2011年10月22日(土)、新潟市で新月伐採にこだわっている材木屋がある。 今年の春、県産材のトレーサビリティの取材のため偶然伺った材木屋の社長が、20年ぶりくらいに会った昔からの知人であるのに驚いたことがあった。 彼が昔勤務していた県森連時代には、仕事で時々顔を合わせていたが、16年前に独立して木材の卸問屋を経営していたことは全く知らなかった。 しかも当社から車で5分とかからない近い場所に事務所があったのにもかかわらずである。 取材に訪れたのだが、ほとんど昔話に終始したことは言うまでもない。
そのとき、彼がトレーサビリティの事例として渡してくれた資料の中に、「新月の木伐採証明書」というのがあった。 私は5、6年前に初めて「新月伐採」という言葉を聞いた。 新月の日に伐採した木は腐りにくく、虫もつきにくいということだった。 興味があったのでその後林業や木材関係者に聞いてみたがほとんど知る人はいなかった。 彼は「NPO法人新月の木国際協会新潟連絡所」という肩書きを持っていた。 「新月伐採」はオーストリアでは昔から常識のように言われていたらしい。 3、4年前にオーストリアのチロル地方に、木質バイオマスボイラーによる地域暖房システムの視察に行ったとき、ある農家民宿で、「この家は築400年で、新月伐採の木で造られたものだ」と聞かされた。科学的には解明されていないが、潮の満ち引きと生き物の営みについては多くの不思議な関係があることはよく知られている。 樹木も生物だから何かしらの影響があっても不思議はない。 学者たちは一般に否定的だが、科学で解明できないことがあった方が面白い。
今日は、旧朝日村(現村上市)の約80年生のスギ林で新月伐採を行うから来てくれと言われ、新月伐採木であることを証明する「立会人」として参加した。 今日は胸高直径約40cm、樹高約33mのスギ10本に印をつけ、4本を伐採した。 これから約半年間「葉枯らし」を行って来年の5月頃搬出するという。 二度手間となるため当然価格は割高となる。 とはいっても、建築費の中で木材費の占める比率はそれほど高くはない。 丈夫で長持ちすれば決して高くはない。 しかし、それを保証するほどの根拠は乏しい。
〈間伐を請け負っている素材生産業者に委託して伐採してもらう。〉
〈30m以上のスギを他の木に当らないように切り倒すのは、さすがプロの仕事だ。〉
〈年輪を数えると70~80年であった、。〉
〈同心円状にバランスのとれた年輪が形成されていた。〉
〈このスギ林の間伐として一部新月伐採を実施してもらうことになった。 〉
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