昨日、4年生以下のマイナー選手はOZUリーグと練習試合だった。
第一試合、リョー坊は先発投手としてマウンドあがった。初回、ランナーを出すもバックに助けられ、終わってみれば5回無四球無失点被安打1という内容だった(リョー坊談)。
バッティングも殆どの得点に絡むなど、マイナー選手の最上級生として十分な活躍だったと思う。
そしてナニヨリ良かったことは怪我がなかったことと、それと、新たに課題がいくつか見つかったことだ。
今だから言えるけど、実は、一作日に行われた陸上大会にリョー坊を出場させたくなかった。
翌日の、今期初の練習試合のことを考えると。
結論から言えば、怪我のリスクが高くなるから。
「そんな大袈裟な」という意見もあるかもしれない。
しかし、すこし考えてみて下さい。
大会で、小学校4年生が100mを15秒台で走ること、挑戦することのリスク。
小学4年生が4m台のジャンプへ挑戦することのリスク。
彼らは、彼らなりに彼らの限界に挑んでるってことなんです。
速いから速いのではありません。
跳べるから跳ぶのでもありません。
速く走るから、速い。
遠くに跳ぶように跳んでいるから、跳べているだけなのです。
成績優秀な子供たちが筋肉トレーニングをしているわけではありません。
ほとんど同じような体格、筋肉なのです。
違いは使い方です。
だから、好成績を残す選手ほど、同じレースであっても、大きな負荷がかかっていると考えることができるのです。
話しをもっと単純化してみます。
性能が同じ二つのエンジンがあります。
一つはレッドゾーンまで高速回転。
一つはセーフティーゾーンの中速回転。
壊れるリスクはどちらが高いか、・・・・そういうことなんです。
ボクは何年も子供の陸上競技を見てきています。
そして、好成績を残す選手の怪我もこの目で見てきました。
陸上大会があった土曜日、ボクは仕事があって会社に行かなければならなかった。
競技場にはカミさんが送っていった。
朝、ボクはカミさんに言った。
「競技場に着いたら、スグに大会冊子を購入して、出走時間を連絡してくれ」
先に連絡があったのは、同じお願いをしていた同僚の山ちゃんからだった。
「3、4年生の100mと幅跳びは同じ11時になってますよ」
外は雨模様。リョー坊はヤセッポチンで冷え症。
ボクはすぐにカミさんに電話すると、100mは棄権するよう言った。
時計が10時を回り、やはり、行こうと決めた。
イヤな予感がした。行かなければ後悔する。
競技場に到着したのは、ちょうど11時。
幅跳びの競技は既に始まっており、スタンド下では雨宿りをしながら出番は待つ選手たちが並んでいた。そこにリョー坊の姿はなかった。
「エ?、ナンデ?」
傍らにいたhhオヤジに尋ねた。
「さっきまで、幅跳びの練習をしてましたよ・・・・」
ボクは、幅跳びの学生コーチのことろに行き、息子の所在を尋ねた。
「あっ・・・、100mのほうに行ってますが・・・・」
「えッ?、妻には100mは棄権するように言っていたのですが・・・」
ボクはもの凄い表情になっていたと思う。
「そ、そ、そうなんですか・・・」
学生コーチは泣きそうになっていた。
バックストレート側では3・4年生男子の100mが始まっていた。
ボクはカミさんに電話した。
「なんで、リョー坊が100mに出るんだよ!」
「だって、コーチに連れて行かれたから・・・」
「バカヤロー、なんのための保護者だ!、バカヤロー!」
雨のせいもあり、スタンド側からは、バックストレート側にいる子供の判別はつかない。
今日はもうダメだと思いボクは競技場を出た。
だけど、もう一人のボクが言った。
「今出来る最善を尽くせ!」
ボクは場内に戻ると、傘を差してトラックフィールドの一番外側を歩いてバックストレートのスタート地点へと向かった。到着したとき、リョー坊はスターティンググリッドに立っていた。棄権させる余地はもうなかった。
・・・ならば、どうなるにせよ、データを取るしかないだろう・・・・・。
ボクは、ハイスピードモードで、リョー坊の走りを真後ろから撮影した。ガチガチの古い走りだった。ボクはゴール地点まで小走りし、記録員と話しているリョー坊に声をかけた。表情は良かった。
リョー坊は、そこから雨を除けるように小走りして跳躍場へと向かった。ボクも後に続いた。
走幅跳びの競技は、2回目の跳躍にはいっていた。
ボクは、リョー坊の濡れたシャツを着替えさせ、気温はあったけど、ボクの上着とニット帽を被せて体をさすった。
「体、あっためるぞ、それから、弛めるぞ、ユルユル・・」
ボクはリョー坊の体を左右に揺すった。本人もユルユルの努力をした。
時間は僅かしかなかった。
リョー坊の1回目のジャンプ。3m53cm。平凡な記録だったけど、余力を残したジャンプだった。
コーチからも助走をもっととっていいという指示を受けた。
2回目のジャンプが始まろうとするころ、次第に雨が上がり始めた。
2回目、3m73cm。まずまずのジャンプだった。
他競技との兼ね合いで跳躍本数が3本に足りていない選手の最後の跳躍が始まった。
「オレは、諦めとらんけんね」
「ウン!」
名前がコールされると、ボクはリョー坊の上着を受け取りながら、スタート地点に向かうリョー坊に言った。
「オマエのジャンプをすればいい」
だけど、心中穏やかではなかった。もう十分ではないのか・・・怪我なく終わってくれ!。
3本目、3m83cmの自己ベストをだした。
体格の一回り大きい本格女子選手には負けたけど、男子では1位。学童オリンピック覇者として面目を保った試合だった。でも本当は、怪我なく競技が終わったことに大きく安堵したのだった。
長引いた閉会式のあと、帰りの車中で何も語らないリョー坊に言った。
目標にしていた15秒台を出せなかったことを考えているようだった。それとも明日のことか・・。
「何か、言えよ、オマエ」
「・・・・・・」
「・・・・100m、硬くなってたな・・・・、・・・やっぱり、・・100mには出たかったのか?」
「・・・うん、・・・でも幅跳びの練習(試技)のときに雨に濡れてしまって・・・・、そのまま100mに呼ばれて・・・・、だんだん寒くなって・・・・体が硬くなっていくのがわかって・・・・ぜんぜん走れんかった・・・・」
「・・・・そういうときに、無理をするとケガをするんだよ・・・・、だけど、コンディション作りがいかに大事かがよくわかっただろ・・・、それが分かっただけでも、今日は収穫だよ・・ホント」
「・・・うん・・・」
帰宅後は、義父とともに温泉に行った。
もちろん、明日の練習試合に備えて、今日の疲れを取り除きリラックスしてもらうためだ。
夕食後は、毎日やっているけど、翌日のために入念なストレッチを行った。
日頃のトレーニングも大事だけど、怪我の予防に手を弛めてはいけない。
う~ん、なんか話しが硬くなってしまったなぁ~。
じゃぁ、下らない話しを一つ。
昨日、練習試合で主審を務めたわけですが、サポーターを履いてくるのを忘れてしまったので、仕方なく?キンカップをボクのアソコに生アテしたのでした!。最初はヒンヤリしてなかなかヨカッタのですが、試合も中盤になるころにはベタついちゃって、ボクの弛んだアソコの袋部分とプラッチク部分がベッタリ密着しちゃったりして、キモチワルイのなんのって、・・・・怪我予防のためとは言え・・・・、生アテについてもシッカリ学んじゃいました!
