W杯

　数ヶ月後には、南アフリカの地で、サッカーワールドカップが開催される。


　　　オリンピック以上に、ナショナリズムの高揚を扇ぐ、スポーツの戦争。


　　、、、、、、実は、、、、、


　　このワールドカップが、本当の戦争を引き起こしたことがある。


　人類史上、最もバカバカしい戦争、といわれている『 サッカー戦争 』がそれだ。



　　1969年、、、南アメリカの、エルサルバドルとホンジュラスの代表チームが、翌年に開催されるメキシコ大会の出場権をかけ、予選でぶつかりあった。


　　試合前から、両国の選手、国民、異様に白熱しており、風雲急を告げる、感が漂っていた。


　、、、、、、そして当日、、、、、

　激しいラフプレーは当たり前、殴り合い、さえ発生する死闘が繰り広げられ、結果、ホンジュラスが勝利する。


　、、、、事態は思わぬ方向に展開していく、、、、、


　　両国のファンが興奮して、各地で暴動を起こしたのを皮切りに、エルサルバドル空軍が、ホンジュラスを攻撃し始めたのだ。


　　このサッカー戦争は数日間続き、アメリカの調停により、一応の終結をみた。


　　死傷者 2万人以上を出した、このサッカー戦争、国境問題等、以前から燻ぶっていた両国の対立感情が、一気に爆発したのが原因なのであるが、それ以後も、小競り合いは続き、2006年にやっと終止符が打たれるのである。


　　、、、、、さて、、、、、、


　『 南アフリカ共和国 』


　、、、世界で初めて心臓移植に成功した国、この歴史的栄誉の影で、、、、、


　交通事故に遭遇したと言えども、脳死は言わずもがな、社会復帰の可能性が十二分にあったにもかかわらず、白人に、自らの心臓を提供せしめられた、黒人の存在があったことを忘れてはならない。


　、、、、、、ワールドカップを目前にして、、、、、


　彼を、非業の死に追いやった、この人種差別保護国が歩んできた歴史を、あらためて学び直す必要があると思う。