法務問題集

法務問題集

民法 > 相続 > 遺留分 > 侵害額請求等

2013-12-13 00:00:00 | 民法(2024年) > 家族法
【問題】
01. 遺留分権利者は、受遺者や受贈者に遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求できる。

02. 被相続人が死亡前に相続人の1人に遺産を遺贈していた場合、その遺贈は他の遺留分権利者の遺留分を侵害している部分について無効である。

03. 遺留分侵害額請求権の行使は、裁判上の請求によらなければならない。

04. 遺留分権利者が遺言者の全財産の包括遺贈に侵害額請求権を行使した場合、遺留分権利者に帰属する権利は遺産分割の対象となる相続財産としての性質を有する。

05. 被相続人の全財産が相続人の一部の者に遺贈された場合において、遺留分侵害額請求権を有する相続人が、遺贈の効力を争うことなく、遺産分割協議の申し入れをしたときは、特段の事情のない限り、その申し入れには遺留分侵害の意思表示が含まれる。

06. 相続開始の9年6ヶ月後に相続開始と遺留分を侵害する遺贈の存在を知った場合、遺留分侵害額を請求できない。

07. 遺留分を侵害する遺贈の目的物の所有権移転登記後は、遺留分侵害額を請求できない。

08. 相続の開始前における遺留分の放棄の効力は、家裁の許可を受けた場合に限って発生する。

【解答】
01. ○: 民法1046条(遺留分侵害額の請求)1項

02. ×: 最判昭25.04.28 要旨
家督相続開始前、被相続人がその所有に係る一切の動産、不動産を挙げて相続人以外の者に贈与したとしても、これをもってただちに公序良俗に違反する無効の契約とすることはできない

03. ×: 最判昭41.07.14 要旨
遺留分権利者の減殺請求権は形成権であると解すべきである。

04. ×: 最判平08.01.26 要旨
 遺言者の財産全部の包括遺贈に対して遺留分権利者が減殺請求権を行使した場合に遺留分権利者に帰属する権利は、遺産分割の対象となる相続財産としての性質を有しない

05. ○: 最判平10.06.11 要旨1
被相続人の全財産が相続人の一部の者に遺贈された場合において、遺留分減殺請求権を有する相続人が、遺贈の効力を争うことなく、遺産分割協議の申入れをしたときは、特段の事情のない限り、その申入れには遺留分減殺の意思表示が含まれていると解すべきである。

06. ×: 民法1048条(遺留分侵害額請求権の期間の制限)
遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅する。
相続開始の時から10年を経過したときも、同様とする。

07. ×

08. ○: 民法1049条(遺留分の放棄)1項

【参考】
日本の遺留分制度 - Wikipedia

民法 > 相続 > 遺留分(2)

2013-12-12 00:00:00 | 民法(2024年) > 家族法
【問題】
01. 相続人が配偶者のみの場合、配偶者の慰留分はいくらか?

02. 相続人が配偶者および子供3人のみの場合、子供1人あたりの遺留分はいくらか?

03. 被相続人が息子に全財産を相続させる旨の遺言をしていた場合、遺留分は誰がいくらか?
      ×===母
        |
      +-+-+
      |   |
 妻===被相続人 弟
   |
 +-+-+
 |   |
 息子  娘


【解答】
01. 1/2

02. 1/12

03. 妻:1/4、娘1/8

【参考】
日本の遺留分制度 - Wikipedia

民法 > 相続 > 遺留分(1)

