6月8日に野田首相は、大飯原発3・4号機の再稼働をすべきだと明言し、福井県の同意が得られ次第再稼働を決める考えを
表明した。「安全性は、1年以上の時間をかけて得られた知見を積み上げて確認した。」そうで、「3割の原子力発電を今、止め
ては日本の社会は立ちゆかない。」「関西の15%という電力不足は昨年の東日本でも体験しなかった水準だ。」と、首相だけが
思い込んでいる根拠のない理由から、大飯原発再稼働を容認したのだ。
1年以上知見を積み重ねたと言うが、大飯原発が断層の巣窟の真っただ中にあり、地震やその他諸々の要因で問題の起きる
可能性が大で、原発施設に続く1本しかない道路が寸断されたら、どうやって問題を解決するつもりなのだろう?
その上、免震重要棟もないのに何処で対策を立てるのだろう。関係筋は、「3号機と4号機の間には、『会議室』があるから大
丈夫」だと言っているそうだが、会議室で「お話」をするのだろうか?その上、15%の電力不足は、関電が原発以外で発電努力
をしようとしないで、あらかじめ設定した数値だと云うのに、首相だけが関電の言い値を信じて(国民は信じていない)いる。
そして、原発が停止すると、「化石燃料への依存を増やして電力価格が高騰~略~国民の生活を守れない」とも言っている。
原料が高騰するから電気料金が上がるという単純な図式を出して、政府として回避する施策すらしないつもりなのだ。原材料や
経費が掛かれば電気料金値上げ。事故を起しても電気料金値上げ。発送電を独占している企業は、電力という生活に無くて
はならないものを盾にして何でも許されている。理不尽極まりない。
この方は、福島原発が爆発した3週間後、財務大臣時に「何があろうともTEPCOに影響の無いようにする!」と発言していた
そうである(米国関係者筋より)が、今度は、“何があろうとも関電の経営に影響の無いようにする”為に大飯原発再稼働をすべ
きだと思ったのだろうか。大飯原発で使われる燃料は、二酸化プルトニウムと二酸化ウランとを混ぜたMOX燃料。
*この燃料が如何に危険な物なのか、エドウィン・S・ライマン博士・核管理研究所(NCI)科学部長が警告す
る。【MOXの使用はまた、重大事故の発生の確率を大きくする可能性もある。】
http://kakujoho.net/mox/mox99l_s.html
*原発1基を1年間運転すると、約50トンの使用済み核燃料が出る。「使用済み核燃料は、新燃料と比較す
ると放射能量は約1億倍」
http://www5a.biglobe.ne.jp/~genkoku/kohza-004.htm
*原子力発電所の発電総出力と使用済み核燃料貯蔵量