退職女のアメリカ便り

オーストラリアンシェパード、ジュンタのマミーのアメリカ、セントルイス生活

#62: 盗聴と世論調査

2013-07-02 16:40:02 | アメリカ便り
千葉さんのコメントですが、アメリカの盗聴に関する世論ですね。

これに関していろいろの機関が世論調査をしましたが、特に大きな世論調査機関の結果をお知らせします。
6月に2つの機関(ギャロップとピュー研究所)が世論調査をしました。
ピューが6月9-10日にそしてギャロップが6月10-11日に、アメリカ本土に住んでいる18歳以上の1000人あまりを対象に電話でインタービューをしたそうです。
質問は、“国家安全保障局(NSA)がテロリスト防止のために行う電話、インターネット盗聴を認めるか?”と言うことでした。
調査結果によるとこの2つの世論調査まるっきり反対の結果がでたそうで、それ自体が新聞の見出しになったぐらいでした。
ピューの調査では、56%のアメリカ人は電話盗聴賛成で41%が反対だったそうです。
ギャロップの調査では、その反対で53%が反対で37%が賛成だったそうです。 
他の世論調査も軽く見てみましたが、反対が多いのやら賛成が多いのやらで、私には結果がそんなに明白ではなかったですね。

アメリカと言う国は、州によって非常に考えが違います。
保守的な州もあれば革新的な州もある。
移民が多い州があれば少ない州もある。
民主党支持が強い州もあれば共和党支持が強い州もある。
レッドネックが多い州もあればリベラルな州もある。

だから一応ランダムにサンプリングをしているけど、このように均一でない国においては、純粋なランダムサンプリングと言うのはありえないのではないでしょうか。

だから世論調査にこのようなばらつきができると思いますね。
統計には、“ランダムの定義”が一番重要ですから。

ちなみに臨床実験においてもサンプリングと統計が大切です。
サンプリングと言ってどのように実験に参加する患者さんを選択するかが、臨床実験の結果を左右重要な因子です。

でもこれらの世論調査は、テロ行為を阻止する為に盗聴が必要かという質問に対するもので、アメリカの諸外国に対するテロ以外の情報収集の意味での盗聴をどのように考えているかは調査していません。

盗聴に関して言えば、人権に多大な重みをおいているアメリカ人が、半分の人達であっても盗聴を許すと言うことは、アメリカにおいてテロと言うものが大きな脅威となっていることを現わしているのでは。
その脅威はアメリカ人が今まで築きあげてきた自由、人権を失ってもいいと思うほどにも膨れ上がっているように感じます。

ハブグレのマミー