先週、ちょっと覗きに行ったT川の山菜は、まだまだ先。春の芽吹きが、ようやく始まったばかりでした。
その日、帰宅して玄関の『みこさん』(フジの木)を見ると、
花が咲き始まっていたところ
これで納得。『みこさん』もT川の山菜も、ようやく顔を出し始めたということね。
何の話をしているかというと、季節のつながりについて。
峠を越えて、100kmあまり離れたT川なのだが、どういうわけか、我が家の『みこさん』が満開になるころ、T川の山菜も採り頃になるということに気づいたのは、十年以上前のこと。今回、試しに入ったけれど、まだ、採り頃には早かったということに納得させられた。つまり、『みこさん』は、マタギの目を楽しませてくれる春の使者であるとともに、T川の山菜シーズンの到来を知らせてくれる使者でもあるのだ。
そして、本日、いよいよT川の山菜採りに出かけることになった。『みこさん』の様子を観察していたわけではないが、山菜仲間と日程調整をした結果そうなってしまったのだから仕方がない。
今回は、A氏の運転で峠を越える。道路上はもちろんだが、道路わきの積雪も随分少なくなった感じ。
T川に着いて歩き始める。河川敷を眺めても、ずいぶん春が進んでいるのが分かる。
「T氏は、都合つかなくて、昨日入ったんだと。車止めのそばだけでも十分コゴミ採れるって言ってた。」
「そうか。でも、奥の広場までは行って、そこから様子見ながら戻ってきたいと思うんだけど。」
「うん。そうしよう。」
車止めから進んでいくと、
コゴミが開いてます
先週と、様子が全然違う。
すっかり春
次々と花が咲き始め
あっという間に春爛漫の世界。
二人で示し合わせた『広場』は、コゴミの名産地。
なかなかいい感じじゃないの!
まあ、『畑』と言い換えてもいいでしょう
「向こう岸、渡る?」
「行ってみようか。」
以前、少し触れたが、この川は、水量が多く、水勢も半端でないので、渡渉には、細心の注意が必要になる。なめてかかると、命にかかわるのだ。そんでもって、本日は、雪代が入っているので要警戒。でも、そんな川だからこそ、対岸には魅力がいっぱいなのだ。だって、誰も入っていないんだから。
「上流に良さそうな場所あったから、そっちから渡ろう。」
途中で見つけていた渡渉点まで引き返して対岸へ。
天国でした(*^▽^*)
最高級コゴミが採り放題。
「これから出るやつもすごいね。」
まだまだ出ますよ
確かにその通りだと思うが、既に、相当量採っている。目の前の新芽が採り頃になるのは、2日後?しかし、また来る気にはならない。これで、満足だ。
「いつもの斜面に行ってみっぺ。」
「ウド出てるかな?」
ここからは、復路だ。途中で、これから採りに行くのだろう二人連れとすれ違い、あいさつを交わしあう。情報交換は、なし。なんとなく気合が入っているのが分かる。
「長靴だったね。」
「リュック背負ってなかったね。」
「んだと、向こう岸には渡れないな。」
「それでも、十分とれるんじゃないかな。」
我々も、最近は、少々、節度のある採り方をするようになってきたから、彼らもそれなりに収穫することが出来るはずだ。
さて、それはそれとして、斜面の様子が気になる。今回目指すのは、前回上った斜面とは異なる場所で、とにかく豊かなのだ。
クワダイにゼンマイ
さすがに、クワダイは高品質。欲張り過ぎないように戴きます。それから、
何やらゆかし・・・
イタドリなんだけど、あまりにも美味しそうに見えたので連れ帰ることにしました。夏場になると、この中にイタドリ虫が巣くうので、それを使って渓流魚を釣るために取ったことはあるんですけど、食べるために採るのは初めてです。それから、
出始めのミズと
フキノトウの茎も戴いていきたいと思います。
「あわよくば」と考えていたウドには、まだ早かったみたい。それでも、十分ですね。帰りましょう。
渓に日が差し込み始めた
例年よりも、かなり雪の量は少ないようです。
T川の山の神様、ありがとうございました。
さて、A氏の運転で帰宅すると、
「あれ?満開だね。」
「うん。間もなく満開だ。」
もうすぐ満開の『みこさん』
『みこさん』が二人を出迎えてくれました。
確認することなく出かけたT川だったけど、やっぱり我が家の『みこさん』と遥かなるT川とはつながっているようです。こういうのをなんて言うのかな?指標生物とは、ちょっと違う。観天望気でもない。まあ、とりあえず観藤望気(かんとうぼうき)と名付けることにしましょう。『みこさん』これからもよろしくお願いしますね。
こういう自然界のつながりにも心を通わせながら、楽しみを深めていきたいものです。