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山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

冬の味覚どんがら汁! けど

2020年02月03日 | 日記とレシピ
 前回の続きというか、寒ダラ料理の本番です。妻から予防線を張られてしまったので、いつものような爆買いはできない。仕方なく近所のスーパーから「寒ダラセット」なるものをチマチマと買ってきた。

これが去年買ったやつ


これが今年買ったやつ

 あ~あ。確かに、切り身はありますよ。アラもありますよ。肝心の「肝(アブラワタ)」もあるし、「白子(キクワタ)」もある。十分鍋になる素材です。でもね、
 あ~あ。作業としては、多分、一部の切り身の骨抜きをすることと、肝やキクワタを一口大に切り分けることだけ。庖丁人の腕がしぼむぜ。
 あ~あ。つまんねえやつだな。なんて言ったら、チコちゃんに叱られますね。よし!
 みんなが喜ぶ美味しい料理に仕上げましょう!と気合いを入れ直して買い物から帰宅すると・・・。やっちまった。

海苔が二袋になった

 家にある食材を確かめずに出掛けたものだから、不要な乾燥海苔まで買ってきてしまった。
 あ~あ。なんだか、どんどん落ち込んでいく感じ。

 これではいかん。立て、立て、立つんだマタギ!
 そうだよ。海苔が増えたんなら、海苔を使った料理をいろいろ試せるってことだ。楽しみが増えたじゃない。しかも、賞味期限は、今年の秋まで。程よい間隔をとりながら遊びましょう。
 「そうだよね。」
 立ち直りの早いマタギは、ついでに、料理で使う大根も倍量に増やして下ごしらえすることにしました。(その結果は、前作参照)
 そして、いよいよ本番開始です。

  ≪どんがら汁≫
 同じ山形でも日本海沿い、庄内地域に伝わる冬の名物料理です

 下ごしらえの部
 ある意味、これが殆ど全てなのかもしれない。
 (今回は、できちゃってるやつなので、かなり簡単)
 ・タラの身は、骨を抜いて一口大に切る
 ・アラは、血合いを洗い流して同じく一口大に
 ※鯛ほど固くはないけど、鮭よりは固いので、基本は峰の固い包丁で関節に刃を入れる
 ・内臓も洗って一口大に切る
 ・大根は太さに応じて、半月切りや銀杏切りにしてアク抜きをしておく
 ・長ネギ(1本)は、斜め切り

 調理・調味料の部
 ・1ℓのお湯にアブラワタと大根を入れる
 ※煮ると極めて良い出汁が出る

第1段階

 ・煮立ったらアラを入れる
 ※アクが出るのですくい取る(出汁補強)
 ・味噌(80g)を溶かし入れる

第3段階

 ・切り身とキクワタを入れてもう一煮立ちしたら長ネギを投入して火を止める
 ※この辺のタイミングは、お好みで
 ・器に盛り付けたら、海苔を散らして出来上がり

美味しそうにできました(いつの間にか豆腐が)

 庖丁人としては、少々不満が残るけど(桂剥きの練習ができたからいいか)、料理人としては、みんな喜んでくれたからよしとしましょう。
 実のところ、苦労が少なかった割に、十分美味しかったので、これから、もう少し楽をしようかな、なんて思いもないわけではないんです。でもね、「それは違う。」という声の方が、心の中ではずっと強いんですよ。大ざっぱに言うと、「いいものに出逢ったら、それを自分の手で再現したい」みたいな感情が湧き起こってしまうんですね、マタギの場合。
 これを人は、「年寄りの冷や水」と言う。今回、妻のかけた温水シャワーは、それなりに効き目があったけど、私の内から湧き上がってくる感情の「冷や水」は、もう少し続きそうな気配。家族の皆さんにも付き合ってもらいましょう、お互いが心地よいレベルになれる妥協点を探しながら。

 チャンチャン