チ○コ周辺はいつもご安全に・・・と・・ご清潔に!。
第一試合、リョー坊は先発投手としてマウンドあがった。初回、ランナーを出すもバックに助けられ、終わってみれば5回無四球無失点被安打1という内容だった(リョー坊談)。
バッティングも殆どの得点に絡むなど、マイナー選手の最上級生として十分な活躍だったと思う。
そしてナニヨリ良かったことは怪我がなかったことと、それと、新たに課題がいくつか見つかったことだ。
今だから言えるけど、実は、一作日に行われた陸上大会にリョー坊を出場させたくなかった。
翌日の、今期初の練習試合のことを考えると。
結論から言えば、怪我のリスクが高くなるから。
「そんな大袈裟な」という意見もあるかもしれない。
しかし、すこし考えてみて下さい。
大会で、小学校4年生が100mを15秒台で走ること、挑戦することのリスク。
小学4年生が4m台のジャンプへ挑戦することのリスク。
彼らは、彼らなりに彼らの限界に挑んでるってことなんです。
速いから速いのではありません。
跳べるから跳ぶのでもありません。
速く走るから、速い。
遠くに跳ぶように跳んでいるから、跳べているだけなのです。
成績優秀な子供たちが筋肉トレーニングをしているわけではありません。
ほとんど同じような体格、筋肉なのです。
違いは使い方です。
だから、好成績を残す選手ほど、同じレースであっても、大きな負荷がかかっていると考えることができるのです。
話しをもっと単純化してみます。
性能が同じ二つのエンジンがあります。
一つはレッドゾーンまで高速回転。
一つはセーフティーゾーンの中速回転。
壊れるリスクはどちらが高いか、・・・・そういうことなんです。
ボクは何年も子供の陸上競技を見てきています。
そして、好成績を残す選手の怪我もこの目で見てきました。
陸上大会があった土曜日、ボクは仕事があって会社に行かなければならなかった。
競技場にはカミさんが送っていった。
朝、ボクはカミさんに言った。
「競技場に着いたら、スグに大会冊子を購入して、出走時間を連絡してくれ」
先に連絡があったのは、同じお願いをしていた同僚の山ちゃんからだった。
「3、4年生の100mと幅跳びは同じ11時になってますよ」
外は雨模様。リョー坊はヤセッポチンで冷え症。
ボクはすぐにカミさんに電話すると、100mは棄権するよう言った。
時計が10時を回り、やはり、行こうと決めた。
イヤな予感がした。行かなければ後悔する。
競技場に到着したのは、ちょうど11時。
幅跳びの競技は既に始まっており、スタンド下では雨宿りをしながら出番は待つ選手たちが並んでいた。そこにリョー坊の姿はなかった。
「エ?、ナンデ?」
傍らにいたhhオヤジに尋ねた。
「さっきまで、幅跳びの練習をしてましたよ・・・・」
ボクは、幅跳びの学生コーチのことろに行き、息子の所在を尋ねた。
「あっ・・・、100mのほうに行ってますが・・・・」
「えッ?、妻には100mは棄権するように言っていたのですが・・・」
ボクはもの凄い表情になっていたと思う。
「そ、そ、そうなんですか・・・」
学生コーチは泣きそうになっていた。
バックストレート側では3・4年生男子の100mが始まっていた。
ボクはカミさんに電話した。
「なんで、リョー坊が100mに出るんだよ!」
「だって、コーチに連れて行かれたから・・・」
「バカヤロー、なんのための保護者だ!、バカヤロー!」
雨のせいもあり、スタンド側からは、バックストレート側にいる子供の判別はつかない。
今日はもうダメだと思いボクは競技場を出た。
だけど、もう一人のボクが言った。
「今出来る最善を尽くせ!」
ボクは場内に戻ると、傘を差してトラックフィールドの一番外側を歩いてバックストレートのスタート地点へと向かった。到着したとき、リョー坊はスターティンググリッドに立っていた。棄権させる余地はもうなかった。
・・・ならば、どうなるにせよ、データを取るしかないだろう・・・・・。
ボクは、ハイスピードモードで、リョー坊の走りを真後ろから撮影した。ガチガチの古い走りだった。ボクはゴール地点まで小走りし、記録員と話しているリョー坊に声をかけた。表情は良かった。
リョー坊は、そこから雨を除けるように小走りして跳躍場へと向かった。ボクも後に続いた。
走幅跳びの競技は、2回目の跳躍にはいっていた。
ボクは、リョー坊の濡れたシャツを着替えさせ、気温はあったけど、ボクの上着とニット帽を被せて体をさすった。
「体、あっためるぞ、それから、弛めるぞ、ユルユル・・」
ボクはリョー坊の体を左右に揺すった。本人もユルユルの努力をした。
時間は僅かしかなかった。
リョー坊の1回目のジャンプ。3m53cm。平凡な記録だったけど、余力を残したジャンプだった。
コーチからも助走をもっととっていいという指示を受けた。
2回目のジャンプが始まろうとするころ、次第に雨が上がり始めた。
2回目、3m73cm。まずまずのジャンプだった。
他競技との兼ね合いで跳躍本数が3本に足りていない選手の最後の跳躍が始まった。
「オレは、諦めとらんけんね」
「ウン!」
名前がコールされると、ボクはリョー坊の上着を受け取りながら、スタート地点に向かうリョー坊に言った。
「オマエのジャンプをすればいい」
だけど、心中穏やかではなかった。もう十分ではないのか・・・怪我なく終わってくれ!。
3本目、3m83cmの自己ベストをだした。
体格の一回り大きい本格女子選手には負けたけど、男子では1位。学童オリンピック覇者として面目を保った試合だった。でも本当は、怪我なく競技が終わったことに大きく安堵したのだった。
長引いた閉会式のあと、帰りの車中で何も語らないリョー坊に言った。
目標にしていた15秒台を出せなかったことを考えているようだった。それとも明日のことか・・。
「何か、言えよ、オマエ」
「・・・・・・」
「・・・・100m、硬くなってたな・・・・、・・・やっぱり、・・100mには出たかったのか?」
「・・・うん、・・・でも幅跳びの練習(試技)のときに雨に濡れてしまって・・・・、そのまま100mに呼ばれて・・・・、だんだん寒くなって・・・・体が硬くなっていくのがわかって・・・・ぜんぜん走れんかった・・・・」
「・・・・そういうときに、無理をするとケガをするんだよ・・・・、だけど、コンディション作りがいかに大事かがよくわかっただろ・・・、それが分かっただけでも、今日は収穫だよ・・ホント」
「・・・うん・・・」
帰宅後は、義父とともに温泉に行った。
もちろん、明日の練習試合に備えて、今日の疲れを取り除きリラックスしてもらうためだ。
夕食後は、毎日やっているけど、翌日のために入念なストレッチを行った。
日頃のトレーニングも大事だけど、怪我の予防に手を弛めてはいけない。
う~ん、なんか話しが硬くなってしまったなぁ~。
じゃぁ、下らない話しを一つ。
昨日、練習試合で主審を務めたわけですが、サポーターを履いてくるのを忘れてしまったので、仕方なく?キンカップをボクのアソコに生アテしたのでした!。最初はヒンヤリしてなかなかヨカッタのですが、試合も中盤になるころにはベタついちゃって、ボクの弛んだアソコの袋部分とプラッチク部分がベッタリ密着しちゃったりして、キモチワルイのなんのって、・・・・怪我予防のためとは言え・・・・、生アテについてもシッカリ学んじゃいました!