2013-12-11 00:00:00 | 民法(2024年) > 家族法
【問題】
01. 被相続人の配偶者は、遺留分権利者に該当する。

02. 被相続人の子は、遺留分権利者に該当する。

03. 被相続人の直系尊属は、遺留分権利者に該当する。

04. 被相続人の兄弟姉妹は、遺留分権利者に該当する。

05. 被相続人の甥姪は、遺留分権利者に該当する。

06. 遺留分権利者の遺留分を侵害する被相続人の遺言は、その限度で当然に無効である。

07. 相続人が被相続人から贈与された金銭を特別受益として遺留分算定の基礎となる財産の価額に加える場合、贈与の時の金額で評価すべきである。

08. 被相続人の死亡前に遺留分を放棄する場合、遺留分権利者は被相続人および他の遺留分権利者にその旨の意思表示を書面で直接しなければならない。

09. 被相続人の死亡前に遺留分を放棄した遺留分権利者は、相続人とならない。

10. 共同相続人の1人が遺留分を放棄した場合、他の共同相続人の遺留分は増加する。

【解答】
01. ○: 民法1042条(遺留分の帰属及びその割合)1項柱書

02. ○: 民法1042条(遺留分の帰属及びその割合)1項柱書

03. ○: 民法1042条(遺留分の帰属及びその割合)1項柱書

04. ×: 民法1042条(遺留分の帰属及びその割合)1項柱書

05. ×: 民法1042条(遺留分の帰属及びその割合)1項柱書

06. ×

07. ×: 最判昭51.03.18 要旨
相続人が被相続人から贈与された金銭をいわゆる特別受益として遺留分算定の基礎となる財産の価額に加える場合には、贈与の時の金額を相続開始の時の貨幣価値に換算した価額をもって評価すべきである。

08. ×: 民法1049条(遺留分の放棄)1項
相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。

09. ×

10. ×: 民法1049条(遺留分の放棄)2項
共同相続人の1人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない

【参考】
日本の遺留分制度 - Wikipedia

民法 > 相続 > 配偶者居住権

2013-12-10 00:00:00 | 民法(2024年) > 家族法
【問題】
01. Aが死亡し、Aの妻B、子Cを共同相続人として相続が開始した。相続財産には、AとBの居住建物がある。Aが遺言で「遺産分割協議の結果にかかわらずBに建物を無償で使用収益させることを認める」としていた場合、原則として、Bは配偶者居住権を取得する。

02. Aが死亡し、Aの妻B、子Cを共同相続人として相続が開始した。相続財産には、AとBの居住建物がある。Aが遺言で「遺産分割協議の結果にかかわらずBに建物を無償で使用収益させることを認める」としていた場合、建物が相続開始時にAとAの兄Dとの共有でも、Bは配偶者居住権を取得する。

03. Aが死亡し、Aの妻B、子Cを共同相続人として相続が開始した。相続財産には、AとBの居住建物がある。遺産分割が家裁に請求されたが、Bが居住建物に従前通り無償で居住し続けることを望む場合、Bは家裁に配偶者居住権の取得を希望する旨を申し出ることができ、居住建物の所有者となる者の不利益を考慮してもなお、Bの生活の維持に特に必要な場合、家裁は審判でBに配偶者居住権を付与できる。

04. 配偶者居住権の存続期間は、原則として、配偶者の終身の間とする。

05. 遺産分割協議で配偶者居住権の存続期間を20年と決定した場合、配偶者居住権は存続期間が満了した時点で消滅する。

06. 配偶者居住権の存続期間中に配偶者が死亡した場合、その相続人は配偶者居住権を相続できる。

07. Aが死亡し、Aの妻B、子Cを共同相続人として相続が開始した。相続財産には、AとBの居住建物がある。遺産分割の結果、Cが建物の所有者と決定したが、Bが配偶者居住権を取得した場合、Bは単独で配偶者居住権を登記できる。

08. 居住建物が第三者に売却された場合、配偶者は配偶者居住権の登記がなくとも第三者に配偶者居住権を対抗できる。

09. 配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得ずに第三者に居住建物を賃貸できる。

10. Aが死亡し、Aの妻B、子Cを共同相続人として相続が開始した。相続財産には、AとBの居住建物がある。遺産分割協議が調わない間、Bが建物に単独・無償で居住し続けている場合、Cは自身の持分権に基づいて、Bに建物の明け渡しおよび居住による使用利益等に係る不当利得の返還を請求できる。

【解答】
01. ○: 民法1028条(配偶者居住権)1項本文1号

02. ×: 民法1028条(配偶者居住権)1項但書
被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合にあっては、この限りでない

