法務問題集

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民訴法 > 総則 > 外国裁判所の確定判決の効力

2015-01-08 00:00:00 | 民訴法
【問題】
01. X国法人A社はX国で日本法人B社への損害賠償請求訴訟を提起し、勝訴判決を得た。この訴訟について、X国の裁判所に国際裁判管轄があると認められ、日本の法令または条約でX国の裁判所の裁判権が認められる場合、日本の民訴法上の他の要件を充たしていれば、A社はこの判決に基づく執行判決を日本で取得し、B社の日本国内の資産を差し押さえられる。

02. X国法人A社はX国で日本法人B社への損害賠償請求訴訟を提起し、勝訴判決を得た。A社がこの判決に基づく執行判決を日本で取得し、B社の日本国内の資産を差し押さえるためには、この訴訟についてX国の裁判所に国際裁判管轄があると認められていれば足り、日本の法令あるいは条約でX国の裁判所の裁判権が認められていなくともよい。

03. X国法人A社はX国で日本法人B社への損害賠償請求訴訟を提起し、勝訴判決を得た。B社が訴訟の開始に必要な呼び出しもしくは命令の送達を受けていなかった場合、B社が応訴していても、A社はこの判決に基づく執行判決を日本で得られない。

04. X国法人A社はX国で日本法人B社への損害賠償請求訴訟を提起し、勝訴判決を得た。B社が訴訟の開始に必要な呼び出しもしくは命令の送達を受けておらず、B社が応訴していない場合、A社はこの判決に基づく執行判決を日本で得られない。

05. X国法人A社はX国で日本法人B社への損害賠償請求訴訟を提起し、勝訴判決を得た。この判決の内容および訴訟手続きが日本での公序良俗に反する場合、A社はこの判決に基づく執行判決を日本で得られない。

06. X国法人A社はX国で日本法人B社への損害賠償請求訴訟を提起し、勝訴判決を得た。日本とX国の間に日本の外国判決の執行についての相互の保証が認められない場合、A社はこの判決に基づく執行判決を日本で得られない。

【解答】
01. ○: 民訴法118条(外国裁判所の確定判決の効力)1号

02. ×: 民訴法118条(外国裁判所の確定判決の効力)1号
外国裁判所の確定判決は、次に掲げる要件のすべてを具備する場合に限り、その効力を有する。
 1 法令又は条約により外国裁判所の裁判権が認められること
 (略)

03. ×: 民訴法118条(外国裁判所の確定判決の効力)2号
外国裁判所の確定判決は、次に掲げる要件のすべてを具備する場合に限り、その効力を有する。
 (略)
 2 敗訴の被告か訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達を受けたこと又はこれを受けなかったが応訴したこと
 (略)

04. ○: 民訴法118条(外国裁判所の確定判決の効力)2号

05. ○: 民訴法118条(外国裁判所の確定判決の効力)3号

06. ○: 民訴法118条(外国裁判所の確定判決の効力)4号

【参考】
民事訴訟 - Wikipedia