チ○コ周辺はいつもご安全に・・・と・・ご清潔に!。
今日、メジャーは春季大会で福岡遠征。結果は1勝1敗で残念ながら予選敗退。
だけど、いろんな意味で今後の勝機につながる課題が見つかった試合だったらしい。
一方、4年生以下のマイナー選手は通常練習だったわけだけど、一部の選手は、「くまもとクラブ対抗陸上選手権大会」に出場。
我がマイナーのホープ、hhオヤジの息子の3年生のHRT君が低学年400m走でみごとタイトル奪取!おめでとうございます。
そして、さらに、前マイナーコーチの息子の2年生のKIT君が、低学年ボーテックス投げで3年生選手をブチ抜きみごとタイトル奪取。重ねておめでとうございます。
こんな嬉しいことはないです。マジで!。
さて、愚息ことリョー坊はどうだったかっていうと・・・・、4年生男女混合走幅跳で・・・・、2位でした。体格が一回り大きい女子選手に負けてしまいました。しかし、公式記録では自己ベストを出し善戦でした。
さらに、さらに収穫だったことは、ボクの予備校時代の友人(新聞社勤務)が、運動部記者として熊本に戻ってきて、競技場で再会できたことです。
そういうことなんです!。
彼が書いた過去新聞記事、読んで下さい。
新聞記事
明日の記事もちゃんと読んで下さい!
だけど、いろんな意味で今後の勝機につながる課題が見つかった試合だったらしい。
一方、4年生以下のマイナー選手は通常練習だったわけだけど、一部の選手は、「くまもとクラブ対抗陸上選手権大会」に出場。
我がマイナーのホープ、hhオヤジの息子の3年生のHRT君が低学年400m走でみごとタイトル奪取!おめでとうございます。
そして、さらに、前マイナーコーチの息子の2年生のKIT君が、低学年ボーテックス投げで3年生選手をブチ抜きみごとタイトル奪取。重ねておめでとうございます。
こんな嬉しいことはないです。マジで!。
さて、愚息ことリョー坊はどうだったかっていうと・・・・、4年生男女混合走幅跳で・・・・、2位でした。体格が一回り大きい女子選手に負けてしまいました。しかし、公式記録では自己ベストを出し善戦でした。
さらに、さらに収穫だったことは、ボクの予備校時代の友人(新聞社勤務)が、運動部記者として熊本に戻ってきて、競技場で再会できたことです。
そういうことなんです!。
彼が書いた過去新聞記事、読んで下さい。
新聞記事
明日の記事もちゃんと読んで下さい!
プチ自慢ほど面白くない話はないと思っている今日このごろ、みなさんいかがおすごしですが。
先日、帰宅したらリビングのテーブルの上にこの本があった。
この本、何年か前にボクが買った本なんだけど、何処に片付けていたか忘れてしまった本。
本には、読みかけよろしく、しおり代わりに定規が差してあった。
ウチには一人秀才がいる。
小学校高学年からオールAをいまだに連発中の次女のホースケ。
「そうかぁ、ホーちゃん、もう高校の勉強にも興味があるんだぁ~、たいしたもんじゃん」
ボクは感心して、キッチンで片付けをしていたカミさんにそう言った。
「違うよ、ソレ、リョー坊の読みかけ・・・・」
「エッ!?、ウソッ?!」
「なんか、その本、面白いんだって・・・」
畳の部屋でリョー坊は素振りをしていた。
自主練の終了を待って、リビングに戻ってきたリョー坊に話をすることにした。
「なぁ、リョー坊、数字ってわかる?」
ボクは紙に漢字で「数字」と書いて、「数」を○で囲み、「字」を○で囲んだ。
そして、その下に1、2、3、4、5、・・・・・と書いて、さらに、その下に一、二、三、四、五・・・・と書いた。
「数は数だよね、1個、2個、3個とか」
紙に○を並べて言った。
「だけどさ、外人に「五」を見せても5個っていうことはわからないよね、きっと・・・・つまり「五」っていうのは単なる文字や記号でもあるわけだ。・・・・だから、数字のことを、「数」「字」って書くわけ・・・、わかる?」
「うん、ワカル、ワカル」
「だけどさ、数字ってたくさんあるじゃん、いろんな大きさの数をいつもいつも書いてたら、なんか疲れるじゃん、メンドクサイし、だから、こういう本の中では数字をaとかbとかmとか文字に置き換えてるんだね。簡単だね。」
「うん、カンタン、カンタン」
このあと、指数についても分かりやすく説明してやった。
理解できたようだった。
そして、定規が差してあった「運動エネルギー」のページの説明を試みた。
「リョー坊、実は、動くものにはエネルギーがあるんだ。ここにも書いてあるとおり・・・。」
ボクは紙に○を書き、その横に→を書いて、○の中にm、→の上にvと書き、その横に運動エネルギーの式を書いた。
「mは物の質量・・・・、う~ん、重さでいいや、vはスピードね。・・・・要するに、重ければ重いほど、速ければ速いほど、物体は大きなエネルギーを持つって、そういうことなんだよ。」
ここでボクは、リョー坊に硬式球を持ってこさせた。
ボクはボールを上にかざし、手を離した。
ボールは座布団の上にボトリと落ちた。
それを何度か繰り返して見せた。
「リョー坊、今、ここにあるボールは止まってるだろ、だから運動エネルギーはゼロ。だけど手を離すよ。」
ボトリ。
「下に落ちたときはスピードを持っているよね、つまり運動エネルギーが発生したことになるよね。・・・なんでだろうね?」
「う~ん?」
「ちょっと難しいかもしれなけど、地球には重力があって、その重力の反対方向に動かした分だけエネルギーが貯まる仕組みになっているんだ。それを位置エネ・・・・」
「アっ、ワカッタ!、見えないバネがあるって考えればいいんだ!」
その発想はボクには無かった。
「ヌォー~、オマエ、頭いいかも~ッ」
ボウズ頭をゴシゴシこすってやった。
このあと、ボクは「エネルギー」はいろんなものに変換できることを話した。
そして最後にこんな話をした。
「投げる前、最初は、体は止まっているじゃん、だけど、動き出したらソコにはエネルギーが発生する。おまけに体を捻るから回転のエネルギーだって発生する。つまり、そういう体に発生したいろんなエネルギーをボールに効率よく伝えることがピッチングだと言うことができる。・・・・・ここからはお父さんもよく理解していないことだけど、物体の持つ「エネルギーの中心」ってあるんだろうか。教科書的に言えば物体の重心がその中心なのだろうけど果たしてそうなのだろうかと思うわけ。だけど、きっと、重心を感知することは、スポーツをやる上では非常に重要なことなんだろうね。だけど、この考えも、もう古いのかもしれない、アマン選手が10年以上も前に気が付いていたことだからね。
だけどね、次のステップを昇るためには、重心をちゃんと感知する体になっておかないとダメなんだ。
野球も勉強も面白いな!」
先日、帰宅したらリビングのテーブルの上にこの本があった。
この本、何年か前にボクが買った本なんだけど、何処に片付けていたか忘れてしまった本。
本には、読みかけよろしく、しおり代わりに定規が差してあった。
ウチには一人秀才がいる。
小学校高学年からオールAをいまだに連発中の次女のホースケ。
「そうかぁ、ホーちゃん、もう高校の勉強にも興味があるんだぁ~、たいしたもんじゃん」
ボクは感心して、キッチンで片付けをしていたカミさんにそう言った。
「違うよ、ソレ、リョー坊の読みかけ・・・・」