03. ○: 民法1029条(審判による配偶者居住権の取得)2号

04. ○: 民法1030条(配偶者居住権の存続期間)本文

05. ○: 民法1030条(配偶者居住権の存続期間)但書、597条(期間満了等による使用貸借の終了)1項準用

06. ×: 民法597条(期間満了等による使用貸借の終了)3項準用
使用貸借は、借主の死亡によって終了する

07. ×: 民法1031条(配偶者居住権の登記等)1項
居住建物の所有者は、配偶者に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負う

08. ×: 民法605条(不動産賃貸借の対抗力)準用
不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。

09. ×: 民法1032条(配偶者による使用及び収益)3項
配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の改築若しくは増築をし、又は第三者に居住建物の使用若しくは収益をさせることができない。

10. ×: 民法1037条(配偶者短期居住権)1項本文
配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に無償で居住していた場合には、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める日までの間、その居住していた建物の所有権を相続又は遺贈により取得した者に対し、居住建物について無償で使用する権利を有する

【参考】
配偶者居住権 - Wikipedia

民法 > 相続 > 遺言 > 方式 > 自筆証書遺言

2013-12-09 04:00:00 | 民法(2024年) > 家族法
【問題】
01. 自筆証書遺言をする場合、証人複数人が立ち会わなければならない。

02. 自筆証書遺言をする場合、原則として、遺言者は全文を自書しなければならない。

03. 自筆証書遺言をする場合、原則として、遺言者は日付を自書しなければならない。

04. 遺言者が日付を「平成25年3月吉日」と自書した自筆証書遺言は、有効である。

05. 自筆証書遺言をする場合、遺言者は氏名を自書しなければならない。

06. カーボン複写の方法で記載された自筆証書遺言は、当然に無効である。

07. 自筆証書遺言をする場合、遺言者は押印しなければならない。

08. 指印がなされた自筆証書遺言は、当然に無効である。

09. 遺言書本文の自署名から離れた箇所に押印がなされた自筆証書遺言は、当然に無効である。

10. 自筆証書遺言に自書によらない相続財産目録を添付する場合、遺言者は目録の毎葉に署名押印しなければならない。

11. 自筆証書遺言の一部削除の効力は、遺言者が削除場所に二重線を引いて押印すれば発生する。

12. 自筆証書遺言の変更の効力は、遺言者が変更場所を指示し、変更内容を付記して署名すれば発生する。

13. 自筆証書遺言の変更の効力は、遺言者が変更場所を指示し、変更内容を付記して押印すれば発生する。

【解答】
01. ×: 公正証書遺言要件

02. ○:民法968条(自筆証書遺言)1項

03. ○:民法968条(自筆証書遺言)1項

04. ×: 最判昭54.05.31 要旨
自筆遺言証書の日付として「昭和四拾壱年七月吉日」と記載された証書は、民法968条1項にいう日付の記載を欠くものとして無効である

05. ○:民法968条(自筆証書遺言)1項

06. ×: 最判平05.10.19 要旨1
カーボン複写の方法によって記載された自筆の遺言は、民法968条1項にいう「自書」の要件に欠けるものではない

07. ○:民法968条(自筆証書遺言)1項

08. ×: 最判平01.02.16 要旨
自筆遺言証書における押印は、指印をもって足りる

09. ×: 最判平06.06.24 要旨
遺言者が、自筆証書遺言をするにつき書簡の形式を採ったため、遺言書本文の自署名下には押印をしなかったが、遺言書であることを意識して、これを入れた封筒の封じ目に押印したものであるなど原判示の事実関係の下においては、右押印により、自筆証書遺言の押印の要件に欠けるところはない

10. ○:民法968条(自筆証書遺言)2項

11. ×: 民法968条(自筆証書遺言)3項
自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

12. ×: 民法968条(自筆証書遺言)3項
自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

13. ×: 民法968条(自筆証書遺言)3項
自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

【参考】
自筆証書遺言 - goo辞書