左右の両手に硬式ボールを握り、うつむき加減で助手席に座っていた愚息が突然ボソリと呟いた。
「だいぶ前からなんだけど、やっぱり右手と左手とでは違うとたいねぇ~」
「なんが違うと?」
「あんねぇ~、右手の方がねぇ~、ボールが大きく感じるとたい・・・・同じボールなのに・・・」
それは愚息にとって深い悩みだったよう。
その感覚が納得できないし、気に入らないようだった。
「ほうッ、たいしたもんじゃん!、・・・・でも、それって右手の感覚が鋭くなってるって証拠なんじゃぁ!?」
「?????」
「アレ?、ワカンナイ?」
「????」
「ほら、ホムンクルス、ホムンクルス(正確にはペンフィールドのホムンクルス)は知ってるだろ!?」
「????」
「・・・知らん?、ほらぁ~、あのぉ~、手とかベロとかが異様にデカイ人間の絵とか人形とか知らん?、図鑑とかによくあるだろ」
「・・・あぁ~・・・」
「思い出した?、アレってさぁ、皮膚で感じる感覚の度合いを表していて、手が異様にデカイということは手の感覚が、他の場所と比べてそれだけ繊細で敏感ということなんだよ。それで、たぶん、オマエは、右手の方がより敏感というかそういうことなんじゃないかなぁ・・・」
「・・ん~?・・」(首傾)
「・・・ん~・・・、お父さんさぁ~、歯医者さんに行ったとき、聞いたもん・・・、歯を削られてるときって、なんだかスゴイ広い範囲を削られているような感じがするだろ、でも、ホントはスッゴイ狭くてちっちゃいところを削ってるワケでさ・・・、それで、そのことを先生に訊いたらさぁ、先生に、スルドイって言われたよ・・・・、ワカル?・・・」
「・・・ん~?・・」(首傾)
「じゃぁさぁ、小さいボールと大きいボールがあったとして、ピンポイントで力を加えてコントロールしようとした場合、どっちのボールがコントロールしやすい?」
「・・・大きいほう・・・あぁ~・・・」
ワカッテくれたみたいだった。
だいぶアスリートっぽくなってきた。
「だいぶ前からなんだけど、やっぱり右手と左手とでは違うとたいねぇ~」
「なんが違うと?」
「あんねぇ~、右手の方がねぇ~、ボールが大きく感じるとたい・・・・同じボールなのに・・・」
それは愚息にとって深い悩みだったよう。
その感覚が納得できないし、気に入らないようだった。
「ほうッ、たいしたもんじゃん!、・・・・でも、それって右手の感覚が鋭くなってるって証拠なんじゃぁ!?」
「?????」
「アレ?、ワカンナイ?」
「????」
「ほら、ホムンクルス、ホムンクルス(正確にはペンフィールドのホムンクルス)は知ってるだろ!?」
「????」
「・・・知らん?、ほらぁ~、あのぉ~、手とかベロとかが異様にデカイ人間の絵とか人形とか知らん?、図鑑とかによくあるだろ」
「・・・あぁ~・・・」
「思い出した?、アレってさぁ、皮膚で感じる感覚の度合いを表していて、手が異様にデカイということは手の感覚が、他の場所と比べてそれだけ繊細で敏感ということなんだよ。それで、たぶん、オマエは、右手の方がより敏感というかそういうことなんじゃないかなぁ・・・」
「・・ん~?・・」(首傾)
「・・・ん~・・・、お父さんさぁ~、歯医者さんに行ったとき、聞いたもん・・・、歯を削られてるときって、なんだかスゴイ広い範囲を削られているような感じがするだろ、でも、ホントはスッゴイ狭くてちっちゃいところを削ってるワケでさ・・・、それで、そのことを先生に訊いたらさぁ、先生に、スルドイって言われたよ・・・・、ワカル?・・・」
「・・・ん~?・・」(首傾)
「じゃぁさぁ、小さいボールと大きいボールがあったとして、ピンポイントで力を加えてコントロールしようとした場合、どっちのボールがコントロールしやすい?」
「・・・大きいほう・・・あぁ~・・・」
ワカッテくれたみたいだった。
だいぶアスリートっぽくなってきた。