山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

お勧め、トビタケチップス!

2022年08月26日 | キノコ料理

 「何?このキノコの香りは!?」

「フォッフォッフォ・・・(バルタン星人の気分)。採れたのだよ。」

       なんだかいっぱいあるでしょう

 トンビマイタケの場合、発生に当たれば、キログラム単位の収穫になるキノコだ。画像でも分かるように、物に触れると、焦げ茶色に変色する。この色が野鳥のトンビに似ているからついた名前らしい。

 そして、これを見つけたときに舞い踊りたくなるほど嬉しくなるからマイタケという名前が付いたとされている(個人的には、舞姫の衣装のような姿が語源のように考えているけどね)。

 まあ、どっちでもいいんだけど、本日は夜勤だ。サッサと下処理を終わらせて、ひと休みしないと、仕事に支障が出てしまう。

 一番手っ取り早いのが冷凍保存なので、どんどん片付けていきましょう。

       汚れを落として500gぐらいずつパッキング

 それから、香りと食感を楽しむ『トビタケご飯』といきたいんだけど、日程的に無理なので、『ご飯』用のトビタケを別にまとめて。そして、残りをどうするか。

  ポクポクポクポク チ~ン

   ≪トビタケチップス≫

 このところ、何回か作ってきたポテトチップスの製法を、そのままトビタケ料理に当てはめてみましょう!絶対に旨いはず!!

 下ごしらえの部

 ・トビタケの汚れを落として軽く水にさらします

 ※この黒っぽい色は、汚れじゃありません

 ・ギュッと絞って、キッチンペーパーで水分を吸わせ

 ・170℃の油で揚げます

 ・泡立ちが収まってきます

 ※もうちょっと粘りました

 ※ポテトチップスのように「完全に」水分が抜けなくてもいいと思います

 ・ポリ袋に入れて塩ひとつまみ(3本指)を加えたらバフバフ

 ※3回に分けて揚げたんだけど、3回目の油を切ったところで、まとめて混ぜました

       出来上がり

 初めて見る方は、見た目でちょっと退くかもしれないけれど、すごく香ばしくて美味しいです。繰り返しますが、この色は、『焦げ』じゃなくて、キノコが本来持っている色です。夜勤から帰ってきたら、なくなっていました。

 多分、塩漬けや瓶詰めで保存した物では、こんなに香ばしくは仕上がらないと思います。今回みたいに、採りたてだと、または、冷凍品を戻したら楽しめるかもしれません。トンビマイタケというキノコ自体が激レアな上に、売値は、超高いんですけど、チャンスがあったら是非試してもらいたい食べ方です。お勧めです!

 それにつけても、山の恵みには感謝しかありません。

 ありがとうございました。


逢いたかったよ、トビタケ!

2022年08月25日 | キノコ採り

 本日は、今年3回目のキノコ山探索。この山を訪れるときは、いつもワクワクするんだけど、本日は、殊の外胸が高鳴る。なんてったって、3日前にここを訪れたA氏が見つけたと言うんですよ。その名もトンビマイタケ!通称トビタケの幼菌を。

 3日が過ぎた本日、そろそろ食べ頃に育っているのでは、という期待にワクワクしているんです。

「見つけた木に、まず行ってみねが?」

「俺もそう思っていた。」

候補になる木は何本かあるのだが、何はさておき当たってみるべきだろう。何てったって激戦区。後回しにした結果、人から採られてしまったら泣くに泣けない。

 身支度を整えて、念のため大型リュックを背負って山に分け入る。先導するA氏が叫ぶ。

「出てる!食べ頃だ!!」

どれどれ?と覗き込むと、

       おおお!久しぶり!!

