かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(77)――朝日歌壇・俳壇から(2022年5月8日~2022年8月14日)

2022年08月14日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

有事には標的となる原発をゆつくり隠しゆく海霞
       (村上市)鈴木正芳  (5/8 高野公彦選)

核のあるこの世に生まれ核のあるままこの世を去らねばならぬ
       (観音寺市)篠原俊則  (5/22 永田和宏選)

戦争の話する人しない人もう福島は遠くなったか
       (南相馬市)佐藤隆貴  (5/22 永田和宏選)

原発を撃つ国廃炉に悩む国それでも増設するという国
       (福島市)青木崇郎  (5/27 馬場あき子選)

ウクライナを追われし人らの辛酸を思う浪江町避難中の吾は
       (いわき市)守岡和之  (7/26 高野公彦選)

 

被爆の地陽炎(かげろう)の立つ坂のぼる
       (対馬市)神宮斉之   (5/1 高山れおな選)

原発のある半島や雷遊ぶ
       (石川県能登町)瀧上裕幸   (7/3 高山れおな選)

人間の人間による原爆忌
       (八王子市)額田浩文   (8/7 高山れおな選)

原爆忌道誤りし星に棲(す)
       (さいたま市)齋藤紀子   (8/7 長谷川櫂選)

天才が人を亡(ほろ)ぼす原爆忌
       (北本市)萩原行博   (8/14 高山れおな選)

おほいくさ七十億の原爆忌
       (福島県伊達市)佐藤茂   (8/14 長谷川櫂選)


(写真と記事は関係ありません)

 

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1 コメント

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考えぬ民 (西 新太郎)
2022-08-14 08:04:59
戦と核の問題は、考えても考えても簡単に結論は出ませんが、それでも考え続けねばなりません。
それはこの島に生を享けた者の務めだと思うのですが、考えないことを“強いられ”、それに馴らされている人々のありさまを想う夏です。
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