ある方のご主人が、通風に罹ったと聞いた。
「風が吹いても……」と言われるほどの痛みなので、家中の大騒ぎが想像できる。
「家中の大騒ぎ」などの表現は、不謹慎かもしれない。病人やご家族に対し、失礼極まりないこと。しかし、ことが通風となると、どうしても親近感が湧いてしまって、失礼な態度が出てしまう。
このような癖は、私だけの特異な例ではない。
「おいおい、○○さんも痛風になったってさ」
「へー、あの人、そんなに飲んだっけ?」
痛風罹患者近辺の通常の風景。
私の友人や知人の中にも、痛風患者は多くいて、会えば冷やかし半分に病状交換をしている。
「どう……?」、と、相手の足元を指さして訊ねる。
「時々だねえ」。つまり、時々痛むらしいのだ。
「なんで……?」。薬をキチンと飲んでいれば、痛まないはずではないか。訊ねたほうには、そんな思いがある。
「ここんところ痛まなかったンで、大丈夫かなあと思って飲まなかったんだよねえ」
この知人は何度も痛みを再発させている。
原因は、薬服用忘れと暴飲暴食。あっ、それに肥満だ。
「同病相憐れむ」という言葉がある。
「夜になると咳込んじゃってねえ」
「実はこのごろ、オレもそうなんだ。喘息かなあ」
「ウン、咳喘息ってのがあるらしいから、気をつけたほうがいいぜ」
通常は、同情しながらの話になる。
ところが、痛風の場合は、同情の前に親近感が湧いてしまう。妙な病気だ。
生命に別状ないという安心感があるからだろうか。
私の発病は20年ほど前。
左足親指の付け根が、ポッとピンクいろになったが、さほど痛まなかった。
少し指が曲がった感じだったので、外反母趾かなと思った。整形外科の診察を受けたら、「痛風のケ」と言われた。正しくは高尿酸血症。
「痛くありませんよ!」。
痛くないのだから、痛風ではないのではないか。素人のくせに、私はそんな主張。
「血液検査の結果では、尿酸値が高い。いつ痛くなってもおかしくない。薬を服用していただきます」、と医師。
痛くなってから飲めばいいのではないか、という私に対し、
「あなたの尿酸値は高い。放置したままでは腎臓を傷めます」と、いつになく強い医師の指示で、その日から薬を飲みはじめた。
私の周囲には、痛風患者が多い。薬を正しく飲み続け、みな再発していない。
勝手に薬をやめて再発させている友人は、一人だけ。
行ったほうがいいですよね
私の健康は元カミさんのお陰と感謝しています
人間ドックをしていないとは、羨ましい。それだけ健康に自信があるということですから。
私は絶えず脅かされ、だから毎年受けています。
そして、懸念事項が増えています。
でも、3年は空きすぎでしょうか。
まことにありがとうございました。