秋刀魚が届いてから2日目の夜。ここまで10匹戴いて堪能させていただいた。残る10匹について、今後、刺身という使い道は、もうないだろう。
だとすると、焼くか煮るかでしょうな。
冷凍や干物にして保存という手もなくはないだろうけれど、この数だったら、全て食べ切る道を選びたい気がするのだ。
塩焼きに関しては、ここまでは、超新鮮だったので丸焼きを楽しませてもらったけど、明日以降は、ワタを抜いての塩焼きですね。
それから、定番の甘露煮を食べたい。こちらの方は、保存食だから今すぐに作っても日持ちするし、新鮮なうちに作っておいた方が美味しく戴けそうな気がする。
それに、明日以降の仕事とボランティアとキノコ料理のスケジュールを考えると、今やっておかないと、大変なことになりそうなことに気が付いた。
早速、始めます。
下ごしらえ・調理の部
この料理、毎年作っているとは言っても、去年と同じ作り方でいいわけではない。去年作って食べてみて、気になる点が全くないわけではないのだ。その辺を意識しながら調理してみた。
まだまだ『いい顔』の5匹を使いました
・頭と尻尾を落として、5個ずつに筒切り
・まず、酢水を使って茹でました
・酢50mlに水を足して、ひたひたに
・沸騰させてから、身を掬い取って、酢水は捨てます
※アク抜きと臭み消し(骨が柔らかくなるかは分かりません。でも、圧力鍋を使うから問題なし)
※去年までは、酢が入ったまま煮詰めていたんだけど、それだと、完成後の酸味がちょっと気になっていた
早い段階で『酢を使うことの目的』を達成してしまい、より自然な秋刀魚の風味を楽しめないかと考えたんです。
・出来るだけ身や皮を崩さないように、汁と分けて
調味料と合流させます
・酒醤油みりん砂糖各50mlに水1カップを加えて、ショウガを2枚分に入れました
・圧力をかけて10分
ピンが下がって蓋を開けると
いい香りです。いつものような鼻を刺す酢の香りがありません。あとは、心して仕上げますよ!
・中火から弱火へと火力を落としながら煮詰めていきます
※時々揺するけど、箸は一切入れませんでした
・煮詰め時間15分ぐらい
完成です!
今までも美味しかったんだけど、食べてみると、1ランクレベルアップしたのが分かります。
理由は、酢の香りが退いた分だけ秋刀魚本来の風味が前面に出てきたからだと思います。
なんだか、すごく嬉しいです。
それは、これまでの自分のやり方を過信せずに、調べたり工夫したりした結果だからね。
このことがすなわち、石巻の叔父様・叔母様の好意に少しでも報いることができたこと。そして、これだけ貴重になってしまった北の海の幸を、より美味しく戴けたことに対する喜びと言い換えることができるかもしれません。
ありがたいことです。
暫くの間、マタギ家では、この料理を楽しませていただきたいと思います。