そもそも、これが何だか分かるだろうか。
謎の食材?
この年末に送られてきた『石巻からの挑戦状』の中の一つである。
これは、知る人ぞ知るクジラの皮なんです。
山形県では、ある年代から上の人間には、非常になじみのある食材です。
昔は、これを塩漬けにして保存し、夏場の活力源として利用していたものです。
ただ、マタギにもよく分からないのだけれど、多分、捕獲制限などのために店頭に並ぶことが滅多になくなっていました。
それが、今回は、久しぶりに届けられたんです。
マタギと妻は、これを見た途端に料理が決まりました。
「これは、イルカ汁でしょう!」
「絶対ね!」
多分、山形県民だったら、みんなそう思うであろう椀物です。
そのぐらい馴染んできたし、美味しさも分かっている。
ちなみに、イルカ汁と言う名前は、誤解を招きやすいんですけど、イルカ料理ではありません。あくまでも、クジラの皮の料理にこの名前がついてしまっただけです。
で、このクジラの皮、かなり脂っこくて扱いが簡単ではないんです。
その辺も含めて、今回の料理の記録を残しておきたいと思います。
下ごしらえ・調理の部
クジラの皮にお供するのは根菜類です。
・ジャガイモ2個、タマネギ1個、ニンジン2/3本
※ジャガイモは、煮崩れしにくいトウヤを使いました
・ジャガイモは一口大の乱切り、ニンジンは薄めの半月、タマネギは厚めの櫛切りに
・クジラの皮は冷凍保存しておき、調理の時に半解凍しました
※温度が高いと、ヌルヌルして扱いにくいんです
・クジラの皮を切ります
・まずは、幅1cmぐらいの拍子木に切ってから
・厚さ3mmぐらいの短冊に切り分けます
※半解凍だと、ここが楽ちんになります
・熱湯で湯がいたら下ごしらえ完了
※今回は『生』だったので1回で終わりですが、『塩漬け』の場合、もう少し手間がかかります
・ニンジンとジャガイモを水(1ℓ)から茹でて沸騰10分
・タマネギ全部とクジラの1/3を入れて火が通ったら
・みそ汁よりもちょっと薄めの味噌を溶かして塩で味を調整、残りのクジラも入れます
はい、出来ましたよ!
これが旨いんだわ。
クジラの皮から溶け出す油が、独特の食味と香りを出してくれるんです。
しかも、あったまる。
やっぱりイルカ汁は旨い! そして、懐かしい!
石巻の叔父様叔母様、今回も素敵な食材をありがとうございました。
よいお年をお迎えください。
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