「エッ!?、ウソッ?!」
「なんか、その本、面白いんだって・・・」
畳の部屋でリョー坊は素振りをしていた。
自主練の終了を待って、リビングに戻ってきたリョー坊に話をすることにした。
「なぁ、リョー坊、数字ってわかる?」
ボクは紙に漢字で「数字」と書いて、「数」を○で囲み、「字」を○で囲んだ。
そして、その下に1、2、3、4、5、・・・・・と書いて、さらに、その下に一、二、三、四、五・・・・と書いた。
「数は数だよね、1個、2個、3個とか」
紙に○を並べて言った。
「だけどさ、外人に「五」を見せても5個っていうことはわからないよね、きっと・・・・つまり「五」っていうのは単なる文字や記号でもあるわけだ。・・・・だから、数字のことを、「数」「字」って書くわけ・・・、わかる?」
「うん、ワカル、ワカル」
「だけどさ、数字ってたくさんあるじゃん、いろんな大きさの数をいつもいつも書いてたら、なんか疲れるじゃん、メンドクサイし、だから、こういう本の中では数字をaとかbとかmとか文字に置き換えてるんだね。簡単だね。」
「うん、カンタン、カンタン」
このあと、指数についても分かりやすく説明してやった。
理解できたようだった。
そして、定規が差してあった「運動エネルギー」のページの説明を試みた。
「リョー坊、実は、動くものにはエネルギーがあるんだ。ここにも書いてあるとおり・・・。」
ボクは紙に○を書き、その横に→を書いて、○の中にm、→の上にvと書き、その横に運動エネルギーの式を書いた。
「mは物の質量・・・・、う~ん、重さでいいや、vはスピードね。・・・・要するに、重ければ重いほど、速ければ速いほど、物体は大きなエネルギーを持つって、そういうことなんだよ。」
ここでボクは、リョー坊に硬式球を持ってこさせた。
ボクはボールを上にかざし、手を離した。
ボールは座布団の上にボトリと落ちた。
それを何度か繰り返して見せた。
「リョー坊、今、ここにあるボールは止まってるだろ、だから運動エネルギーはゼロ。だけど手を離すよ。」
ボトリ。
「下に落ちたときはスピードを持っているよね、つまり運動エネルギーが発生したことになるよね。・・・なんでだろうね?」
「う~ん?」
「ちょっと難しいかもしれなけど、地球には重力があって、その重力の反対方向に動かした分だけエネルギーが貯まる仕組みになっているんだ。それを位置エネ・・・・」
「アっ、ワカッタ!、見えないバネがあるって考えればいいんだ!」
その発想はボクには無かった。
「ヌォー~、オマエ、頭いいかも~ッ」
ボウズ頭をゴシゴシこすってやった。
このあと、ボクは「エネルギー」はいろんなものに変換できることを話した。
そして最後にこんな話をした。
「投げる前、最初は、体は止まっているじゃん、だけど、動き出したらソコにはエネルギーが発生する。おまけに体を捻るから回転のエネルギーだって発生する。つまり、そういう体に発生したいろんなエネルギーをボールに効率よく伝えることがピッチングだと言うことができる。・・・・・ここからはお父さんもよく理解していないことだけど、物体の持つ「エネルギーの中心」ってあるんだろうか。教科書的に言えば物体の重心がその中心なのだろうけど果たしてそうなのだろうかと思うわけ。だけど、きっと、重心を感知することは、スポーツをやる上では非常に重要なことなんだろうね。だけど、この考えも、もう古いのかもしれない、アマン選手が10年以上も前に気が付いていたことだからね。
だけどね、次のステップを昇るためには、重心をちゃんと感知する体になっておかないとダメなんだ。
野球も勉強も面白いな!」
たまには、リョー坊のことを記録しておこうと思う。
実は、最近、リョー坊の練習を見ていない。
なんでかっていうと、年末のインフルエンザはリョー坊も襲っていたワケで年末年始は完全オフだったし、最近は忙しくて週末も仕事だったり、残業があったり。
果たしてちゃんと練習をしているのか。
一応、しているらしい。
近所にヌヤマズ広場というソフトボールができるくらいの公園があるんだけど、最近は、そこでクラスの友達と「練習」しているとのこと。
ちゃんと練習をやっているのか甚だ疑わしいのだけれど、そのクラスの友達の他に練習を手伝ってくれる人がチラリホラリいるらしいのだ。
「今日、また知らない人がキャッチャーしてくれた!」
「知らない人って?、だれ?」
「シラナ~イ」
「その人、何歳くらい?」
「う~ん、60か70くらい」
「マジでぇ!」
「他にそういう人いるの?」
「う~ん、何人か」
「何人かって・・・、そりゃぁ~・・・・、よかったな。」
実は、最近、リョー坊の練習を見ていない。
なんでかっていうと、年末のインフルエンザはリョー坊も襲っていたワケで年末年始は完全オフだったし、最近は忙しくて週末も仕事だったり、残業があったり。
果たしてちゃんと練習をしているのか。
一応、しているらしい。
近所にヌヤマズ広場というソフトボールができるくらいの公園があるんだけど、最近は、そこでクラスの友達と「練習」しているとのこと。
ちゃんと練習をやっているのか甚だ疑わしいのだけれど、そのクラスの友達の他に練習を手伝ってくれる人がチラリホラリいるらしいのだ。
「今日、また知らない人がキャッチャーしてくれた!」
「知らない人って?、だれ?」
「シラナ~イ」
「その人、何歳くらい?」
「う~ん、60か70くらい」
「マジでぇ!」
「他にそういう人いるの?」
「う~ん、何人か」
「何人かって・・・、そりゃぁ~・・・・、よかったな。」
初めて観戦した極道駅伝じゃなかった学童駅伝。今月23日にテレビ放映もあるそうです。
男子参戦チーム数は約70だった。
陸上クラブはもちろんのこと、野球、サッカー、バスケットボール等のクラブからも多数参戦していた。ほとんどが6年生チーム。
息子は陸上クラブの4年生編成チームの第2走者として出走。5人を抜き1人に抜かれたとのこと。
それなりのレースができたみたい。
ちなみにチームは32分45秒でゴール。順位は松井選手背番号だった。
負け惜しみですけど、4年生で構成されたチームは我がチームだけ。
それでも、今年高円宮杯に出場した野球チームの第4チームに勝利したのは立派。
褒めてつかわす。
男子参戦チーム数は約70だった。
陸上クラブはもちろんのこと、野球、サッカー、バスケットボール等のクラブからも多数参戦していた。ほとんどが6年生チーム。
息子は陸上クラブの4年生編成チームの第2走者として出走。5人を抜き1人に抜かれたとのこと。
それなりのレースができたみたい。
ちなみにチームは32分45秒でゴール。順位は松井選手背番号だった。
負け惜しみですけど、4年生で構成されたチームは我がチームだけ。
それでも、今年高円宮杯に出場した野球チームの第4チームに勝利したのは立派。
褒めてつかわす。
息子は、明日、陸上クラブ(KURS)の一員としてRKK学童駅伝に出場予定。
一人1.6kmの区間を5人でタスキをつなぐ合計8kmのレース。
どういうチーム編成になっているか知らないけど、トニカク、レースはレース。
長距離レースは息子にとっては初めて。ボクにとっても学童のこういうレースを観戦するは初めて。どういうことになるのかわからないけど、しっかりレースをしてもらいたいと思っている。
