山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

おすきなせきへ(さんぽうた27)

2020年09月25日 | いきもの

 おすきなせきへ  じょろうぐも えみ

いらっしゃいませ
おすきなせきへ どうぞ

せんきゃくがいるって?
ああ
あれはぬけがらですのよ

どこにいったのかって?
もちろん
わたしのおなかのなか
というのはじょうだんで
おてあらいかしらね
なかなかかえってきませんわ

そんなことは
きになさらずに
なににします?

おすすめめにゅーですか?
そりゃあ
なんてったって
おさしみ
ちのしたたるような
すてーきもおすすめ
ちょっとひをおいた
ひものもいけますわよ

えっ またくるですって?
それはむり
だって あなたはもう
てーぶるにのってますのよ



黄色と黒そしてちょっと緑


このお方も独特の美貌をお持ちです


軒下にもいます


職場にもいます



 季節の移り変わりに伴い、目につく小動物達も変わってきました。秋のこの時期、とてもよく目に入ってくるのがこのお方です。うちの場合、池の傍で外灯の近くにあるえみさんのお店が一等地みたいで、観察していると、常にお客さんに恵まれているようです。
 人間の出すお店も、せっかくいいお店なのに、場所が悪くてお客さんが来ないなんてことがよくあるみたいです。だけど、えみさん達は、上手に場所を見つけて店を出してますね。だから、順調に商売が繁盛しているようです。
 蜘蛛というと、どうしても妖怪じみたよくないイメージを持ってしまうんですけど、もう暫く優しい目で観察を続けていきたいと思います。
 ・・・他の虫たちには迷惑かもしれないけどね。


茸採り場にて地球を憂う

2020年09月24日 | キノコ採り
 猛暑も収まり、ようやく秋を実感できるようになってきた。冷え込みも少しずつ始まってきたので、この刺激に反応して秋キノコも、もうすぐ出始める。これが現状。スタートラインに立ったばかりで、気候的には、まだまだ早いことは分かっている。
 だけど、もう9月の下旬ですよ。例年ならこの時期には、マイタケをはじめとした様々なキノコの収穫を楽しんでいたのだから、もう行くべきだ。暦はマタギを山に誘う
 まだ早い。分かっているんだけど、堪えきれなくなりキノコの様子見に出掛けてみました。
 本日は、ダメもとで新しい尾根に挑戦してみましょう。マイタケ山には沢山の小沢が流れていて、それぞれの沢の間が全て尾根になっている(当たり前か)。今回は、その中でも北東寄りの尾根にチャレンジ。

何百歳だろう?


枝が折れた跡(見事な造形です)

汗だくになって急斜面を登っていくと、それは見事なミズナラの巨木。一礼して周囲を探し回る。急斜面なので結構大変ですが、マイタケというキノコは、木の上に出ていたり下に出ていたり木のうろに出ていたりと、出方が様々なので、見落とさないように、そして、自分自身が落下しないように気を配りながら探します。
 残念。次の木を目指して斜面を登ります。おっ、何か出てるよ!

手遅れでした

これは、『マタケ』。『マタケ』ではありません。もう少し若いと喜んで戴くんですが、これは料理に不向き。
 おや?またまた発見!でも、ミズナラじゃなくて、ブナの根元ですね。

結構大きい株です

ブナの神様に来年の収穫を祈願

 トビタケです。この木を取り囲むように、沢山出ていました。少々老けているとは言っても、9月の下旬ですよ!例年の暦で考えると、ほぼ1ヶ月遅れです。
 このレベルだと、採る人は採るのでしょうが、少し固いので調理に工夫がいりますね。マタギはというと、8月だったら採ったでしょうけど、今は採りません。だって、もう、1年分保存してあるんだから。
 この場所だけを忘れないように周辺の様子を記録して山を下りましょう。
 結局、予想通り、マイタケには、まだ早い感じです。
 しかし、この時期にトビタケか。真夏のキノコですよ、これは。
 今年、ここまでの気候を俯瞰してみると、やたら早く始まった春(雪消え、山菜と回遊魚)、そして、長引く夏、更に途中に豪雨と猛暑。普通じゃありません。
 コロナも地球規模の大問題だけど、この気候の異常も、それに勝るとも劣らぬ大問題に・・・ならないでほしいなあ。

俺とお前はシシトウとしらす??

