本ストーリーは、hiratakuwaの妄想に過ぎません。
従って、登場人物や野球チームは架空であり、実際とは異なっていることにご注意下さい。本ストーリーを面白いと思った方が行うコピペはマッタク構いませんし、他HPやブログへの紹介も妨げません。しかし、本ストーリーの著作権はhiratakuwaに帰属することをご了承頂きたいと思っております。
・・・ちと、大袈裟だったかな。ま、いいか。
では、本編をお楽しみ下さい。
リトルリーガー
-愛する人のために-
急峻な峰々と入りくんだ海岸。
住宅は斜面に張り付き、海岸には造船所のクレーンが高く無数にそびえている。
場所は九州の西の果て佐世保だ。
米海軍基地がここにはある。
机の上にはボールが一つある。
硬式の野球ボールだ。
右手がそのボールを掴む。
右手の主はマイク、12歳。
彼はベッドに腰を下ろして遠くを見つめる。
窓の向こうに佐世保の街と山と海とタンカーが見える。
佐世保にはリトルリーグがある。
日本で始めて設立されたリトルリーグだ。
リーグ名はもちろん「SASEBO」。
終戦後、佐世保に駐留した米海軍が子供たちのために作った野球チームだ。
設立当初から、そのリーグは日本人と海軍兵士の子供たちで構成され、それは現在まで引き継がれている。
佐世保に来て1年が経とうとしていた。
マイクは「SASEBO」の一員だった。
チームに馴染むことができなかった。いや、馴染む必要などないと考えていた。
彼は頑なだった。そしてピッチャーだった。
マイクはカリフォルニアの海沿いの小さな街で生まれた。
彼を落ち着かせるのは波の音と母の歌声だった。
しかし、彼はその歌声を5年聴いていない。
両親は5年前に離婚しており、裁判の末、マイクは海軍兵士の父に引き取られたのだった。
マイクが野球を覚えたのは小学校入学前。母の父(祖父)が彼のセンスを見込んで手ほどきしたのだった。その後、彼は、父と転勤を繰り返しながら各国のキャンプ地(米軍基地)で腕を磨いていった。
そして彼は12歳になるのを待っていた。
なぜなら、その年齢が母と会えるかもしれないチャンスだったからだ。
リトルリーグのワールドシリーズ出場が、本土アメリカに行けるチャンスと彼は考えたのだった。
つづく
従って、登場人物や野球チームは架空であり、実際とは異なっていることにご注意下さい。本ストーリーを面白いと思った方が行うコピペはマッタク構いませんし、他HPやブログへの紹介も妨げません。しかし、本ストーリーの著作権はhiratakuwaに帰属することをご了承頂きたいと思っております。
・・・ちと、大袈裟だったかな。ま、いいか。
では、本編をお楽しみ下さい。
リトルリーガー
-愛する人のために-
急峻な峰々と入りくんだ海岸。
住宅は斜面に張り付き、海岸には造船所のクレーンが高く無数にそびえている。
場所は九州の西の果て佐世保だ。
米海軍基地がここにはある。
机の上にはボールが一つある。
硬式の野球ボールだ。
右手がそのボールを掴む。
右手の主はマイク、12歳。
彼はベッドに腰を下ろして遠くを見つめる。
窓の向こうに佐世保の街と山と海とタンカーが見える。
佐世保にはリトルリーグがある。
日本で始めて設立されたリトルリーグだ。
リーグ名はもちろん「SASEBO」。
終戦後、佐世保に駐留した米海軍が子供たちのために作った野球チームだ。
設立当初から、そのリーグは日本人と海軍兵士の子供たちで構成され、それは現在まで引き継がれている。
佐世保に来て1年が経とうとしていた。
マイクは「SASEBO」の一員だった。
チームに馴染むことができなかった。いや、馴染む必要などないと考えていた。
彼は頑なだった。そしてピッチャーだった。
マイクはカリフォルニアの海沿いの小さな街で生まれた。
彼を落ち着かせるのは波の音と母の歌声だった。
しかし、彼はその歌声を5年聴いていない。
両親は5年前に離婚しており、裁判の末、マイクは海軍兵士の父に引き取られたのだった。
マイクが野球を覚えたのは小学校入学前。母の父(祖父)が彼のセンスを見込んで手ほどきしたのだった。その後、彼は、父と転勤を繰り返しながら各国のキャンプ地(米軍基地)で腕を磨いていった。
そして彼は12歳になるのを待っていた。
なぜなら、その年齢が母と会えるかもしれないチャンスだったからだ。
リトルリーグのワールドシリーズ出場が、本土アメリカに行けるチャンスと彼は考えたのだった。
つづく
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