ここ最近、このレースに向けて自主的に走りこんでいたみたいで、夕方、学校が終わってから片道2.8kmのカミさんの職場まで走って行き、また、走って戻ってくるってことをやってたようです。そのあと、カベ投げとかティーとかもやってたみたいで・・・。
よくやるよね。
ちなみに、練習での1500mの記録は6分27秒。
小4年生でこのタイムはどうなのかな。フツー?。
今はもう寝てるけど、フロから上がってストレッチをしておりました。
脚の筋肉を触らせてもらいました。まぁまぁでした。まぁまぁ。
ようやく自覚みたいのが出てきたようです。
一人1.6kmの区間を5人でタスキをつなぐ合計8kmのレース。
どういうチーム編成になっているか知らないけど、トニカク、レースはレース。
長距離レースは息子にとっては初めて。ボクにとっても学童のこういうレースを観戦するは初めて。どういうことになるのかわからないけど、しっかりレースをしてもらいたいと思っている。
ここ最近、このレースに向けて自主的に走りこんでいたみたいで、夕方、学校が終わってから片道2.8kmのカミさんの職場まで走って行き、また、走って戻ってくるってことをやってたようです。そのあと、カベ投げとかティーとかもやってたみたいで・・・。
よくやるよね。
ちなみに、練習での1500mの記録は6分27秒。
小4年生でこのタイムはどうなのかな。フツー?。
今はもう寝てるけど、フロから上がってストレッチをしておりました。
脚の筋肉を触らせてもらいました。まぁまぁでした。まぁまぁ。
ようやく自覚みたいのが出てきたようです。
息子は無類のサカナ好き。
食べるのも好き、釣るのも好き。
だけど、本当は見るのが好きなのではないか。
・・・しかし、ウチには魚図鑑があるけどそれを見るのが好きかどうかは疑わしい。
幼かったころ、スーパーに行くと一目散で魚売場に駆けていった。
お目当ては、生けすの魚。
それをいつもジィっと眺めていた。
実は、4年生になった今もそう。
夕食時、サバの煮付けを突きながら息子に訊いてみた。
「なぁ、なんでオマエ、サカナ好きなん?」
逆に訊かれた。
「なんで、おとうさんは、イシ(石)が好きなの?」
趣味の問題と言えばそれまでかもしれない。
「お父さんが石が好きなのは、石をみるといろんなことが想像できるからだろうね。何億年、何千万、何百万、何十万年前のことを想像するのって楽しいじゃん」
読者のみんなにとってはどうでもいいことかもしれないけど、ボクは石を見ると簡単にタイムストリップじゃなかったタイムスリップの気分を味わうことができるという役に立たない得意技を持っているのです。・・・他にも役に立たない裏技がありますけど・・・、まままま、ま、そんなことはさておき、息子のサカナ好きに話しを戻そう。
ひょっとして、息子はサカナの動きに魅せられているのではないか。
水中を自由に泳ぐサカナたち。
考え過ぎかなぁ~。
食べるのも好き、釣るのも好き。
だけど、本当は見るのが好きなのではないか。
・・・しかし、ウチには魚図鑑があるけどそれを見るのが好きかどうかは疑わしい。
幼かったころ、スーパーに行くと一目散で魚売場に駆けていった。
お目当ては、生けすの魚。
それをいつもジィっと眺めていた。
実は、4年生になった今もそう。
夕食時、サバの煮付けを突きながら息子に訊いてみた。
「なぁ、なんでオマエ、サカナ好きなん?」
逆に訊かれた。
「なんで、おとうさんは、イシ(石)が好きなの?」
趣味の問題と言えばそれまでかもしれない。
「お父さんが石が好きなのは、石をみるといろんなことが想像できるからだろうね。何億年、何千万、何百万、何十万年前のことを想像するのって楽しいじゃん」
読者のみんなにとってはどうでもいいことかもしれないけど、ボクは石を見ると簡単にタイムストリップじゃなかったタイムスリップの気分を味わうことができるという役に立たない得意技を持っているのです。・・・他にも役に立たない裏技がありますけど・・・、まままま、ま、そんなことはさておき、息子のサカナ好きに話しを戻そう。
ひょっとして、息子はサカナの動きに魅せられているのではないか。
水中を自由に泳ぐサカナたち。
考え過ぎかなぁ~。
伏線はあった。
帰りのバスの中、一部の選手は元気だった。いつものことだけど、元気な選手がお疲れモードの選手にちょっかいを出し、小さなイザコザが起こっていた。
そのことについては別の保護者が注意していたからボクは黙っていたけど、息子の5年生のMUT君に対するからかいっぷりには度を超すものがあって、そのことについてはグランドに着いてから時を見計らって叱ろうと思っていた。
要するに態度がデカかったのだ。
ヘッドライトに照らし出されたバカ息の顔は得意げで醜かった。
監督の大事な話をガムを噛みながら聞いていたのかと思った瞬間、
感謝の気持ちをガムを噛みながら言うのかと思った瞬間、
・・・・・もう、治まらなかった。
慢心が全ての敵なのだ。
十分な活躍が出来たときや成果が上がった時こそ、心の底から「感謝の気持ち」って現れるのではないだろうか。
息子は4年生にもかかわらずスタメン出場させてもらっている。
これだけでも余りある幸運で、感謝しなければならないこと。
加えて好機に打順が回ってきて、しかもヒットを打つなんて・・・。
確かに、息子がそれだけの努力をしていたことは認める。
こないだの陸上大会が終わってからは、この大会に向けて自分のバッティングを仕上げるために試行錯誤を繰り返していた。
だけどチャンスに打席に立てるというのは、そのイニングだけじゃなく、試合が始まってから全ての選手の頑張りによって繋がってきた結果だということを忘れてはならない。決して自分の力だけではないのだ。
この大会だって、チームだって、全てが、多くの人々に支えられている結果なのだ。
それが理解できているなら、監督の大事な話しをガムを噛みながら聞くことなんてできないはず。
それが理解できているなら、感謝の気持ちをガムを噛みながら言うことなんてできないはず。
息子に対して行った行為は暴力そのもので、それを正当化することは無理かもしれない。
その瞬間、激高した自分を恥ずかしく思っているし、反省している。
しかし、慢心に侵されて醜悪化した息子からそれを追い払う手立てが他にあっただろうか。
子は親の鏡。慢心していたのはボク自身ではなかったろうか。
ゼロから出発したい。
帰りのバスの中、一部の選手は元気だった。いつものことだけど、元気な選手がお疲れモードの選手にちょっかいを出し、小さなイザコザが起こっていた。
そのことについては別の保護者が注意していたからボクは黙っていたけど、息子の5年生のMUT君に対するからかいっぷりには度を超すものがあって、そのことについてはグランドに着いてから時を見計らって叱ろうと思っていた。
要するに態度がデカかったのだ。
ヘッドライトに照らし出されたバカ息の顔は得意げで醜かった。
監督の大事な話をガムを噛みながら聞いていたのかと思った瞬間、
感謝の気持ちをガムを噛みながら言うのかと思った瞬間、
・・・・・もう、治まらなかった。
慢心が全ての敵なのだ。
十分な活躍が出来たときや成果が上がった時こそ、心の底から「感謝の気持ち」って現れるのではないだろうか。
