山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

また一歩季節が進んだ

2021年04月15日 | 山菜採り
 前回の山菜採りから8日空けて、また出掛けてみた。ただ、今回は天気予報で「未明まで雨」と言っているので出発と集合時刻を1時間遅らせる。
 目的地に到着した頃、ちょうど雨があがったので気持ちよく山に入ることができた。


雨に濡れたタラの芽     

 タラの芽が美味しそう。本日は私も戴いて帰ります。


 ワサビは最盛期と言っていいでしょう。こちらも少々戴きます。多分、今シーズンのワサビ採りは最後かな。
「そのセリフ、何度聞いたことか。」
と言われる。確かに、いい奴に出会うと、つい手が出てしまうんだよなあ。これが欲タガリの本性というものか。


今年最後のワサビ(の予定)     



増水の川でお洗濯     



こちらのお方は今日もフキノトウ(旨いもんね)     

 そうして、本日の本命は、


コゴミです     

 山菜の場合、大抵は、先に細い小さいやつが顔を出します。その後、少し間をあけて太い食べごたえのあるやつが伸びはじめるんですね。当地のコゴミも本番を迎えたようです。ただ、今回のコゴミは、一部に異変が起きていました。


しおれています     

 これは、3日前の霜にあたってしまった結果。伸びる前だと持ちこたえられるんだけど、伸びてから霜が降りると残念ながら為す術がありません。そのせいか、コゴミの場合、同じ株の中でも早めに伸びる茎と遅れて顔を出す茎とがあるようです。写真のコゴミでも、緑色をした茎があります。こうやって自然の脅威から身を守っているんですね。感心感心。
 コゴミを少々戴いたら、もう一つのターゲットへ、


シドケ     

 正式名称は、モミジガサ。モミジのような葉っぱの傘を差しているようだからついた名前でしょうね。ようやく採っても大丈夫な大きさに育ってくれていました。こいつが、たまらなく美味しいんだよなあ。採りながら夕食の想像をしてしまう。よだれが出そう。
 予報と少し違って、また雨が少々降ってきたけれど、全然気になりません。
「また来週な。」
「おう。次はT川か。」
「OK!」
また一歩進んだ春の喜びをかみしめ、次の一歩を想像しながら帰路につきます。

 ああ~、楽しかった!

 山の神様、今日もありがとうございました。



おがわのはる(さんぽうた70)

2021年04月14日 | いきもの

  おがわのはる  おがわ つむぐ


たっぷんとっぷん
さらさらさらら

たっぷんとっぷん
さらさらさらら

そらが あおいね

ちかちかきらきら
さらさらさらら

ちかちかきらきら
さらさらさらら

ひざしが まぶしいね

たっぷんとっぷん
さらさらさらら

どての おはなも
さきだした

よどみの さかな
かおをだせ

おまえのすきな
きせつだぞ

たっぷんとっぷん
さらさらさらら

ちかちかきらきら
さらさらさらら




      散歩道を流れる小川


      少し前の様子
 緑の濃さが違います。いつの間にか季節が進んでいたんですね。


      花盛りの土手を縫って流れる


      本当に気持ちがよい
 この小川では雪代水もおさまり、流れにも穏やかさと暖かみとが感じられるようになってきました。周囲の景色も生き生きと輝きだし、散歩する足取りも軽くなります。
 釣り師マタギの経験によると、冬の間、淵や淀みで身を休めていた川魚たちが、上流から流れ落ちる餌を求めて瀬に顔を出し始めるのもこの頃です。
 春の日差しが、水や空気を暖める。それを感じ取った昆虫や植物が目覚めて活動を始める。更に、それを餌として命を繋いでいる動物たちも動き出す。・・・春は、目覚めの季節であるとともに、生き物のつながりをひしひしと感じさせられる季節でもあります。

