お勉強会覚書のつづきです。
2.吃音の基礎知識・対応
〈原因〉
不明(体質7割?環境3割?)
2~4歳の100人に5人発症し、うち1人が成人まで持続。発話運動のコントロールの未熟さ、言語発達の未熟さかつ急激な発達、脳活動が成熟途中である事が関係しているか?男女比率は5対1
人真似や愛情不足から起こるものではない
〈吃音の主症状〉
意思とは関係なく、ことばがなめらかに出にくくなる。
・ことばの一部を繰り返す(連発)
「く、く、く、くるま」
・引き伸ばし(伸発)
「くーるま」
・ブロック(難発)
「・・・・・っくるま」
連発→伸発→難発
症状が多く見られる事で診断される
〈吃音の他症状〉
もがく症状
・力が入る
・随伴症状(身体を動かす、舌を出す等)
ごまかす・避ける症状
・えー、あのー等の時間稼ぎ
・答えが分かるのに「何だっけ?」
・言いやすいことばに言い換える
〈正常範囲の非流動性〉
・ことば全体を繰り返す
(ぼくの、ぼくのボール)
・「えーと、あのね」等の挿入
・言い直し(あれがね、ぼくのボールがなくなっちゃった)
・1回の語頭音繰り返し(ぼ、ぼくのだよ)
〈吃音の特徴〉
変動性(波がある、人により違う)
・日によって調子が違う
・言いにくいことばや行がある(ア行は言いにくさがある)
・場面によって変わる
非流暢な時
言語・体調・環境の負荷大
流暢な時
言語・体調・環境の負荷少
〈吃音のある子どもとの接し方〉
・会話をゆっくりしたペースにする
→子どもの話を最後まで聞き、一呼吸おいて返す
→返答する時等は、最初に「へぇー」、「うーん」等を挟み、1テンポ空ける。
→競いあって話さないように、調整する。(他児の割り込みをさける)
・言語的負荷を減らす。
→簡単なことばで、短い文、質問を減らす
→できる限り、話し方や表現ではなく、話の内容に耳を傾ける
その他
→吃音が出た時に、心配そうな表情をしない、顔をしかめない
→「ゆっくり、落ち着いて」のことば掛けは逆効果なので控える
〈からかいがあった時の対応〉
・周囲の子どもへ吃音について説明する
・本人の思いを受け止め、「どもる事は悪い事ではない」と安心させる
・困った時に相談できる環境、平気で話題にできる環境を
幼児期でも自覚がある子どもは多い。「気づかせてはいけない」は昔の知識。吃音がある子どもも、ない子どもも、吃音についてオープンに話せる環境、理解する環境を作る事が大切。
思春期にひとりで抱えるのは大変。
小さなうちからオープンに話せる環境を
〈受診の目安〉
1.症状が重くとても心配な時
2.子どもに吃音の気づきがあり、受診を希望している
3.年中くらいになっても改善する傾向がない
―――――――
ここで講師のSTさんから説明が。
「吃音は訓練して治るものではない」
え?何ですと?吃音は治せないものなの?
続く