現在放映中の朝ドラ《おちょやん》のモデルは『浪花千栄子』さんだそうですね。
子供の頃観た映画『お父さんはお人好し』では『花菱アチャコ』さんと絶妙な夫婦役でした。
優しい笑顔と流れるような大阪弁が記憶に残っています。
こんなにも苦労された方だったのかと、驚きつつ毎日拝見しています。
9歳で芝居茶屋に奉公に出され、18歳で年季明けになった途端、
ろくでなしの父親が迎えにきました。
借金に困って、又どこかに娘を売ろうと言う魂胆らしいです。
その訪ねてきた場面

「千代け?えっ?」と言った後、「おまえ、相変わらず背ぇちっこいのォ~」って言うんですねえ。

「背ぇちっこいのう。」ですって
8年振りに会って、それは違うでしょ
と思わず突っ込みました。
私は父親と3年振りに再会した経験があります。
小6年の時、父親が蒸発しました。
旅巡りの浪曲師だったから、旅に出るのはいつものことだったけれど、
この時はいつまでも帰ってこなかったのです。
母の両親との揉めごとが原因だったようですが、詳しいことは知りません。
私は小1年から両親の巡業中は祖父母宅で暮らしていましたから、
私に大きな変化はありませんでしたが、残された母は肩身が狭かっただろうと思います。
中学3年のある日のことです。
私と妹は両親が所属していた芸能社に使いに出されました。
すると突然そこに父が現れたのです。
今思えば芸能社側の計らいだったのでしょう。
「お、大きくなったなあ・・・!」
父は目を見張って言いました。
私は予期せぬことに驚き、突っ立ったまま何も喋れませんでした。
ただ、父の背はこんなに低かったのかなぁ?!と考えていました。
親はなくとも子は育つ、と言いますが、
3年の間に私は父に追いつくほどに成長していたのですから。
だから、だからなのです。
ドラマとはいえ、8年振りに再会した18歳の娘に、
「ちっこいのう!」はないだろうと突っ込みたくなったのです。
私と父はその後いろいろな経緯を辿り一緒に暮らしましたが、
なかなか馴染めませんでした。
もう少し打ち解けて話がしたかったなあ、と今は思います。