 万物が健やかに命を謳歌できますように。


山葵根から駒

2021年04月13日 | 日記とレシピ
 収穫してきた山菜は、ほぼ順調に調理して保存したり配ったりできている。おかげさまで、毎日の食卓が春の味と香りに満たされているし、周囲からも喜ばれているのだ。
 しかし、ここに登場している『ほぼ』という言葉には、完璧ではないという意味も含まれています。
 そのうちの一つが『味』。料理の度に上手くいったりいかなかったりする。これは、素人の作り手にとって、永遠につきまとう課題なので仕方がないですね。
 もう一つが『量』。多すぎたり少なすぎたり、余らせたり足りなかったりすること。これも、自然相手、しかも『欲タガリ』の収穫では、よくある問題です。それでも、今シーズンは、結構、程よい量を持ち帰っているので、それほど大きな破綻は生じていない。なかなかよい流れできてると思うんですよ。
 ただね、現時点で収穫に対する消費が追いつかない山菜が一つ。その名は、根山葵(ワサビ)なのであります。理由はいろいろあるんだけど、言い訳しても仕方がない。とにかく、折角の美味しい山菜。美味しく戴きましょう。で、スタートは、

  ≪根ワサビを活かした料理≫

 最終的には下のようになりました。


     本日の献立
 ワサビを活かそうと考えると、こうなってしまうんです。まあ旨いからいいんだけど、さすがに四六時中やってるわけにはいきまへんがな。・・・そんなわけで消費が遅れてしまうんだよなあ。
 で、今回の料理の顛末と、派生したレシピを記録しておきます。


     ワサビを楽しむために買ってきた食材(ホントは釣りたかった)
 刺身にします。


     イカを縦長に千切り


     イカ素麺


     他は普通にお刺身
 そして、必ず余るのが


     エンペラとゲソ
 いつもだとイカサラダにするんだけど、たまには違う料理にしてみましょう。

     ≪イカのマリネ≫

 ・上の写真は、サッと茹でたところ
 ※これを食べやすい大きさに切り分けます


 ・タマネギ1/4個を薄い銀杏切りにして、暫く水にさらします


 ・冷蔵庫に残ってたニンジン(1/4本ぐらい)を千切りにして、軽く湯がきました
 ※こちらも水にさらします


 ・野菜類の水をしっかりと切ってイカに合流
 ・オリーブオイルと酢と砂糖各大さじ1、塩ひとつまみほどを加えてよく混ぜます
 ・冷蔵庫でしばらく馴染ませていただきました


     これは、なかなか旨い!
 余ったイカゲソを、ネットで見つけたレシピで調理(一応マタギ流にアレンジ)してみたんだけど、イカサラダと比べると極めて簡単。しかも美味しいんだから、すごく儲かった気分ですがな。
 こういうのを「瓢箪から駒」って言うの?ワサビを活かす予定で買った食材が、別の意味で食卓を明るくしてくれました。我が家の台所と食卓にとって、『量』の面でも『味』の面でも貢献してくれる料理になりました。

 なにはともあれ、ありがたやありがたや。やっぱり、面倒がらずにチャレンジしてみることが大事ですね。

 それでは、感謝を込めて、いただきます!

いまよ!(さんぽうた69)

2021年04月12日 | いきもの

  いまよ!   さくらざか はるな

さみしさを
うちにひめ

ひかえめに
ほころびぬ

ひとがみな
こころよせ

そのひとみ
むけるとき

はるかぜに
さそわれて

ひといきに
はなひらく

いまよ!

みんな、みにきて!

わたしが
いちばんうつくしい

いま!


ひとびとの
あつきおもいに

ことし また
こたえるよろこび



 今朝、目覚めとともに部屋のブラインドを開けると、本日の好天を約束してくれるような山の端の薄明。
 アメダスを開くと、現在マイナス0.3℃だと。「ちょっと山遊びに行こうかな。」なんて思っていたんだけど、霜が降りてることは確実。今日は、諦めましょう。
 そこで思いついたのが『花見』。運動不足解消を兼ねて、近所にある桜の名所に、また出かけてみることにしました。


     お堀の桜に日が当たり始める


     大手門の物見櫓(?)にも日が差す
 密を避けたいので、寒いのは承知の上で日の出時刻に合わせて出掛けてみた。


     日が当たり始めると『逆さ桜』に


     日差しを受けて、水面から霧が立ち始めます


     カルガモのカップルも桜を愛でておりました
 湧き上がる思いや、語りたい言葉は無数にあるのですが、本日は控えさせていただきます。

 とてもよい散歩になりました。


忘れないで!山のフカヒレ

2021年04月11日 | キノコ料理
 何日か前に、ブロ友さんの日記を読んでいると「フカヒレチャーハン」なるメニューが紹介されていた。名前と写真しか見ていないんだけど、チャーハンの周りにとろみのついたフカヒレスープが贅沢にかけられている感じ。一目見て、「これは旨そう!」と思った。そして、「作ってみたい、食べてみたい!」という思いもわき上がってきた。
 でも、我が家には、フカヒレはないよなあ。

