むか~し、あったっけど。
山さ出かけたマタギ、山の神様に会ったっけど。
神様、言ったっけど。
「いっぱいの山菜と、ちょぺっとの山菜と、どっちがいい?」
マタギ、思った通りに答えだっけど。
「いっぱいの山菜!」
神様、言ったっけど。
「んだら、持ってげ。んだげど、無理すんなよ。身の丈超えっど、いいごどねえがらな。」
「わがた!」
マタギ、喜んで山さ入ったっけど。
ほしたら、山菜の出でること出でること、いぐら採っても採りたでなんねっけど。すぐにマタギのハケゴはいっぱいになってしまったものだから、リュックさ移したんだっけど。ところが、間もなくすると、リュックも一杯になってしまった。山菜は、まだまだ出っだっけど。 どうする?マタギ!
その時、マタギ、神様との約束思い出したっけど。
・・・無理すんな!
「んだ(そうだ)。これでいい。」
これ以上の収穫は、自分の首を絞める。それは、谷底さ落ちっか、家庭崩壊を招くかだ、ということに気づいたマタギは、ほどほどの山菜を持って家さ帰ったっけど。
どんびんそうすけそうざぶろう、チャンチャン。
・・・そうして、帰宅したマタギは、収穫物を広げてみた。
あれ? ちょっと多過ぎね?
ちょっと多かったかな。まあ、ギリギリの線でしょう。これ以上だったら、せっかくの収穫の喜びが、悲しみに変わってしまうところだった。神様の言いつけを思い出してよかった。
とは言っても、このままでは、事態が悪化するばかりだ。元気の残っている限り行動するしかない。
今回は、簡単な方から調理を進めていくことにしましょう。
先ずは、小ミズをおひたしにします。小さいけれど、
確かに、赤ミズです
汚れを落としてから、3分間茹でてみました。
色が変わるのは同じだが
「小ミズなら、皮を剥かなくてもいい(ぐらい柔らかい)」という情報があったので、冷水にさらしたら、そのままおひたしにしました。
一丁上がり
外見は、アイコのおひたしに近い雰囲気ですね。続いてクワダイなんですけど、
食べ頃に育ったクワダイ達
結構太かったので、沸騰から4分コース(前回は3分)で茹でてみると、
まあ、いい感じではあるんですが
前回よりもちょっと茹で時間を伸ばしただけで、かなり柔らかくなってしまった感じ。
食べては、すごく美味しいんですけど、この茹で時間だと日持ちしないかも。長期間楽しみたいのなら、茹で時間を短縮するか、こまめに採りに出かけて、その都度調理するかでしょうかね(マタギとしては、後者の方が推し)。
さあ、ここまでは、即戦力のおひたし作り。ここからは、ちょっとずつゴール地点の異なる調理になります。次のコゴミちゃんは、下ごしらえをしたら茹でて(ここまでが大変)、
・1%の食塩をまぶして真空パック
・これを冷凍保存します
400g×5パック出来て冷凍に回します。まだ結構あるし前回の作品も残っているんだけど、やっぱり採りたての香りを楽しみたいので、一部をおひたしに回します。それでも残った分は、親戚縁者に送りましょう。
フキノトウとイタドリとは、本日中の仕上げは難しそうなので、今回は割愛させていただきます。
本日の夕食に添えたおひたし
コゴミとミズとクワダイです。それぞれが美味しいのですが、印象としては、ミズは、やっぱり皮を剥いてから食べた方が、より美味しくなるんじゃないかな、という感じ。また、クワダイは、時間をかけて茹でた分だけ美味しいんだけど、デリケートな仕上がりなので早めに食べ切った方が良いでしょう。更に、コゴミは、前回の残りの消費を優先させて使ってみましたが、やっぱり、食べるなら早いほど香り高い印象。
考えてみると、こんな感想は、年がら年中食べていないと出せないものかも。
これは、欲張りマタギの願いに応えて下さっている山の神様のおかげですよね。
本当にありがたいことです。
さて、ようやくここまで辿り着いたけれど、まだまだ手つかずの山菜が残っています。正直なところ、マタギは、ここまでで限界。本日は、もう休みます。
・・・明日に持ち越した山菜料理だけど、今度は、ヤマノカミ様に助けを求めようかな。
微笑んでくれると嬉しいんだけど(しっかり微笑んでもらえました)。
うちのヤマノカミは、マタギと違って、舌切り婆さんではないようです。続きは、また明日。
チャンチャン