息子は4年生にもかかわらずスタメン出場させてもらっている。
これだけでも余りある幸運で、感謝しなければならないこと。
加えて好機に打順が回ってきて、しかもヒットを打つなんて・・・。
確かに、息子がそれだけの努力をしていたことは認める。
こないだの陸上大会が終わってからは、この大会に向けて自分のバッティングを仕上げるために試行錯誤を繰り返していた。
だけどチャンスに打席に立てるというのは、そのイニングだけじゃなく、試合が始まってから全ての選手の頑張りによって繋がってきた結果だということを忘れてはならない。決して自分の力だけではないのだ。
この大会だって、チームだって、全てが、多くの人々に支えられている結果なのだ。
それが理解できているなら、監督の大事な話しをガムを噛みながら聞くことなんてできないはず。
それが理解できているなら、感謝の気持ちをガムを噛みながら言うことなんてできないはず。
息子に対して行った行為は暴力そのもので、それを正当化することは無理かもしれない。
その瞬間、激高した自分を恥ずかしく思っているし、反省している。
しかし、慢心に侵されて醜悪化した息子からそれを追い払う手立てが他にあっただろうか。
子は親の鏡。慢心していたのはボク自身ではなかったろうか。
ゼロから出発したい。
土曜日は新人戦で長崎に行ってきた。
集合時間の午前4:45分っていう時間は夜の時間で星がとってもキレイに輝いていた。
さて、結果は1勝1敗で予選リーグ敗退。
だけど、5年生主体の我がチーム。6年生チームに善戦ではなかったろうか。
リョー坊は両試合を通じて2番サードでスタメン。
5打数1安打だったけど、1試合目の4回に、右中間まっぷたつの逆転3塁打を放ち、それなりの活躍だった。
だけど、残念なことがあった。
予選敗退後、熊本のグランドに戻ったときは夜の9時になろうとしていた。
バス内の清掃をし、道具のチェック・片付けが終わったときには9時を回っていた。
監督が選手達を集めて話をしていた。
その話が終わり、選手達は保護者に向かって整列しキャプテンがお礼の挨拶を始めた。
そのときだった。
移動車両のヘッドライトが選手達の顔を一瞬照らし出した。
愚息の口元が動いていた。
選手達のお礼のことがばグランドに響き、保護者たちの拍手が闇に吸い込まれていった。
「リョータロー、こっち、来い!」
暗闇の中で愚息の表情はわからなかったけど、そんなの構いなく顔面を鷲掴みにし口元を開けさせた。
中から白い粘着物が出てきた。ガムだった。
怒りと恥ずかしさが爆発した。
ボクはその汚い口を握ったまま愚息を投げ飛ばした。
倒れた愚息に蹴りも加えた。
保護者から悲鳴のような声が上がった。
集合時間の午前4:45分っていう時間は夜の時間で星がとってもキレイに輝いていた。
さて、結果は1勝1敗で予選リーグ敗退。
だけど、5年生主体の我がチーム。6年生チームに善戦ではなかったろうか。
リョー坊は両試合を通じて2番サードでスタメン。
5打数1安打だったけど、1試合目の4回に、右中間まっぷたつの逆転3塁打を放ち、それなりの活躍だった。
だけど、残念なことがあった。
予選敗退後、熊本のグランドに戻ったときは夜の9時になろうとしていた。
バス内の清掃をし、道具のチェック・片付けが終わったときには9時を回っていた。
監督が選手達を集めて話をしていた。
その話が終わり、選手達は保護者に向かって整列しキャプテンがお礼の挨拶を始めた。
そのときだった。
移動車両のヘッドライトが選手達の顔を一瞬照らし出した。
愚息の口元が動いていた。
選手達のお礼のことがばグランドに響き、保護者たちの拍手が闇に吸い込まれていった。
「リョータロー、こっち、来い!」
暗闇の中で愚息の表情はわからなかったけど、そんなの構いなく顔面を鷲掴みにし口元を開けさせた。
中から白い粘着物が出てきた。ガムだった。
怒りと恥ずかしさが爆発した。
ボクはその汚い口を握ったまま愚息を投げ飛ばした。
倒れた愚息に蹴りも加えた。
保護者から悲鳴のような声が上がった。
昨日は,秋の大会を見すえての紅白戦があった。
スタメンvs控え組+オヤジ4人+KTNコーチ
ボクは主審だった。
KTNコーチは21歳か22歳。我がシニア出身で現役バリバリ。
コーチの投げる変化球にスタメン選手のバットはクルクルパー状態。
2回が終わった時点で携帯が鳴り,会社から緊急お呼び出し。
だからそれ以降がどうだったかわかんないけど,リョー坊は3打数1安打だったとのこと。
「カーブ,打てん!」
そろそろ,そういうための練習を手伝おうっかなぁ~。
スタメンvs控え組+オヤジ4人+KTNコーチ
ボクは主審だった。
KTNコーチは21歳か22歳。我がシニア出身で現役バリバリ。
コーチの投げる変化球にスタメン選手のバットはクルクルパー状態。
2回が終わった時点で携帯が鳴り,会社から緊急お呼び出し。
だからそれ以降がどうだったかわかんないけど,リョー坊は3打数1安打だったとのこと。
「カーブ,打てん!」
そろそろ,そういうための練習を手伝おうっかなぁ~。
週明けから長女ユー、次女ホースケは学級閉鎖で昨日まで自宅待機。そしてリョー坊は週末まで学級閉鎖。
そういうわけで、部活、塾、陸上が休みなもんだから一家団欒となり、夕食後はトランプに興じたりした数日間だった。
ま、そんなことはさておき、こないだの陸上大会のお祝いということで祖父さんに買って貰ったのはバッティンググローブと守備用のグローブ。確かに、どちらのクローブもボロボロになってたし、本人も新しいのが必要と言っていたら、それはそれで良かった。
一方、ボクはボクなりにイロイロ考えたんだけど、やっぱり欲しいというものがいいだろうと思い、リョー坊が欲しいと言っていたものを思い出すことにした。
実は、リョー坊は「○○が欲しい」とあまり口にしない。
・・・・・だけど、ソレは欲しいと言ってたよなぁ、たしか・・・・。
ボクはソレを探すべく、現場帰りにリサイクルショップを回った。
以外に早く見つかった。
「あ~、コレは一昨日福岡から来た商品とよ、紳士服屋から出てきたもんたい」
「コレいいですねぇ、買いマス。」
「アリガト」
キャスター付き姿見鏡。
練習に生かして下さい!
そういうわけで、部活、塾、陸上が休みなもんだから一家団欒となり、夕食後はトランプに興じたりした数日間だった。
ま、そんなことはさておき、こないだの陸上大会のお祝いということで祖父さんに買って貰ったのはバッティンググローブと守備用のグローブ。確かに、どちらのクローブもボロボロになってたし、本人も新しいのが必要と言っていたら、それはそれで良かった。
一方、ボクはボクなりにイロイロ考えたんだけど、やっぱり欲しいというものがいいだろうと思い、リョー坊が欲しいと言っていたものを思い出すことにした。
実は、リョー坊は「○○が欲しい」とあまり口にしない。
・・・・・だけど、ソレは欲しいと言ってたよなぁ、たしか・・・・。
ボクはソレを探すべく、現場帰りにリサイクルショップを回った。
以外に早く見つかった。
「あ~、コレは一昨日福岡から来た商品とよ、紳士服屋から出てきたもんたい」
「コレいいですねぇ、買いマス。」
「アリガト」
キャスター付き姿見鏡。
練習に生かして下さい!