 ポクポクポクポク チ~ン
  ≪山のフカヒレチャーハン≫

 ここで閃いたのだ。フカヒレはない。だけど、『山のフカヒレ』ならあるじゃないの。こんな異名を持つキノコ、ムキタケが、まだ結構保存してあるから、これを使えばできるはずだ。
 早速、作り方を考え始めた。そこに妻がやって来て、
「何作ろうとしてるの?」
と聞いてきた。
「餡かけチャーハンなんだけど、ムキタケ使って、八宝菜みたいにならないかなあ。」
みたいなことを答えると、
「それなら、青梗菜使って欲しいわ。たっぷりあるの。」
と言ってきた。
 いいじゃないの。八宝菜に青梗菜。定番ですよ。冷蔵庫で食材調査を始めると、レンコンにニンジン、そして、肉類はある。玉ねぎも問題なし。八宝菜には及ばないけど、五宝菜ぐらいにはなりそうだ。・・・この辺から発想がずれ始めていることに本人は気付いていない。
 この日の朝、運動不足解消のために山登りに出掛けた。帰宅すると、家は、もぬけの殻。そう言えば買い物に出かけるって言ってたね。では、帰宅した家族が驚くような料理を作っておきましょう。

 餡の部
 ※主に「栄養士のレシピ」さんのレシピを参考にしています
 ・ソーセージ100g強を粗い千切りに、玉ねぎ1/2個を半分の長さのくし切りにして油をひいたフライパンで炒めます
 ・ニンジン1/2本を薄い短冊に切って合流。
 ・続いてレンコン1節を銀杏切りにしてこれまた合流
 ・最後に青梗菜1株を粗い削ぎ切りにして加えて、サッサッサと炒めます


   これを炒めて


   油が回ったら
 ・水3カップと醤油大さじ2、酒砂糖ゴマ油各大さじ1と中華だしみりんオイスターソース各小さじ1強を加えて煮ます


   いい匂い
 ※このまま火を止めてチャーハンの完成まで待ちます。

 チャーハンの部
 ※「ヒロニアス」さんのレシピを参考にしています
 ・ご飯3人分にマヨネーズ大さじ1と卵2個と醤油小さじ1 + 中華だし小さじ1ぐらいをかけて混ぜておきます
 ※温かめの方がよく馴染むみたい
 ・中~弱火でのんびり炒めていきます
 ※時々「返す」けど、料理屋さんみたいにド派手にやらなくても大丈夫


  これが始めの方


  これが最後の方
 ※徐々に卵が固まっていくんだけど、マヨネーズのおかげでパラパラになりました

 ここに家族が帰ってきました。妻が、
「わあ、いい香り!」
と台所にやって来ました。ドヤ顔の私に、
「美味しそう!でも、『フカヒレなんとか』じゃなかったの?」

えっ!? ゲゲゲ!すっかり忘れていた。始まりはそっちだったのだ!慌てて作業を追加。


 ・冷凍庫に保存してあった『山のフカヒレ』をぬるま湯で解凍し、フカヒレのように細く裂く
 ・これを餡に入れて一煮立ち。
 ※『山のフカヒレ』は、冷凍の時点ですぐ食べられるように下処理が済んでいたので助かった。
 ・もう一度火を止めてから、水溶き片栗粉(大さじ2:2)を加えて混ぜながら再沸騰させる


  ふうう、出来上がりました。
 今回の料理のコンセプトを知らない娘が、
「フカヒレ料理みたい。」
と言ってくれたので胸を撫でおろす。
 自分で食べてみても、かなりの傑作だと思うんだけど、一口食べる度にムキタケから、「私たちを忘れないでよね!」と叱られているような気分。
 まことに申し訳ございませんでした。

 でも、最終的に美味しく出来て救われました。

 ・・・冷凍庫の保存食も徐々に入れ替わっていく。