版元直売で書店に並ぶ前に手に入れ、スキマ時間に読み返しています。
こよりさんご自身の病気、学習障害や自閉症などお子さん達の異なる発達特性、4人ものご老人の介護、と想像を絶する環境に驚かれる方がほとんどでしょう。
「自閉っ子のための道徳入門」を読み「すごい人がいるものだなぁ」と思って、密かに尊敬していた ひつじ。
人として、母として、自らの目標に向かってお二人のお子さんを育て上げたこよりさんのお心は、とても大きく深いと感じます。
こひつじちゃんの妊娠がわかったとき、ひつじはガン検査で再検査判定となりました。
精密検査結果が出るまでの数週間、まだ幼いひつじ君に母としての命が残り少ないのなら何ができるだろう、お腹の子を産むことはできるのだろうかと、悩みました。
でも、再検査で何事もないと分かると、日々の忙しさに振り回され、そんな思いはすぐに忘れてしまいました。
こひつじちゃんが生まれた時は、この子は一生誰かのお世話になるかもしれないから、いつも笑顔でお世話をする方に可愛がってもらえる子に育てようと思いました。
でも、自分がいなくなった時のことまでは考えていなかったと思います。
ただただ母として「この子を守らなければ」「自分がそばにいなければ」と必死だったし、周りのことや先の事を見る余裕がなかったと思います。
でも、こよりさんは違います。
こよりさんが子育ての目標にしたことは、多くのママたちがもっとずっと後になってから考えることかもしれません。
ありふれた「マニュアル子育て」や「マニュアル相談支援」と全く異なる内容で、改めてとても自然で人として当たり前のことの大切さに気づきます。
ママさん達とお話すると、発達の早い遅いにとても敏感で、テストで平均点が取れていることに安心する方が多いです。
日本は皆と同じであるということ、平均的であることにとても安心する文化を持つのです。(平均点って実は真ん中より下らしいけど)
かつてのひつじも こひつじちゃんが小さいことを気にしていましたが、それは平均と比べてというより、某支援者から人としてさえ見られなかったというつらい経験からです。
こよりさんの母としての○○を最大限に活かした子育て、ここから私が学ぶものは大きいと思います。
母親が「自分が一番子どもの事をわかっている」と思うのは必ずしも正しくないけれど、
鋭い観察力と日々の積み重ねが、マニュアル診察、マニュアル支援やマニュアル療育に勝るという良い例なのです。
うまくまとまらないけど、興味を持った方は読んでください。
発達凸凹や自閉症がなくても、読む価値がありますよ。
ひつじはこれからもこの本を手元に置き、何度も繰り返し読み、人にも薦めたいと強く思います。