日曜日の朝、咽喉が痛くて目が覚めた。
「ウへー、ユーのインフルエンザがうつったのかもぉ~、なんか気分も悪いしぃ~・・」
結局、その次に目が覚めたのはお昼。
日曜のチーム練習にはカミさんが連れていった。外は小雨が降っていたし、車はないし、体の調子もイマイチだし、なので、日曜日は家でゆっくりしようと決めたのだった。
昼から夕方まで眠り続けた。
それで今朝も風邪の症状があるから病院に行ったのだけど、検査は陰性。しかし、先生はインフルエンザのおそれがあるから今日は家でじっとしていたほうが良いでしょうとのこと。
そういうわけで、今日は学級閉鎖のムスメ二人と家にいるのである。
さて、今回も学童五輪の続きを記録しておこうと思う。
KKウィングスタジアムで解散となり、帰路についたのは午後5時ごろ。
帰るコールを家にしたら
「今日は買い物に行っとらんけん、はよ、帰ってきて!」
タミフルを服用していたユーの看病で一日中家にいたカミさんのイラ声だった。
「いま、駐車場ば出たとこで~す。」
「リョー坊、オマエ、本当に良かったな」
「うん」
「やっぱ、うれしいもんだろ~?」
「うん」
「でもさぁ、なんで勝てたと思う?」
「ウ~ン?」
「あのな、真面目にずっと練習してきたからだよ」
KURSに入ったのは小2年生の6月。知人の紹介でKURSの体験に連れていったのだけれど、そこでトレーニングを受けると決めたのはリョー坊。クラブでのトレーニングは週1回だけど、病気以外で練習を休んだことはないと思う。ここ最近は普段のトレーニングに加え、毎晩、寝る前のストレッチも欠かさずやっていた。また、10月に入ってからは「走姿」改造に取り組んでいたようだった。
「ちゃんと準備をすることが、どれだけ大事かわかっただろ」
大会当日の朝、スタジアムに向かう車中で、ボクはリョー坊に言ったのだった。
「実は、本番はあんまり重要じゃぁないんだ。大事なのは準備」
大会の本番はチーム支給の試合着で出場するということを知らなかったボクは、その日の朝、軽いランニングのパンツをチョイスしなかったリョー坊を怒鳴ったのだった。
「最後の最後まで準備にはこだわんなくちゃダメなんだよ、イチロー選手のスパイクって超軽いのって知ってるだろ、体が小さければよけい軽いものにこだわんなくちゃ・・・ちゃんとした準備ができていれば、本番で力が出せるんだ。そういうもんなんだよ」
ボクは、リョー坊と他の子供たちを見比べて前から思っていることだけど、リョー坊は運動能力に長けている子供とは思っていない。ホントーだ。
これから5年生、6年生になれば体格と体力で体の大きい子供がどんどん有利になってくるし、その中からさらに運動能力のある子供が専門的な指導を受けて本領を発揮してくる。
諦めてるってわけじゃぁないけど、陸上競技でタイトルをとるのは年々難しくなるだろうと考えている。
だけど、この大会で本当に良かったと思えることは、リョー坊が努力をすることの大切さを、身をもって学ぶことができたってことだ。
今回、ボクはリョー坊に勝つことを強要しなかった(勝つことを目指すのが野球のルールだから、野球のときは絶対に勝てと言ってるけど)。
言っていたことは「ベストを尽くそう」だった。
恐らく、本人はベストを尽くしたのだと思う。
学童五輪があった晩、KURSの保護者・子供・スタッフと食事会があったんだけど、それが終わったあと、代表コーチのHRNさんが二人のコーチに電話をしてくれた。
リョー坊がKURSに入ったころ、熱心に指導してくれたOKDコーチとKNKコーチだった。どちらも大喜びだった。
そう、リョー坊が良い結果を残せたのは、これまでお世話になってきたコーチの指導が大。当然、野球での指導やトレーニングも今回の結果に結びついているはず。陸上クラブに送り迎えをしてくれている祖父の力だってそうだ。多くの人に支えられた結果なのだ。親としても感謝しなくちゃいけない。
「リョー坊、オマエ、本当に良かったな」
「ウン」
「でもさ、本当に一番ヨカッタのは、夕べのお父さんのマッサージじゃねぇ?」
「うん、アレはヨカッタ」
「じゃぁさぁ、祖父ちゃんからお祝いの小遣いもらったらさぁ、お父さんにもちゃんと分け前やれよ」
「ハハハハ」
「てか、こういうとっきて、まずオレがお前に小遣いやんなくちゃいけないんだっけ?・・・・ま、そりゃどうでもいいか・・・」
「エ?」
こうして車は我が家へ向かっていったのだった。
「ウへー、ユーのインフルエンザがうつったのかもぉ~、なんか気分も悪いしぃ~・・」
結局、その次に目が覚めたのはお昼。
日曜のチーム練習にはカミさんが連れていった。外は小雨が降っていたし、車はないし、体の調子もイマイチだし、なので、日曜日は家でゆっくりしようと決めたのだった。
昼から夕方まで眠り続けた。
それで今朝も風邪の症状があるから病院に行ったのだけど、検査は陰性。しかし、先生はインフルエンザのおそれがあるから今日は家でじっとしていたほうが良いでしょうとのこと。
そういうわけで、今日は学級閉鎖のムスメ二人と家にいるのである。
さて、今回も学童五輪の続きを記録しておこうと思う。
KKウィングスタジアムで解散となり、帰路についたのは午後5時ごろ。
帰るコールを家にしたら
「今日は買い物に行っとらんけん、はよ、帰ってきて!」
タミフルを服用していたユーの看病で一日中家にいたカミさんのイラ声だった。
「いま、駐車場ば出たとこで~す。」
「リョー坊、オマエ、本当に良かったな」
「うん」
「やっぱ、うれしいもんだろ~?」
「うん」
「でもさぁ、なんで勝てたと思う?」
「ウ~ン?」
「あのな、真面目にずっと練習してきたからだよ」
KURSに入ったのは小2年生の6月。知人の紹介でKURSの体験に連れていったのだけれど、そこでトレーニングを受けると決めたのはリョー坊。クラブでのトレーニングは週1回だけど、病気以外で練習を休んだことはないと思う。ここ最近は普段のトレーニングに加え、毎晩、寝る前のストレッチも欠かさずやっていた。また、10月に入ってからは「走姿」改造に取り組んでいたようだった。
「ちゃんと準備をすることが、どれだけ大事かわかっただろ」
大会当日の朝、スタジアムに向かう車中で、ボクはリョー坊に言ったのだった。
「実は、本番はあんまり重要じゃぁないんだ。大事なのは準備」
大会の本番はチーム支給の試合着で出場するということを知らなかったボクは、その日の朝、軽いランニングのパンツをチョイスしなかったリョー坊を怒鳴ったのだった。
「最後の最後まで準備にはこだわんなくちゃダメなんだよ、イチロー選手のスパイクって超軽いのって知ってるだろ、体が小さければよけい軽いものにこだわんなくちゃ・・・ちゃんとした準備ができていれば、本番で力が出せるんだ。そういうもんなんだよ」
ボクは、リョー坊と他の子供たちを見比べて前から思っていることだけど、リョー坊は運動能力に長けている子供とは思っていない。ホントーだ。
これから5年生、6年生になれば体格と体力で体の大きい子供がどんどん有利になってくるし、その中からさらに運動能力のある子供が専門的な指導を受けて本領を発揮してくる。
諦めてるってわけじゃぁないけど、陸上競技でタイトルをとるのは年々難しくなるだろうと考えている。
だけど、この大会で本当に良かったと思えることは、リョー坊が努力をすることの大切さを、身をもって学ぶことができたってことだ。
今回、ボクはリョー坊に勝つことを強要しなかった(勝つことを目指すのが野球のルールだから、野球のときは絶対に勝てと言ってるけど)。
言っていたことは「ベストを尽くそう」だった。
恐らく、本人はベストを尽くしたのだと思う。
学童五輪があった晩、KURSの保護者・子供・スタッフと食事会があったんだけど、それが終わったあと、代表コーチのHRNさんが二人のコーチに電話をしてくれた。