2020年09月23日 | 日記とレシピ
 お向かいさんから戴いたシシトウが危うくなってきた。冷蔵庫に保存してあるのだが、やっぱり、いつまでも保つはずはない。

 では、調理して、更に日持ち良くさせてあげましょう!

 この辺が、今回の料理のコンセプトである。それなのに、何を血迷ったのか、スーパーで『しらす干』なんてものを買ってきてしまった。
 「・・・だって、安かったし、美味しそうだし、シシトウに合いそうだと思ったんだもの。」(と鉄砲玉マタギ)。
 「あ~あ。これを日持ちの良い常備菜に仕上げるのか。」(と冷静マタギ)。

 自分で墓穴を掘って、自分で埋める。何とも無駄の多い人間だが、どちらも自分だ。仕方ないです。はい。

 ポクポクポクポク チ~ン

  ≪シシトウとしらすの炒め煮≫少し日持ちするバージョン

 下ごしらえ・調理の部
 ・シシトウは縦に割って、へたと種をとり、1㎝幅に半月切り

大小10本ぐらいありました


「しらす干」は130gだそうです(日持ち悪そう)

 ・中華鍋にゴマ油を気持ち多めにしき、シシトウ、しらすの順で強火で炒めました
 ・酒大さじ3を回し入れて、そのまま蓋をしてしまいます

こんな感じ

 ・3分ほど蒸し焼きにします
 ※これで、焦がさずに素材全体に熱が通ると思うんです
 ※そして、後日、腐敗してしまうリスクを減らせると思うのね
 ・蓋を開けたら、醤油大さじ2とみりん大さじ3を加え、水分が出来るだけ飛ぶように炒め続けます
 ※水分を飛ばすという作業も重要なんですが、加減は難しい(焦げ付かないように)

大体、こんな感じ

 ・鰹節1パックと煎り胡麻大さじ2ぐらいを加えて和えて出来上がり

好評でした

 結論は、シシトウとしらすの相性は抜群だということぐらいかな。
 「日持ちのする常備菜」としては、まだまだの出来かもしれません。だけど、このチャレンジが大事なのだと自分に言い訳。
 世の中には、もっともっといろんな知恵や技があるはずです。そういうものを見つけて、自分のアイディアと組み合わせて試していくのって、すごく楽しそうだと感じてます。

 「おい、鉄砲玉のマタギ。また、面白そうな物、持って来いよ。俺が美味しく料理してやる。」
 「分かってるって。お前がいるから、俺は何でも持ってくるのさ。でも、それが楽しみなんだろ?おまえは」
 「ははは。お互い、”俺とお前” でよかったな!」
 「相性抜群!俺達、シシトウとしらすだ!」
 「どっちがどっちだい?」
 「そんなもの、どっちでもいいって。」
 「そうはいかねえ!と言わずにお前を見習うか。どっちも大好きってことだね!!」
 「そういうこと!合わさりゃもっと旨え!!」

      ーというマタギの独り言ー

  To be continued!

むかし をとこありけり(さんぽうた26)

2020年09月22日 | いきもの

  むかし、をとこありけり

 はなとちょう   きあげはのをとこ にらのをんな

おや?
かぐわしいかぜが・・・

このようなところに
かくも
こうきなかおりをただよわせるのは
だれだろう

おお!
なんとひんのよいすがた
そうして
あいらしい

しつれいとはぞんじますが
みつをわけてくださるまいか

こんなわたくしで
よろしいのですか?


