食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

一本の苗木

2010-03-18 05:46:05 | 日記
 イスラム世界の嗜好品であった「 コーヒー 」。  ヨーロッパに浸透し、広まったのは 17世紀に入って、、、、、


 コーヒー輸出で、巨大利益を得ていた、イスラム商人達は、その権益を守るため、コーヒー豆、苗、の外部持ち出しを強く禁止していた。


 、、、、、逃げる者あれば、追う者あり、、、、、は世の常、、、、、


 商いに目ざといオランダ人が、モカ港から、こっそりコーヒーの生豆をもちだす。


 そして、植民地アフリカ、本国での、栽培にトライするのだが、、、、


  異なる風土に、新し作物を根付かせるのは難しい、、、、


 、、、、挫折につぐ挫折、、、、


、、、、、時は流れて、、、、、、


 18世紀半ば、アムステルダム市長から、フランス、ルイ14世に、コーヒの苗木、数本が寄贈される。


 その中の一本の苗木を、フランス人は、カリブ海に浮かぶマルティック島に植え付ける。


 栽培に成功した彼らは、その苗を、ジャワ島に持ち込み、大量生産に着手する。



 、、、、、この銘柄が、、、、、、


     『 ブルーマウンテン 』


  後世に名を博す、コーヒーのブランド品の誕生である。


 、、、、、、、、そして、、、、、、


 現在、コーヒー豆の主要生産地は、南アメリカ、アフリカ、西インド諸島に大別される。


 それら国々が送ってきた、漆黒の時間が、マグカップの中に、しっとりと溶け込んでいるようである。