リョー坊がKURSに入ったころ、熱心に指導してくれたOKDコーチとKNKコーチだった。どちらも大喜びだった。
そう、リョー坊が良い結果を残せたのは、これまでお世話になってきたコーチの指導が大。当然、野球での指導やトレーニングも今回の結果に結びついているはず。陸上クラブに送り迎えをしてくれている祖父の力だってそうだ。多くの人に支えられた結果なのだ。親としても感謝しなくちゃいけない。
「リョー坊、オマエ、本当に良かったな」
「ウン」
「でもさ、本当に一番ヨカッタのは、夕べのお父さんのマッサージじゃねぇ?」
「うん、アレはヨカッタ」
「じゃぁさぁ、祖父ちゃんからお祝いの小遣いもらったらさぁ、お父さんにもちゃんと分け前やれよ」
「ハハハハ」
「てか、こういうとっきて、まずオレがお前に小遣いやんなくちゃいけないんだっけ?・・・・ま、そりゃどうでもいいか・・・」
「エ?」
こうして車は我が家へ向かっていったのだった。
小4男子のリレー予選の結果は1位だったけど、2位との差は僅差。
決勝前のレースは小4女子の決勝だったけど我がKURSは0.14秒差で優勝を逃していた。
なので小4男子は負けるワケにはいかなかった。
午前中の予選のあと、リレー選手4人のうち3人は他種目に出場していた。第2走者をつとめるNKG君は100mに出場し3位入賞を果たし、アンカーをつとめるGTO君は400mで優勝していた。まだ、メダルがないのは第1走者のKMD君だけだった。
レースの1時間前、バックストレート側の地下ピットにチームの様子を見にいった。
リョー坊とNKG君は二人一組で入念なストレッチ。リョー坊がNKG君の背中を押していた。一方、KMD君とGTO君はアップを行っていた。
「おお、みんな頑張れよ~、KMD君だって一番いい色のメダルが欲しいだろ。・・・GTO君、疲れはないかい?大丈夫?」
みな笑っていた。
スタートグリッドに選手が出てきた。
予選のときと違い、うちの選手は練習着のTシャツ姿だった。
エ?ナンデと思ったけど気にしても仕方が無かった。
スタートの号砲がスタジアムに響いた。
やや外側に位置する第7レーンからKMD君がスタートした。ほぼ完璧なスタート。グイグイ加速し、僅差だったけど1位でバトンが渡った。第2走者は力強い走りが魅力のNKG君。いつもどおりの走りで1位のままバトンが繋がった。
第3走者はリョー坊だけど、この第3走者の競争が一番レースを面白くする。なんでかっていうと第2走者ぐらいまでは外側レーンのチームが見た目早くみえるけど、第3走者くらいから内側レーンの走者がその差をグイグイ詰めてくるからだ。
2位チームの走者は大柄な選手。リョー坊をどんどん追い詰めていった。最終走者にバトンが渡った。2位チームとほぼ同時になった。直線部に入ったとき、僅かだったけど相手チームが前に出ていた。
ボクはスタンドからあらん限りの声を出してGTO君を応援した。
残り50m、以前として2位のままだった。
ボクはGTO君を信じていた。
GTO君の所属している野球チームは、今夏、高円宮杯に出場した強豪チーム。今年、スタメンとしての出場機会はなかったらしいけど、新チームではベンチ入りを果たしていて、ゆくゆくはそのチームの屋台骨になる存在。そんじょそこらのトレーニングは受けていないはず。
「イケーッ、イケーッ!」
残り20m、相手走者が失速し始めた。
差が縮まり始めた。
残り5m・・・・、並んだ。
ゴール。GTO君が僅かに前に出ていたように見えた。
掲示板に数字が出た。
1分00秒42
レーン番号は「7」だった。
応援席に喚起の声が上がった。
発表によれば2位のタイムは1分00秒43。差はわずか0.01秒。
人間が識別できる限界の数値だった。
KURSの代表コーチであるHRNさんの話しによれば、彼らには王者の風格があったとのこと。だから、レース前から勝利を確信していたそうだ。
ただ、ボクが驚いたのは優勝タイム。今回の優勝タイムは平凡な記録だけど、強化練習中の計測では63秒が最高。予選レースでは61秒台、そして決勝で60秒台をたたき出しから驚いたのだった。
選手全員が野球少年だから一発勝負に強いというわけではないだろうけど、リョー坊が陸上をやっている大きな目的が一発勝負に強くなることだったワケで、どうやらその目標は達成できたのかもしれない。
リレー優勝チームには表彰式で優勝旗が手渡された。
早く野球で優勝旗が欲しいなぁ~。
決勝前のレースは小4女子の決勝だったけど我がKURSは0.14秒差で優勝を逃していた。
なので小4男子は負けるワケにはいかなかった。
午前中の予選のあと、リレー選手4人のうち3人は他種目に出場していた。第2走者をつとめるNKG君は100mに出場し3位入賞を果たし、アンカーをつとめるGTO君は400mで優勝していた。まだ、メダルがないのは第1走者のKMD君だけだった。
レースの1時間前、バックストレート側の地下ピットにチームの様子を見にいった。
リョー坊とNKG君は二人一組で入念なストレッチ。リョー坊がNKG君の背中を押していた。一方、KMD君とGTO君はアップを行っていた。
「おお、みんな頑張れよ~、KMD君だって一番いい色のメダルが欲しいだろ。・・・GTO君、疲れはないかい?大丈夫?」
みな笑っていた。
スタートグリッドに選手が出てきた。
予選のときと違い、うちの選手は練習着のTシャツ姿だった。
エ?ナンデと思ったけど気にしても仕方が無かった。
スタートの号砲がスタジアムに響いた。
やや外側に位置する第7レーンからKMD君がスタートした。ほぼ完璧なスタート。グイグイ加速し、僅差だったけど1位でバトンが渡った。第2走者は力強い走りが魅力のNKG君。いつもどおりの走りで1位のままバトンが繋がった。
第3走者はリョー坊だけど、この第3走者の競争が一番レースを面白くする。なんでかっていうと第2走者ぐらいまでは外側レーンのチームが見た目早くみえるけど、第3走者くらいから内側レーンの走者がその差をグイグイ詰めてくるからだ。
2位チームの走者は大柄な選手。リョー坊をどんどん追い詰めていった。最終走者にバトンが渡った。2位チームとほぼ同時になった。直線部に入ったとき、僅かだったけど相手チームが前に出ていた。
ボクはスタンドからあらん限りの声を出してGTO君を応援した。
残り50m、以前として2位のままだった。
ボクはGTO君を信じていた。
GTO君の所属している野球チームは、今夏、高円宮杯に出場した強豪チーム。今年、スタメンとしての出場機会はなかったらしいけど、新チームではベンチ入りを果たしていて、ゆくゆくはそのチームの屋台骨になる存在。そんじょそこらのトレーニングは受けていないはず。
「イケーッ、イケーッ!」
残り20m、相手走者が失速し始めた。
差が縮まり始めた。
残り5m・・・・、並んだ。
ゴール。GTO君が僅かに前に出ていたように見えた。
掲示板に数字が出た。
1分00秒42
レーン番号は「7」だった。
応援席に喚起の声が上がった。
発表によれば2位のタイムは1分00秒43。差はわずか0.01秒。
人間が識別できる限界の数値だった。
KURSの代表コーチであるHRNさんの話しによれば、彼らには王者の風格があったとのこと。だから、レース前から勝利を確信していたそうだ。
ただ、ボクが驚いたのは優勝タイム。今回の優勝タイムは平凡な記録だけど、強化練習中の計測では63秒が最高。予選レースでは61秒台、そして決勝で60秒台をたたき出しから驚いたのだった。
選手全員が野球少年だから一発勝負に強いというわけではないだろうけど、リョー坊が陸上をやっている大きな目的が一発勝負に強くなることだったワケで、どうやらその目標は達成できたのかもしれない。
リレー優勝チームには表彰式で優勝旗が手渡された。
早く野球で優勝旗が欲しいなぁ~。