雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

不如帰(ホトトギス)

2012年06月27日 | ポエム
   ▲梅雨空を眺めていたらハート形の雲(中央)を見つけた。望遠レンズに付け替える間に、一瞬でハートの形は崩れていた。


 不如帰 (ホトトギス)

まだ黒一色の
色も無く
まだ風の音さえしない
あかつきの空を
ホトトギスの声が
切り裂いて
寝ている僕の耳に届く
くり返し
くり返し
くり返し
それでもくり返す
ホトトギスの声は
亡き友の
子を呼ぶ声に聞こえてくる
まだ黒一色の
色も無く
まだ風の音さえしない
あかつきに
僕はただ手をあわせる
わかっているよ、と
(2012.6.18)
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