に似た口径46cmF8反射望遠鏡300倍を使用。天の北極方向を上にした正立像です。
今から30年前におきた稀有な天文現象でした。
【2024年7月21日6時20分:画像と記事追加】
SkySafari というアプリで衝突前の様子を再現してみました。このアプリは彗星の尾を強調し過ぎる傾向があります。衝突直前のSL9彗星の尾や分裂した核も14等級以下と暗すぎて眼視で見ることは叶いませんでした。
彗星核は、左上から D/1993 F2-A 〜 D/1993 F2-W(右下)です。
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