もちろんでございます
このようにこころひかれるかおり
はずかしながら
うまれてはじめてであいました

わたくしこそ
そのようにいわれたのは
はじめてでございます
なにかのおまちがいでは?


まちがいございません
だれがなんといおうと
あなたのみつをいただきたいのです

そこまでおっしゃるなら
どうぞおめしあがりください


 それからというもの、きあげはのをとこと、にらのをんなは、とても仲良くなったそうです。
 今でも、ニラ穂が花をつけると、どこからともなくキアゲハが「通ひ来て」、蜜を吸う姿を見ることが出来ると思いますよ。

ニラが花を咲かせると


キアゲハがやってきます


普通なら逃げていくんだけど


このときばかりは無我夢中で撮影OKだって



 普段は警戒心の強い『きあげはのをとこ』なんですが、ニラが花を咲かせると、そこから離れようとしません。
 よほど美味しいんでしょうね。(ちなみに、マタギもニラホ大好き!)
 ニラの花期は、8~9月だそうです。ゆく夏を惜しむ恋みたいです。
 ・・・どうもチョウチョのうたは、恋のうたが多いみたい。


秋の山形には芋煮会!

2020年09月21日 | 日記とレシピ
 秋の連休を利用して息子が帰省するそうだ。半年ぶりだ。コロナ禍の最中とは言え、半年間帰らないできたということは、現在の生活が充実している証しでしょうな。いいことだ。
 さて、せっかく帰ってくるんだから、旨いものを食べさせなくては。何がいいかな?

 ポクポクポクポク チ~ン

  ≪山形の秋の風物詩 芋煮汁≫

 何やら、3日半ぐらい居るらしいが、その中で、これだけは1度は食べさせなきゃならぬ。山形県民のソウルフードだ。
 本来ならば、河原に鍋や食材を持ち込んで、秋空のもとで楽しむ行事なのだが、このところは家の中での芋煮会が続いている。これは、仕方がないかな?それでもやっぱり秋が来たら、この味だけは欠かすことが出来ない。
 早速、食材の準備に取りかかる。

 材料の部
 ・里芋、適量(1㎏ぐらいありました)
 ・牛肉薄切り300gぐらい
 ・こんにゃく1枚
 ・解凍マイタケ100gぐらい
 ・長ネギ2本
 ※水6カップに対して、醤油、酒大さじ6、砂糖大さじ3で味を調える予定

 下ごしらえの部
 ・里芋は軽く洗って泥を落とし、ヒタヒタの水から茹でる

こんな感じでスタート

 ※沸騰後10~15分ぐらいで冷水に移す
 ・表面が冷めたら皮を割るような気持ちで両手で広げる

火が通ると気持ちよく剥けます


今回は、イモに痛みがあって剥きづらかった

 ・こんにゃくは手でちぎって、ひと茹で
 ・冷凍マイタケは湯煎で解凍しておきます
 ・牛肉は食べやすい大きさに切り分けておく

里芋とネギは食べやすい大きさに切る


 調理の部
 ・水カップ6に顆粒出汁と里芋を入れて、茹でる
 ・沸騰したらこんにゃくと調味料の2/3を入れて茹で続けます

始めは沈んでいた具材が


火が通ると浮いてきます


牛肉とマイタケを加えて一煮立ち

 ・食べる直前に、斜め切りのネギを入れ、残りの調味料で味を調えて出来上がり

 やっぱりこれは、山形県民のソウルフードですよ。これを食べただけで、山形の秋の風景が浮かんできます。
 いやあ、美味しかった!
 盛りつけた後、夢中になって食べてしまい写真撮るのを忘れてしまった。気付いたのは、すっかり食べ終わった後でした。
 悪しからず。

これは翌朝食べた前夜の残りです


 ちなみに、今回紹介した芋煮汁のレシピは、主に山形県内陸部のもの。海沿いの地域では、具材や味付けもガラリと変わります。県外の方で味わうチャンスがおありなら、食べ比べてみるのもよいかも。