 去年は、超不作で、殆ど収穫なしと言ってよい結果だったので、この姿には、心が震える。

「おおっ、こっちにも出てる。」

見れば、

       こっちにも

       そっちにも

       あっちにも出てるじゃないの

 ここで、我々も、ちょっとは成長したなあと感じるのが、慌てて手を出さなくなったところ。

       採る前に、撮ります

 欲タガリコンビも、以前は見境もなく採りまくって、あとから、「記録を残しておけば良かった。」と後悔していたのですが、最近は、少し冷静になって、画像を残したり、全体像を把握してから、取り分を分けたりできるようになりました。A氏は、新聞紙を用意してきて、それに包んで収穫しようとしています。

「そっち側、任せた。俺はこっち側を採る。」

という感じで、それぞれがいい感じに収穫。

 大型リュックを持ってきて良かった。ずっしり重たくなってしまいました。

「既に満足だ。でも、一応、奥の木まで見にいぐべ。」

「うん。運動不足解消のためにも歩こう。」

 荷物は重いが、心は軽い。何てったって、2年ぶりの収穫だからね。

       こちらにも出ていました

 奥の木は、休み年だった去年以前は、もっと大きな株が沢山出たのだけれど、以前ほどの勢いは感じられません。去年の異常気象や周辺の環境が変わったせいで、キノコのシロが小さくなったように思えます。

 この先にも採り場が続くんだけど、昨日までの大雨で増水中のため、先に進めません。

 ま、水が退いた頃に休みのタイミングが合ったら訪れるか。

 でも、ここにきて気温がグッと下がってきているから、次のキノコの発生が始まってしまうかもしれないなあ。

 その時はその時。この『キノコ山探索』は、雪が積もるまで続くからね。

       昨日までの大雨で小沢の滝が目立つようになっていた

       稜線には朝日が当たり始めました

 雨雲が去り、素晴らしい好天気のなりそうです。

 本日も、たっぷりと楽しい思いをさせて戴きました。

 山の神様、そして、A氏、ありがとうございました。


ポテチ職人への道

2022年08月24日 | 日記とレシピ

 T氏が、掘りたてのジャガイモを届けてくれたとき、真っ先に作ったのがポテトチップス。他にも美味しい食べ方が沢山あることは分かっているんだけど、直感的にポテチに走ったのは、『美味しい』に加えて『簡単』というイメージがあったから。

 で、実際に簡単にできたし、美味しくて、あっという間に売り切れたからいいんだけど、課題が幾つか残ったのだ。その辺を確かめるために、再度チャレンジしてみることにしました。モニターは、家族の皆さんです。どうぞ、よろしく!

 ということで、今回のレシピは、

  ≪気合いを入れたポテトチップス≫

であります。前回から変えてみた点を中心に記録していきます。

 下ごしらえの部

 ・『トウヤ(煮崩れしない)』を使いました。

 ・皮を剥いてスライサーにかけます

    今回用意した主な道具(ピーラーとスライサーと・・・)

 ・普通に皮を剥いて、普通にスライサーにかけていきました

       こんな感じ

 ただし、この辺まで来ると、スライサーが指に迫ってきて怖くなってくるんです。そこで、

       こんなものを用意しました

 金櫛を2本セットに束ねました。何をしたいかというと、

       以前、ホタテの薄切りで使った技です

 ・これで、残ったジャガイモを挟んで、包丁を滑らせると

       おおっ、ほぼ思惑通り!

 ・次々と切っていきます

 ※スライサーよりは厚いけど、手作業よりは薄く切れる印象

 ※手を切る心配がないからありがたい

 ・水にさらして、軽く洗うとデンプンが出て濁ります

 ・水を入れ替えて10分ほどさらしたら、水気をしっかり拭き取ります

 ※AJINOMOTOだったかのレシピに書いてあったので真似てみました

 ※今回は、『うすしお』をベースにして上記の二つをトッピングしてみますね

  調理の部

 ・今回も揚げ始めは、150℃

 ※浮いてきて、泡立ちが収まってきたら裏返し

 ・今回は、泡が出なくなるまで待ちました。= 水分がなくなるまで

 ※弱火で揚げ続ければ、焦げることは、ありません

       まだです

 ・音がしなくなって、箸で沈めても泡が出なくなったらOKです

 ・キッチンペーパーで油を切って

 ・冷める前に、袋に入れて塩ひとつまみ。青海苔適量。バフバフ!

       出来たぜ!

 ※この数に対して、塩は、ほんの僅かです。(2本指で一つまみ)

 カレー粉味は、失敗しました。振り掛けるのが難しい!!!

