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今回の山業は、結構厳しい天候の中での活動になった。暴風は吹くわ、雨は降り続くわの悪天候。ただ、この天気の『荒れ』がいつ訪れるかで、行動に違いが出るんですよ。
目的地に着いたときにこの天候だったら、車から外に出る気が失せて、即時撤退もあり。だけど、山を歩き続けて収穫が始まってからだと、全然気にならないんですよ。
今回は、後者の状況だったので、山遊びを堪能してから車に戻りました。本人達は、そんなに苦労したという感覚はないんだけど、他人が見たら、
「よくもまあ、こんな悪天候の中を・・・。」
と言われそうな山業なのでした。『鹿を追う猟師山を見ず』に近い状況かな。でも、言い訳をすると、『山は見なくても、空と川は見た』から大丈夫だったはずです。
そんで、収穫物はというと、
ワサビが3本と
ブナハリタケが少々と
雀の涙ほどのナメコとモダシ(ナラタケ)
あ~あ、これは苦労に見合わない収穫ですね。
ワサビの根っこが、この時期美味しくなることが分かったので、これは良し。ただ、キノコがねえ。
たったこれだけなら、一緒に使ってキノコ汁かなと考えていたところに妻が来て言う。
「あら、ブナカノコ(ブナハリタケの別名)!すごい!!久しぶり!!!」
え?そうだっけ??
言われてみれば、去年は全く収穫していないかも。一昨年は、収穫した記憶があるんだけど。まあ、久しぶりであることは間違いない。(ちなみに、妻が口にした『ブナカノコ』は漢字を当てると、『山毛欅鹿の子』になるはずです。木に生えている様子が、まさに『鹿の子模様』なので、この名が付いたと思われます。概観すると『鹿の子』で、詳しく見ると『針茸』。キノコの名前って面白いです。)
「牛肉あるわよ!」
ああ、そういうことね。では、久しぶりに作ってみますか。
≪ブナハリタケと牛肉のしぐれ煮≫
実のところ、このキノコ、見た目は白くて清らかなんだけど、香りが強くて、他のキノコ達を圧倒してしまう個性の持ち主なんです。だから、ナメコやモダシと一緒に調理するのは、少々気が退けていたところだったんです。
そうだよね。君については、君の個性を味わう料理にして楽しませてもらいましょう。早速始めます。
下ごしらえ・調理の部
・キノコは、軽く洗って汚れを落としたら、30分ぐらい塩水に浸けて虫出し。
・洗って取れない汚れは、削いだり切ったりして落とします。
・牛肉薄切り200g強を食べやすい大きさに切ります
・糸コンを食べやすい長さに切ったら
・湯がいてざるに移し、冷水で冷まします
・ショウガの薄切り3枚分ぐらいを千切りにして
これが、今回の材料
・酒醤油みりん各50mlに、砂糖大さじ2で味付けします
・薄く油を敷いた中華鍋で糸コンを炒めて
・牛肉とブナハリタケを加えて火を通します
・牛肉の色が変わったら砂糖を加えて和えました
※ブナハリタケから水分が出るので、煮る感じになります
・ここに残りの調味料を入れて、中火で煮詰めていきます
6分後。もう一息
・水分があらかた飛んだら、焦げ付く前に消火
出来上がり!
これは、旨いっす。このブナハリタケというキノコ、用途は幅広いんですけど、牛肉との相性が非常に良いのです。香りはもちろんのこと、味と食感が秀逸です。おかずとしても常備菜としても、文句なく喜ばれます。
本日の夕食にも加えました
やっぱり、すごく美味しいです。去年、なんで持ち帰らなかったのかと考えたんだけど、このキノコに出会っても、ちょっと早すぎたり、ちょっと遅かったり、ちょっと手が届かなかったりしたことを思い出してきました。
これは、反省点ですね。贅沢を言ったり、怠けたりしないで連れて帰るべきキノコです。
去年はゴメンなさいね。今年は、選り好みせずに戴くことにします。
では、次回、また山で会いましょう!!
山の神様、こんなマタギですが、よろしくお願いいたします。
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