食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

リンカーン

2010-03-10 06:23:47 | 日記
  リンカーン、、、、、


 アメリカ民主主義、自由主義の偉大なる指導者、これは衆目の一致するところであるが、、、、


 、、、、、、南北戦争、、、、、、


  そもそもが、奴隷制度廃止、が落としどころで始められた戦争ではない。


 その起因は、奴隷使用を生命軸に、イギリス相手の農作物取引を主としていた南部と、産業革命により急速な近代化に成功した工業中心の北部との、経済基盤の交錯にあった。


、、、、、、、当時、、、、、、

 
 北部のリンカーンが大統領に当選すると、南部はそれを認めず、自ら独立国をつくり、アメリカ連邦を脱退した。


 そこで、リンカーンは、アメリカの分裂を避けるため、南部に対し宣戦布告するのである。


 その戦争も、予想以上に長引き、イギリス、フランスなどが介入してくる危険性もでてきた。


 そこで、彼は、伸るか反るかの大賭けに打って出る。


、、、、、有名な、『 奴隷解放宣言 』である、、、、

  
「 この戦争は、奴隷解放のための戦争である 」 、 まことしやかな大義名分を打ち立てることにより、北軍の士気を高め、強国からの内政干渉をかわすことに成功した。

 
  事実、この「宣言」以後、初めて北部における黒人兵士誕生がかなうのである。


 ちなみに、、( グローリー、という映画は、この歴史背景を描いた秀作である )、、、


 リンカーンの実像は、慈愛に満ちた人道的指導者というよりは、むしろ、したたかな大政治家、という方が正鵠を射ている、ように思えるのだが、、、、、、


 、、、、、、さて、、、、、、


 従来、戦争での軍隊使命は、敵軍の撃破であり、敵側といえど、民間人への攻撃は、騎士道に反する、という理由から回避されてきた。


 、、、、が、、、、、、


 リンカーンは、南北戦争において、前線の敵のみならず、南部の戦闘を支える全産業、しいては、民間人をも攻撃の対象とする、戦法をとった。


 この、敵に対する総力戦、全滅作戦、の考えは、以後、アメリカ合衆国の本管をなしていくのである。


  我が国への原爆投下、ベトナム戦争、最近では、アフガニスタン問題、これらにも、その戦法は端的に示されている。


 
  、、、、、、そして、65年前の今日、1945年3月10日、、、、、、、


 B29からの無差別爆撃により、澱のように溜まった死体の重なりで、東京の街は暗色に彩られた。