 茶漉しかなんかを使うべきかな?次回への課題ですね(ふふふ、また楽しめる)。

 最後に、手作業で切った方です。

 ・揚げ方の温度もタイミングも同じです

 ※ただ、スライサーより厚いので時間がかかりました

       出来上がり(袋に残った海苔が付いたけどプレーンです)

       これで、ジャガイモ1個分です

 お昼に作って、夕方前にはなくなっていました。今回のカレー風味は、ほぼ、ただのうす塩になってしまったけれど、これはこれで美味しいので良しとしましょう。

 包丁で切った薄切りは、

「堅揚げポテトだね。」

という評判で、一番最初になくなってしまいました。厚みがあるからなのか、トウヤだからなのかは分かりません。けど、この2つの条件が揃っていれば『堅揚げ』になるということは分かりました。

 こうして、作った料理が喜ばれたり、楽しみにされたりすると、士気が高まりますね。課題も残っていることだし、また作りましょ!

 T氏、ありがとうね。


秋の気配 = 欲タガリの気配へ

2022年08月23日 | キノコ採り

 本題に入る前に、

 『嬉しい!』『おめでとう!』『ありがとう!』

 仙台育英の優勝にウルウルしております。ここまで、長かったあ!よくやった!

 以上、前書き終わり。

 今年になって4回目の梅雨(マタギの実感)が去って、また夏空が戻ってくるらしい。山仲間のA氏と連絡を取ったところ、キノコ山に入るのは、3日後辺りが丁度よいのではないかという話になった。ようやくトビタケに出逢えるのか出逢えないのか、ワクワクするのだが、その前に・・・、明日も休みなんだよね。

 出掛けなきゃ!

 このところ、諸行事と降雨とがマタギの休日と重なって、遊びに出かけられずにいた分、山の空気を吸いたくなっているんですよ。身体もなまってきた感じがするし。

 色々考えた結果、秋の山菜でお世話になる月山方面の散策に出掛けることに決めた。

 季節の進み具合をこの目で見ておきたいし、あわよくば何か収穫物をという下心もある。したがって、藪に潜り込んだり山菜を採取したりするための最低限の装備も準備しておきましょう。

 そして翌朝、例によって日の出時刻に合わせて出発。目的地に車を駐めてドアを開けると、ひんやりした空気。これは、『涼しい』を通り越して『寒い』に近いかも。もちろん、アブなんか1匹もいません。これは気持ちの良い散歩が出来そうですね。

       夜が明けようとしている空の東雲

 まだ、周りは暗いんだけど、つい先ほどまで降っていた雨のせいか、空気が非常に澄んでいるのが分かる。

 雨雲が去った後に広がろうとしている青空、そして雲は、完全に秋の気配だ。

       見上げると山葡萄

 結構、良く実っている。これが色づくのは1ヶ月後ぐらいかな。

       もうすぐ花盛りです

 何の花かというと、春にお世話になるタラノキです。続いては、

       綺麗じゃないの!

 オオハンゴンソウです。環境省からは『特定外来なんちゃら』として目をつけられていますが、これも、現時点では月山の生態系の一部です。敵視する気にはなれません。

 足元に視線を落とし、見つめてみましょう。

       テングタケ科かな?

       こちらは、全く分かりません

 キノコも、少しずつ時期をずらして顔を出すようですね。キノコ達も、季節の進みを教えてくれようとしているのかもしれない。

 歩いているうちに、パッと目の前が明るくなった。

        太陽光のスポットライト

 太陽が稜線を越えて昇ってきたということだ。光源の方に目をやると、

       ブナ林を光が照らす

 今まで暗くて見えなかったブナの木肌がはっきりと見え始めた。

 はい、もう満足です。良い風と良い光とに浸ることができて何も言うことはありません。

 自然の神々に感謝を告げて山を下りる(ここで完結すれば良いのに)。

 さて、帰宅してみると、キノコが1個。

       マタギについてきたのかな?

 「君は何者だい?」

「・・・」

答えてくれない。

 困ってしまったマタギのおまわりさんは、調べ始めました。

 迷子の迷子のキノコちゃん、あなたの名前は???

