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小説・草枕の道へ、


山路を登りながら、かう考へた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。
どこへ越しても住みにくいと悟つた時、
詩が生れて、畫(画)が出來る。


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 ご存知、夏目漱石の小説「草枕」の冒頭です。
明治30年、第五高等学校教師として熊本にいた
当時30代の漱石先生、
正月旅行として、友人2人と熊本の市街地から歩いて、
小天(おあま)温泉へ、
山路を登りながら冒頭の名文、
そして、小説「草枕」が誕生しました。

私なら、その山路を登りながら、
どんな考えが浮かぶだろうか?
試したくて、はい、ウォーキングで行ってきました。



 先ずは上熊本からバスで、
『峠の茶屋公園・鳥越の茶屋』へ、(トップの写真です。)
ここからのスタートで、漱石先生より相当楽です。
最初は杉並木、竹林を見ながら歩きました。
(オゾンがいっぱい!)


 この辺りは、金峰山の麓の集落です。


そして、問題の石畳の坂路です。
漱石先生が歩かれた往時の面影が深く残しているそうです。

さて、どんな考えが、浮かぶか? 
先ずは深呼吸して歩き始めたが、朝方の雨で濡れていて歩きにくい。
滑らないように、転ばないように、足元を確認して
(安全呼称?も、)

 只々、ひたすらに、歩くことだけに精一杯、
ふっと思ったのは漱石先生、どんな靴を履いていたのだろう?
明治30年、まさか草鞋じゃないと思うが、
凡人は苦し紛れに、こんなことしか頭に浮かばなかった。


熊本県はみかんの産地。
生産量は全国4位、天水みかん園は日本一だとか。



長い登り坂を登りつめた所が『野出の茶屋跡』です。
「おい」と声を掛けたが返事がない。・・・
(小説・草枕の名場面です。)
 
当時、茶屋はスタート地点の『鳥越の茶屋』と、
この『野出の茶屋』があったそうで、
小説では二つの峠の茶屋を、一つに描写しているのでは、
と思われています。


天草の 後ろに寒き 入日かな  漱石

ここから、天草や島原半島が見える絶好の場所なんですが、
雲、霧に隠れて、・・・ ご覧のとおり。


北側の金峰山は良く見えました。
(すぐ近く、前(横)の山ですから。)


お茶とみかんのお接待を受け、
名物のおにぎり弁当を買って昼食です。


弁当の包装紙には、「新・草枕?」の原稿が、


「野出の茶屋跡」を過ぎれば、後は下り坂、
こんな道も歩きました。
途中、急な下り坂も、そこは、カニの横ばい歩きで、


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小説「草枕」に出てくる「那古井の宿」(前田家別邸)です。
那古井のお嬢さんツナが、
間違って男湯に入ってきたと言う浴場も残っていました。




漱石が宿泊した六畳間の離れです。


 この離れの建物は、ジブリ映画「風立ちぬ」の主人公の家のモデルになっているそうです。(クリックで大きくなります。)



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一応、漱石が歩いた「草枕」の道は、ここが終わりなんですが、
ウォーキングは、
ここから急坂を登りつめた「草枕温泉てんすい」まで、
それは「地獄の坂道?」と言われているそうですが、
極楽の単純アルカリ泉の100%天然温泉(45.5度)が待ってますよ~!

この坂で、又、汗びっしょり!
ゴールの後は、早速、温泉へGo!!
露天風呂から、雲仙普賢岳がバッチリ見えるはずだったんですが、・・・

念願の「草枕のコース」、勿論、初めて歩く場所でした。
急なアップダウン有りの約13Km)、思ってたよりも楽?に歩けました。
もう歳ですが、歩けるうちは、

知らない町を 歩いてみたい」 を続けたいです。


☆.。.:*‥° ☆.。.:*‥°.:*‥°☆.。.:*‥ °☆.。.:*‥°☆*‥*

[おまけ]                            
今年は熊本には数回行きましたが、
初めて見ました「あとぜき」の貼り紙
ドアを開けて入ったら、ちゃんと閉めましょう!!


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