       傘の内側(ヒダ)を見ると『イグチ科』ですね

今度は、図鑑を引っ張り出して調べまくったんですけど、どうもはっきりしません。

 ただ、この手のキノコで毒性のある『ドクヤマドリ』でないことは間違いありません。

 だったら、食ってやれ!ちょっとぐらいなら死なないはずだ。

 洗って、調理を始めたところで気付いた。

       切り口が赤くなった!

       奥が「切ったばかり」、手前が「数分後」

 ちょっと不気味だけど、これって特徴的だよね。再度、調べ直してみたけど、結局分かりません。

 はっきり言えることは、人々に知られている『毒キノコ』でも『食キノコ』でもないということ。

 多分、大昔、飢饉になって、飢えた人々が、こういうキノコを食べてみたんだよね。そして、ラッキーなことに美味しい思いをしたり、苦しい思いをしたりして、今の判断基準が出来上がったんだと思うんですよ。

 さて、そこにマタギも仲間入りするか?

 ・・・やっぱり、止めておきましょう。今は、飢饉じゃない。ただの『欲』のために命をかけるのはアホらしい

 せっかくついてきてくれたキノコちゃんだけど、いつか、機会があったらね。

 バイバイ

 秋の訪れとともに、山の楽しみも広がってきますね。同時にマタギの欲も広がってきます。

 ほどほどにね。

 『欲』に流されて足を踏み外さないように、季節を楽しみたいと思います。


文明に感謝!海鮮料理

2022年08月22日 | 日記とレシピ

 このところ、煮物、炒め物、揚げ物をメインにして、『夏野菜の・・・』と『キノコの・・・』みたいな副菜が並ぶメニューが多くなっている。これはこれで美味しいから良い。だけど、「そろそろ生魚が食べたいなあ。」そんなことを思っているところに妻が、

「冷凍しておいたカツオとか、食べたいんだけど。」

おおっと、おぬしはテレパシストか。

 ここまでは、二つ返事でOK。

「ホヤも戻そうかしら。」

「無理でないか?」

「そう?」

だって、

       デーン

一片の横幅が40㎝。厚みもかなりある。これを戻したら、いくら美味しくても食べ切るのにかなり苦労するはず。ここにホヤを並べたら、どちらかに可哀想な思いをさせてしまう。本日は、≪カツオのタタキ≫。これ一本に絞りましょう。

 調理に取りかかります。

 ・解凍します

 ここが最大の関門になった。

 ※『塩分3%、40℃、20分』

 これが海鮮の解凍時の原則なんだけど、この環境が整えられないのだよ。サクが大きすぎるのだ。いつも使っている、鍋もボールも対応出来ない。仕方がないので、しまってあった大鍋を引っ張り出してきてサイズをみると、ぎりぎりで何とかなりそう。

 タタキだから、解凍後にもう一度加熱することになるので、完全解凍まではいかなくてもいいはずだよね。でも、

 ※サクをしっかり塩水に漬けないと、綺麗には戻らない。

 色々考えた結果、以下のようになりました。

 ・ぬるま湯36℃を6ℓに、食塩200g溶かしたところに、冷凍したサクを投入

       こんな感じ

 ・サクを包んでいたラップは、すぐに外せるようになります

 ・軽く重しをして20分待ちます

 ・鍋から取り出したら、キッチンペーパーで水気を拭き取ります

 ・全面に塩を回しかけます

 ・串を適量刺して焼きやすくします

 ※中心部が凍っているけど、気にしない

 ・表面をしっかり焼いたら冷水で冷まし、水分を拭き取ります

       いい感じですよお! 

       中心部が、まだ凍っているので切りやすかったです

 ・冷蔵庫のチルドに入れて、食事時間まで待機

     1枚が大きい!タタキと言うよりローストカツオです

 ネギとニンニクを乗せて戴きました。シソを乗せた方もいます。

 堪らない旨さです!でも、大きすぎて、やっぱり食べきれませんでした。

 ホヤに手を出さなくて正解だったみたい。また、頃合いを見て堪能すれば良いだけだものね。

 それにしてもありがたい冷蔵庫様よ。好きなときに生鮮料理を楽しむことができてしまう。

 これは、カツオを送ってくれた石巻の叔父叔母は勿論ですけど、文明に感謝ですね。アリガタヤアリガタヤ。